コラム

 公開日: 2012-02-21 

三十七の菩薩(ボサツ)の実践(第十四回) ─誉め上手─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。
 また、当山へかずかずの温かいご支援をくださった方々へ、深く深くお礼申し上げます。
 来る3月11日には「般若心経百万巻」の供養をしましょう。(http://hourakuji.blog115.fc2.com/blog-entry-3107.html



 菩薩(ボサツ)になるための実践道。
 第十四回目です。


「ある者が私に対してさまざまな非難中傷を三千大千世界に遍くふれ回ったとしても、慈しみの心で繰り返しその者の功徳を称賛する、それが菩薩(ボサツ)の実践である」

 いわれのない非難中傷を受けて嬉しい人はいません。
 面と言われれば「何を!おまえこそ!」となり、誰かから聞かされれば「エッ!よく言うよ。あいつなんて~のくせに」となります。
 これでは、不悪口戒に背く相手と同じレベルになり、菩薩からは遙かに遠ざかってしまいます。

 相手の言い分が当たっていれば悔しく、当たっていなければ嘘をついていることが許せず、反撃に出ます。
 いずれにしてもそのバックには自尊心が控えています。
 自分はみ仏の子であるという正しい意味で自分を尊ぶことは必要ですが、多くの場合、自分を中心としていたい〈我(ガ)〉が自分を守りたくて強い心が動き、攻撃してくる相手への反撃を指令します。
 一方、正しい自尊心は何ものにも動かされないので、他を攻撃するという姿勢に結びつきはしません。
 つまり、こちらを非難中傷する相手の悪い部分を指摘する場合、多くは自尊心を傷つけられた怒りから発しています。
 み仏はそこを戒め、相手の功徳を誉めよと説かれました。

 そもそも、相手を選ばずいつも他のためになる菩薩ならば、自分の言葉に耳をかたむける人であろうと、攻撃してくる人であろうと区別はありません。
 攻撃してくる人は、行者である菩薩にとって二重の意味で大切な相手です。

1 菩薩道を歩めない気の毒な人であり、救済しないではいられない。
 居合の稽古でより細かな指導を受けるのは初心者であり、上達すればするほど、指導される機会は少なくなります。
 同じように、菩薩は、誰しもが菩薩道を歩んで苦を脱してもらいたいと願い、この世を文字どおりの極楽世界にしたいと願っているので、そこから外れている人にこそ強く思いやりをかけねばなりません。

2 行者としての菩薩の〈我(ガ)〉を試してくるありがたい相手であり、感謝しないではいられない。
 隠形流(オンギョウリュウ)居合の稽古で鏡を用いるのは、自分の動きがどうなっていて剣はどういう動きをしているかが自分では見られないからです。
 同じように、〈我(ガ)〉と闘う行者としては、師であれ、同輩であれ、あるいはこうした相手であれ、周囲の人々とのやりとりは皆、修行の状態をチェックする大事なきっかけとなります。

 こうしたことを考えるまでもなく、周囲から人格者と認められるような人は不用意に他人の欠点をあばいたりせず、誹謗中傷をも春風のような穏やかさで受け流します。
 また、指導の上手な親や教師は、子供や生徒の長所を誉めて心を開かせ、やる気をださせてから欠点の是正をはかります。
 人格者には例外なく〈我(ガ)〉から離れた何らかの不動心があり、教育上手は例外なく誉め上手であることを忘れないようにしたいものです。

 かつて連載していた『ほめほめ集』から子供の書いた文章を挙げておきます。 
『ほめほめ集』は、かつてO小学校で行われていた校長先生と児童との手紙「ほめほめ便り」による交流をまとめたものです。

「二年 A・K

  トイレへ、手をあらいに いきました。ついでに、おしっこをしていこうと、思いました。
 ドアをあけると、「ぬるっ」としたものがついていました。
 つぎにくる人が こまると思って、きもちわるかったけど、きれいに ふいておきました。

                   ◆

 また、ほめほめを 書いてくれましたね。あきちゃんのほめほめの目が、とっても よく見えるようになったんだなと思い、校長先生は、うれしいよ。
 きょうの おてがみは、トイレに、ぬるっとしたものがついていたので、ふいておきました、という、おたよりでしたね。
 トイレは、きれいにおそうじしてあっても、なんとなく、きもちがわるいですね。
 それなのに、あきちゃんは、あとの人が、こまるだろうと思って、きれいにふいてあげたんですね。
『きもちわるかったけど、きれいにふいておきました』という、あきちゃんの気もちが、校長先生にも、よくわかりました。
 これからも、人のことを かんがえて、よいことを、たくさんする、やさしい、やさしいあきさんになってくださいね。校長先生もおうえんするよ」




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。

 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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