コラム

2012-02-05

マンダラと絆

初七日から三十三回忌までをお導きくださるみ仏のマンダラ
 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。
 また、当山へかずかずの温かいご支援をくださった方々へ、深く深くお礼申し上げます。




 お大師様は「私たちもこの世も、み仏の4種類のマンダラとして顕れており、しかもそれらは一体となっている」と説かれました。
 どういうことか?

1 本体としての形態

 全体としてひとまとまりになっており、一人の人間の身体は分離できません。
 自分の手を誰かに貸し、自分は誰かの脳を借りることなどできません。

2 願いとしての意義

 何かを行う者としての願いが持ち物などに顕れています。
 たとえば、み仏なら印や蓮華など、大工さんならカンナ、料理人なら調理器具、作家ならペンや原稿用紙です。

3 他と区別できる名称

 すべては文字で特定されます。
 大日如来は大日如来と呼ばれ、「ア」や「バン」の文字で表され、私たちは親からもらった名前で一生特定され、「氏名」で表現されます。

4 独自のはたらき

 誰しも、周囲の縁によって支えられつつ自分のいのちを自分で生きており、その一部を誰かに代わってもらうことはできません。
 三回忌のお導きは阿弥陀如来であり、三十三回忌のお導きは虚空蔵菩薩であり、大工さんは家などを造り、料理人は食べものを作り、作家は小説などを創ります。

 み仏がそれぞれのお姿となり、それぞれの願いを持ち、それぞれの名称で呼ばれ、それぞれのはたらきをしてくださっているのは、私たちと何ら変わるものではありません。
 こうしたありようをよく考え〈姿〉の面からみ仏の世界を表せば、掛け軸などにいくつものお姿が書かれているマンダラになります。
 この世にたくさんの人間がいるのと同じです。
 〈願い〉の面からみ仏の世界を表せば、掛け軸などに印や剣や蓮華などが書かれているマンダラになります。
 この世にさまざまな道具があるのと同じです。
 〈名称〉の面からみ仏の世界を表せば、掛け軸などに梵字が書かれているマンダラになります。
 この世にAさんやBさんやCさんがいて、住民台帳などがあるのと同じです。
 〈はたらき〉の面からみ仏の世界を表せば、東寺などの立体マンダラになります。
 この世に新聞配達人がいて、おまわりさんがいて、保母さんがいるのと同じです。
 お大師様の説かれた四つの観点から世の中を観ると、万華鏡を覗いているような感覚になります。
 観ている自分も万華鏡の世界を構成している一員であると思えれば、それは自力でこの世と絆を結べる時ではないでしょうか。
 マンダラの観点を忘れないようにしたいものです。

 


 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。

 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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