コラム

 公開日: 2016-10-12 

なぜ、戒めを守り、生き方を戒めに一致させようとするのか? ─持戒のご利益─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。


〈『マンダラの読み方』よりお借りして加工しました。供養は修行です〉

 お釈迦様は、戒律を守ることのご利益を説かれました。

1  僧侶が和合する
 一緒に修行していながら、片方では真剣に勤行を行い、片方ではダラダラ怠けているならば、同志としての信頼や親和は望めません。
 お釈迦様は、行者一人一人の自覚と共に、修行の場が和合していることを強く求められました。
 それは本来、家庭や職場でも根本中の根本ではないでしょうか。

2  僧侶を受け入れる 
 皆が真剣に勤行していてこそ、行者として加わりたい人を受け入れられます。
 加わる先の人々がお手本にならないなら、そのグループは、やる気のある人に大切なものを与えられません。
 本性を隠してはびこるブラック企業、ブラックバイトのような不誠実は許されません。 

3  悪人を調伏(チョウブク)できる
 自分を律し、自分を放恣(ホウシ)にしていなければこそ、他者の悪しきところを取り除けます。
 仏法における調伏は、悪人をやっつけたり、あるいは相手を説き伏せ、仲間に引き入れることではありません。
 太陽の暖かさが、旅人の羽織っているマントを脱がせるような、感化作用によって仏心を開花させることが真の調伏です。

4  慚愧(ザンキ)する者を安楽にさせる
 自分の罪科を悔い改めようとしている人へ本当の安楽を与えられるのは、先に過ちの川を渡った対岸にいる人です。
 自分の悪行に打ちのめされている人に、同じく悔いている人が手を差し伸べ、苦悩を和らげることはできます。
 しかし、流される人を安楽なところまで導くのは、崩れぬ対岸にいて丈夫なロープを投げ入れられる人の役割です。

5  現世の煩悶(ハンモン)をなくす
 人としての戒めが自然に生きられていれば、ままならぬことがあっても、煩わされ、悶えて悩まず、淡々と対処できます。
 この世にいる限り、病気であれ、老いであれ、裏切りであれ、争いであれ、ままならないという苦は逃れられません。
 しかし、戒めを生きていればもう、それ以外の生きようはないので、たとえままならないできごとにぶつかっても、その事態が生き方を迷わせるほどの苦しみにはなりません。

6  未来の煩悶をなくす 
 この世で戒めが生きざまとなれば、悪業(アクゴウ)を積むことなく、来世に悪果(アクカ)をもたらしはしません。
 因果応報は厳粛な真理であり、私たちが因と果の糸を見つけられようと見つけられまいと、その二つは切り離せません。
 戒めを守ることにより、この世で煩悶もたらす悪行(アクギョウ)を行わず、その結果として起こる煩悶を克服すれば、煩悶を起こす因は消え、来世に煩悶が生ずるはずはありません。

7  信じない者を信じさせる
 仏法を生きる方法は戒めを守り、戒めが生き方そのものになることであり、そうして生きている人のみが誰かを仏法へ導き入れられます。
 千万の言葉で仏法を説くよりも、仏法に生きている姿を見せる方が大きな説得力となります。
 私たちは、ごく普通の日常生活にあっても、善きにつけ、悪しきにつけ、人と接し感化されるではありませんか。

8  自分が信じるところを前進させる 
 何ごとも精進(ショウジン)なくしては実現できず、戒めが血肉となれば、精進して生きる他の生きようはないので、必ず、仏道をより先へ歩めます。
 私たちは常に、何かをやりながら生きる生きものであり、何をどうやるかが人生を紡ぐということです。
 戒めを守るならば、その人の人生はそのように紡がれており、それは同時に、選んだ道を前進していることに他なりません。

9  仏法にずっと止まらせる
 戒めを守らずして仏法を生きることは不可能です。
 お釈迦様が持戒のご利益をはっきりと説かれた原因は、ある行者が淫欲に負け、娑婆へ戻ったというできごとにあります。
 戒律の「戒」は個人的な一心内の戒め、「律」はグループ内の決まり、この二つに背けば、そのグループでは生きられません。

10 清浄心にずっと止まらせる
 世間的な価値を求めず、仏界を目ざす清浄な心は、戒めにそった生き方でなければ保てません。
 仏法によって人々の悩みや苦しみを解消する手助けとなりたい場合、世間的に価値があるとされているモノやお金や立場や名誉が役立つ場合はあります。
 たとえそうしたものを利用する場合でも、それらを正しく〈手段〉とし、それらに流されないかどうかは持戒にかかっており、こうしたポイントは、政務活動費問題などにおいても、重要であると思われます。

「おん あらはしゃのう」
 今日の守本尊文殊菩薩様の真言です。
 どなたさまにとっても、佳き一日となりますよう。
https://www.youtube.com/watch?v=WCO8x2q3oeM

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 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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