コラム

 公開日: 2012-02-18 

あらためて十善戒を考える(その7) ─むさぼらず、自分をかける─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。
 また、当山へかずかずの温かいご支援をくださった方々へ、深く深くお礼申し上げます。
 来る3月11日には「般若心経百万巻」の供養をしましょう。(http://hourakuji.blog115.fc2.com/blog-entry-3107.html



 1年のはじめに、あらためて「十善戒」を考えています。

8 貪らないこと…不慳貪(フケンドン)

 貪るという言葉はそもそも、インドの「ラーガ」であり、それには「染まる」という意味があります。
 たとえば、私たちが「もっと、もっと」とお酒を飲む時、自分が飲んでいるはずなのに、いつしかお酒に飲まれて(染められて)しまうところまで行ってしまう場合があります。
 そしてとんでもない失敗をやらかし、翌日の朝は二日酔いと自己嫌悪でひどい一日が始まったりします。
 貪ってならない理由は、このように、本当の自分が自分の主人公でなく、自分が貪る対象に乗っ取られてしまうからです。
 その結果は……。
 貪る対象お酒なら、アルコール依存症や肝臓病になるかも知れないし、そこまで行く手前で自分や誰かの人生を決定的に傷つけてしまうかも知れません。

 また、たとえば、「もっと、もっと」とお金を貪り貯め込んでいる時は、自分が必ず死に、あの世まで持って行けないことを忘れています。
 死ぬのは明日であってちっとも不思議ではないのに、そんなことはまったく考えず、通帳の数字を見て楽しんでいます。
 困っている人々が世の中にはたくさんいるのに、そんなことも眼中にありません。
 こうしたタイプの人は、誰かと喜びを分かち合うことができず、決して尊敬されたり信頼を得たりできません。
 本当の意味で豊かな人生を送れないのです。
 それは、何かのおりにとても厳しい形で明らかになります。
 重い病気にかかった時、いかに豪華な特別室に入院していても、心配してくれる人が訪れないならば、どうでしょうか。
 その反対に、すべては空(クウ)であり、お金も自分も儚い存在であると知ってむやみと貯め込まず、自分のためだけでなく他のためにも協力し「おたがいさま」の心を忘れずに生きている人ならば、見舞ってくれる人に「ありがたい」と涙するかも知れません。
 そもそも、「おたがいさま」と暮らす毎日はいつも感謝と笑顔に満ちているはずです。

 貪る心を離れれば、ほとんどのものは「これでも良い」と思われ、本当に自分をかけるべきことが見つかることでしょう。
 いわゆる知足(チソク)の状態になります。
 あまりお金がなくても、あまり広い家に住めなくても、あまりおいしいものを食べられなくても、誰かの何かの役に立ちたいと願う心があれば、まっとうに、真の意味で人間らしく生きられます。
 自分が〈何か〉に乗っ取られるのでなく、自分が主体的に〈何か〉へ自分をかけられる時、人生は充実し、満足感を伴う喜びというご褒美が与えられます。
 足を知ることの本当の意義はここにあり、ただ、不満が少なくて文句が口から出ないだけではありません。
「ああ、ありがたい」「自分は生かされている」と感じ、感謝の心が湧けば、その先には、布施の心が起こるはずです。
 自分のためでなく、誰かのためにできることをやりたくなります。
 これこそ、菩薩(ボサツ)になるための第一歩です。

 2月16日、当山では、東日本大震災により犠牲となった方々を供養するための読経と納経を呼びかけました。
 長いお経を写経するだけでなく、たとえば「南無大師遍照金剛」や「南無大施徳菩薩地蔵尊」や「南無観世音菩薩」や「南無阿弥陀仏」などの御宝号(ゴホウゴウ)でも結構です。
 心をこめて書き、最後に「~年~月~日」と書いた日、「為~」と目的、「~~」と名前を付記すれば立派な供養になります。
 今日を生きられることに感謝し、できることをやろうではありませんか。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。

 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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