コラム

 公開日: 2012-02-02  最終更新日: 2014-06-04

2月の聖語 ─弘法大師の言葉と性犯罪者の懺悔─

936full-abashiri-prison-screenshotをお借りして加工しました
 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。
 また、当山へかずかずの温かいご支援をくださった方々へ、深く深くお礼申し上げます。



 お大師様の言葉です。

「物に定まれる性(ショウ)なし。
 人、何ぞ常に悪ならん。
 縁に遇(ア)う時はすなわち傭愚(ヨウグ…愚かな者)も大道(タイドウ…仏法に導かれる生き方)を乞い願う」

(モノはすべて縁という関係性の中で生じ、滅する。人間性や生き方も同じく周囲との関係次第である。
 たとえ今は愚かな人生を歩んでいる人でも、仏法にめぐり会えば、人の道を考え、まっとうな生き方をするようになる)
 実に、お大師様は人間を信じる方でした。
 万人の成仏を確信しておられました。

 ブログ「2月の運勢」へ、文藝春秋社に投稿された性犯罪者の懺悔を紹介しました。
 服役中の樹月カイン(仮名)氏の真情です。

「性暴力というと、どうしても人は『性欲』の問題だと理解したがります。
 しかし、私が本当に求めていたことは、強姦という性行為ではなく、強姦後に作る『被害者たちとの関係性』でした。
 他者を嘘と演出で意のままに繰ることで、自分の優位性や切れない関係を維持しようとし、そのことで半ば無自覚的に自尊心を満たしていたのです。
 自分の劣等感や支配欲の裏返しだったのでしょう」
「必要ならば民事拘禁されることもやぶさかではありません。
 GPSについては、人権上の問題など様々な議論があると聞いています。
 しかし、私は加害者の生活の質が低下することくらい、当然のことではないかと思うようになりました。
 加害者の多くが失念していることですが。被害者の方は事件前の暮らしを取り戻すことができず、今もこれからも一生深い傷を負ったままの生活を強いられているのです」

 ネットで調べてみると、この重大な情報に触れたものはほとんどありません。
 
 折も折、1月31日付の朝日新聞は、性犯罪を犯し、5年の刑期を特別な制度によって20年以上伸ばされた上、住み込んだ村から追い出されそうになっている二人の出所者をとりあげました。
 住民たちは「私たちは彼らの療法士でも実験用モルモットでもありません。彼らが再び同じことをやらないとはだれも保証できない」「性犯罪者はいらない」「終身刑を」と主張し、54才と64才の二人は、一般社会そのものから永久追放されかかっています。

 樹月カイン氏の貴重な懺悔と涙ぐましい決意とを最後まで記しておきます。

「性犯罪の原因に」具体的でわかりやすい『答え』は何一つ用意されていないと思います。
 当然、理解も深まらないし、対策も立てづらい面があります。
 しかし、だからこそ、『刑務所以外の可能性』を示し、社会の多様な力で解決していかなくてはなりません。
 私の治療プログラムもまさに『社会との対話』で成り立っています。
 性犯罪は塀の中の特殊な加害者だけの問題ではなく、明日被害に遭ってしまうかもしれない『あなた』の問題でもあるのです。
 加害者・被害者・支援者・一般市民などという立場を超えて、未来の被害者を守らなければいけません。
 何をしたところで代償行為にしかなりませんが、私は自己の全存在をかけて、性暴力根絶に取り組んでいきます」

 人は何者か?
 犯罪者って何?
 一般市民って何?
 罪人は犯罪者の烙印を押された人だけ?
 人はいかにあり得るか?
 何者に成り得るか?
 個人と社会との関係はいかにあるべきか?
 そして、樹月カイン氏の血を吐くような訴えに知らん顔ができるか?
 よく考えてみたいものです。
 


 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。

 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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