コラム

 公開日: 2012-03-07  最終更新日: 2014-06-04

サプリブームの落とし穴

人生相談にご来山された方から、密かに拝んできた被災地のお不動様に関する話が出たのには驚きました
 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。
 また、当山へかずかずの温かいご支援をくださった方々へ、深く深くお礼申し上げます。
 来る3月11日には「般若心経百万巻」の供養をしましょう。(http://hourakuji.blog115.fc2.com/blog-entry-3107.html




 3月5日付の河北新報は「骨粗そう症招く恐れ」と題して、ビタミンEの過剰摂取に警告を鳴らしました。
 慶応大学の竹田秀特任准教授などのチームが発表した研究によれば、
「ビタミンEには身体の酸化を防ぐ作用があり期待できるが、過剰摂取に注意してほしい」
とのことです。

 その根拠は?

「骨の内部では、骨を作る細胞と、骨を壊して吸収する『破骨細胞』がバランスよく働き、骨を新陳代謝させている」

 作る役割を持つ細胞と壊す役割を持つ細胞のバランスで頼りにしている骨が保たれているとは驚きです。
 チームがビタミンEを取り込めないマウスを観察したところ、破骨細胞が小さくて、骨がうまく吸収されないことがわかりました。
 もう一つ、ビタミンEが破骨細胞を巨大化させ、骨を壊す能力を高めることもわかりました。
 そこで、マウスとラットに人間が通常摂取するほどのビタミンEを与え続けたところ、たった8週間で骨量が約20パーセント減り、骨粗そう症になったそうです。

 この研究により、いくつかのことがわかります。

1 身体は自然の一部であり、微妙でさまざまなバランスによって保たれている。

 私たちの骨が正常を保って生きていられる真理を、古人は「地の徳が空(クウ)の徳によって保たれている」と観じました。
 いのちの不思議の全体像を人知はとらえきれないけれども、天地自然のおはからいに感謝し、体内の精妙な感覚を察知しながら生きられると考えました。

2 身体に〈良い〉ものもバランスを失う摂り方をすれば、身体に〈悪い〉ものとなる。

 この真理を古人は

「諸刃の剣」

あるいは、

「過ぎたるは及ばざるがごとし」

と戒めました。
 微妙な毒の成分で味覚を刺激するフグも、食べ過ぎれば死ぬ可能性すらあります。

3 何をどれだけ摂ればいかなる身体になるかという全体像はわかっていない。

 私たちが食べものと認識するあらゆるものに何がどれだけ含まれており、それをいかなる組み合わせでいかなる食べ方をすればどうなるかなどという膨大なパターンのシュミレーションは成り立ちません。
 だから、人知の限度としては、厚生省が摂取基準を示すのがせいぜいといったところです。
 ちなみに、ビタミンEの許容上限は、「年代によって異なるが1日当たり最大900ミリグラム」とされています。
 一方、厚生労働省が定めた1日のビタミンE摂取量は、成人男子で9ミリグラム、成人女子で8ミリグラムです。
 日々、20数種類ものサプリを常食として超人的な活躍を続けている石原都知事にはいかなる医師や栄養士がついているのか、下々の私などには想像がつきません。

4 ありとあらゆる身体に〈良い〉ものの情報に溢れているが、過剰への恐れや、口にするもの全体のバランスといった問題はあまり関心が持たれていない。

 ビタミンEの場合、最低が成人男子で一日当たり9ミリグラム、成人女子で8ミリグラム、許容上限が900ミリグラム、そして、「ビタミンEの効果を期待するなら少なくとも1日100から300ミリグラムは摂りましょう」などと宣伝されています。
 私は、知人に勧められて、あるサプリメントを口にしてみたことがあります。
 2~3日して、ふと、思いました。
「一部のものだけを突出して体内へ取り込んで良いものだろうか?
 しかも、自分の生活風土とは何の関係もないものを……」
 こんな疑問をもってサプリメントを眺めたところ、その不気味な無機質さにゾッとし、ただちにやめました。
 きっと体内の精妙な感覚が違和感を訴えたのでしょう。

5 欲が過ぎると、自然の一部としての身体が発する警告に気づかなくなる可能性がある。

 前項における私の体験は、自分はもう充分に年をとったという思いがあるので生じたのでしょう。
 おりおりに自分の欲の内容と程度をチェックしてみる必要があります。
 さもないと、いのちの表れである貴重な欲が清浄な意欲でなく、煩悩に堕してしまったり、あるいは煩悩となった欲に付け入られてしまうかも知れません。
 とは言え、今の私には、食事代わりのカロリーメイトと睡眠打破剤は欠かせません。
「ああ、仕事熱心な運転手さんなんかはこのまま行けば覚醒剤に手を出すのだろうなあ」と変な同情心が起こったりもします。
 そう言えば、古人はこう諭しました。

「言うは易く行うは難し」

 おりおりに戒め、他にも、自分にも流されないように気をつけながらやりましょう。






 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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