コラム

 公開日: 2012-03-02  最終更新日: 2014-06-04

【現代の偉人伝】第145話 ─「自然は人のいのちを奪うこともあるが、人の魂や思いを奪うことはできない」ルース米駐日大使─

http://www.kahoku.co.jp/img/news/2012/20120229012jd.jpgをお借りして加工しました
 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。
 また、当山へかずかずの温かいご支援をくださった方々へ、深く深くお礼申し上げます。
 来る3月11日には「般若心経百万巻」の供養をしましょう。(http://hourakuji.blog115.fc2.com/blog-entry-3107.html




 東日本大震災から一年が経とうとしていても、忘れられない言葉がある。
 平成23年3月23日、被災した宮城県石巻市の避難所を訪問したルース米駐日大使は、被災者の肩を抱いて語った。

「 米政府はどんなときも皆さんを支援する。
 できることは何でもしたい。
 自然は人のいのちを奪うこともあるが,人の魂や思いを奪うことはできない」

 これこそ、決定的な言葉と言うべきではなかろうか。
 どの一言も決して他の言葉に置き換えようがない。

 1200人が寝起きしている石巻市立渡波(ワタノハ)小学校の体育館内を歩きながら発した言葉には前段がある。

「痛ましい惨状に言葉を失ったが,皆さんの力強く生きる姿に感動した。
 アメリカは日本の友人にどんなことでも支援していく」

 氏は、亀山紘市長を脇に、こう演説して拍手を浴びた後、妻と米太平洋軍司令官のウィラード大将夫妻を伴って被災者のそばへ歩を進めた。
 家族を失い、家を失い、職場を失い、とてつもない喪失感に襲われている人々へ、「あなたの心は奪われていないではありませんか」と指摘し、「あなたの裸の心はまぎれもなく私たちとつながっており、私たちはそれを確信しています」と、自分も裸の心になって語ったのである。
 被災者の方々は、〈確信〉している姿に大きな安堵感を覚えたのではなかろうか。
 つながりのないところに救済はないし、〈断ちきられた〉ばかりの方々にとって、つながっていることそのものがすでに救済だったことだろう。

 氏は優秀な成績で卒業したスタンフォード大学のために長年、ボランティア活動を行っている。
 教育や公共活動へ積極的にかかわり、技術系・生命科学系企業や新たな成長企業を顧客とする米国の大手法律事務所で最高経営責任者を務めた。
 米政府高官として初めて、平成22年8月6日に行われた広島の平和記念式典に出席した。
 毎日新聞は、その様子を伝えている。

「ルース駐日米大使は6日、広島市の平和記念式典開始の30分以上前に会場に姿を現し、あいさつに訪れた秋葉忠利・広島市長と和やかに握手した。
 猛暑の中、ルース大使は真っすぐに正面を見据え、菅直人首相らの言葉に聴き入っていた。
 会場では報道陣の取材に応じることはなかった。
 式典終了後、参列した人々の方を見やりながら、黙って会場を後にした」

 氏を駐日大使に任命したオバマ大統領は、「優れた判断力と卓越した知性を備え、私の親しい友人・助言者であり、最先端技術に関して民間部門で働いた経験があるだけでなく、公共活動にも深い関心を持つ人物がこの仕事に最もふさわしい」と述べている。

 私たちは言葉を道具としてコミュニケーションをはかる。
 確かに、言葉によって、伝えようとしている内容は理解される。
 しかし、言葉は言霊としての力を備えてこそ、相手の魂へ届く。
 この力の源泉こそ、人格としてはたらく魂のありようである。
 氏に決定的な言葉を吐かせたものは、まぎれもなく氏の人格である。

 氏の言うとおり「人の魂や思い」は誰にも奪われない。
 裸の心で人間の最後のよりどころを示した氏は偉人というべきでなかろうか。

 3月1日付の河北新報は伝えている。

 東日本大震災で被災した陸前高田、石巻の両市を訪問した米国のルース駐日大使が仙台市内で河北新報社のインタビューに応じ、今後も被災地との交流と支援に力を入れる考えを示した。(聞き手は東野滋)

-被災地の現状についてどう感じているか。
「各地を訪れるたびに、復興に向けて着実に前進していることを知り、感銘を受ける。
 とてつもない悲劇と苦難にくじけず、力強く立ち直ろうとする人々の姿に、大統領をはじめ多数の米国民が心を動かされている」
-日米が官民一体となり、教育やスポーツなどの分野で被災地の若い世代を支援する「トモダチ構想」を発表した。
「被災地の若者に未来への希望を与えたいと考えた。
 米国への短期留学などを通じて、両国の若者同士を結び付けることで『トモダチ世代』をつくり出し、将来の両国の友好関係を深めることも目標だ。
 東北の高校生にぜひ参加してほしい」
-米国では震災をどう受け止めているのか。
「震災後、米軍の『トモダチ作戦』など政府の対日支援以外にも、折り鶴を作って日本に送ったり、義援金を集めたりという民間の取り組みが全米各地に広がった。
 なぜなら、米国にとって日本は特別なつながりがある国だからだ。
 震災という悲しい出来事を通じ、つながりはさらに強くなっている」
「東北の被災地と被災者のことは、一貫して米国民の心の中にある。
 米国は今後もできる限りの支援を継続する」





 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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