コラム

 公開日: 2012-03-08  最終更新日: 2014-06-04

お位牌をたくさん供養していると悪いことが起きるか?


 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。
 また、当山へかずかずの温かいご支援をくださった方々へ、深く深くお礼申し上げます。
 来る3月11日には「般若心経百万巻」の供養をしましょう。(http://hourakuji.blog115.fc2.com/blog-entry-3107.html




 Aさんは60才を過ぎた頃から病気がちになり、友人を亡くしたり、孫がいじめに遭ったりと〈悪いこと〉が続き、〈何かのせい〉ではないかと気になり始めました。
 そこで知人から勧められるままに有名な運命鑑定家を訪ねたところ、自分自身が心配していた点を指摘され、居ても立ってもいられなくなりました。

「悪いことが続くのは、家にたくさんの位牌を置いてあるせいです。
 このままだと、もっと酷いことが起きるでしょう。
 早く手放しなさい」

 Aさんにはやむにやまれぬ身内間の問題があり、嫁ぎ先や実家の位牌を供養しておられます。

「今度は妹がガンになり、私が面倒を見ています。
 もう、これ以上は耐えられません。
 早く位牌を手放したいけれど、どうにも事情が許しません。
 ほとほと、困り果てました」
 
 切羽詰まったAさんは、絞り出すような声で窮状を訴えられます。

 申し上げました。

「偉い方がいかなる根拠でそうした判断をしたのかはわかりませんが、こうした〈因果関係〉を持ち出して脅され、悩み、ご来山される方は後を絶ちません。
 この場合、誤りであることはプロの僧侶として断言できます。
 その根拠を述べます。

 あなたがお位牌を事実上放っておきでもするのならいざ知らず、手を合わせない日はないほど大切にしている以上、お位牌をより所とする御霊があなたに悪さをするいかなる理由がありましょうか。
 私は、ものの道理を考える際に、立場を替えてみることを提案します。
 もしも、あなたが、ご供養しておられるあなたのお母さんだったとしたら、病気がちでありながら妹の看護をし、孫の心配までしているあなたに対してどうするでしょうか?
 必ず目に見えない手を差し伸べようとするのではありませんか?
 また、あなたは、お母さんが〈嫁ぎ先で供養してもらえず娘の家に置かれている〉ことを理由に、毎日自分へ手を合わせる娘に祟るような愚か者だと信じているのですか?
 お位牌を頼っている他の方々についても同じように考えてみましょう。
 あなたがもしもその方だったとしたなら、今のあなたに対してどうしたいと願うか。
 そして、その方そのものが、供養してくれるあなたに理不尽にも祟るような人物だったかどうか。
 こうして、ものの道理という尺度をもってすれば、お位牌と心配事が続くことには何の関係もなく、むしろ、そうした因果関係を疑うのは先に逝かれた方々への冒涜であると気づかれることでしょう。

 また、あなたのお仏壇のご本尊様は大日如来様であるとのことですが、それが仮にお不動様や阿弥陀様であっても、み仏は相手によって救う、救わないとわけへだてはしません。
 利害や好悪で相手へ別々な態度をとるのは私たち凡夫の世界のできごとです。
 そうした自己中心を離れたのがみ仏の世界であり、ご本尊様は、み仏としての徳をもって私たちを見守りお救いくださっているのですから、複数の家系にまたがるお位牌があってもまったく問題ありません。
 あらぬ疑いを持つのは、絶対平等にお救いくださるみ仏への冒涜です。
 こうして、仏法の根幹を考えれば、そうした因果関係が誤りであることは明らかです。

 また、ここ半世紀で、良くも悪くも人間関係がすっかり変わりました。
 今は、友人同士でお墓を建てたり、一基のお墓に複数の家族が入ったり、娘の嫁ぎ先と一緒の墓所に並んでお墓を建てたり、三家族のお墓が一つの墓所に造られたりと、弔い方も実に多様です。
 だから、お仏壇に多様な方々が供養されていて何の違和感もありません。
 そもそも、供養で一番大切なのは当然、供養する心です。
 この心を持った方が行うのであれば、どなたを供養しようと何の問題もありません。
 供養とは相手を思う心に発する人生修行であり、供養によって積んだ徳を廻向することが大切です。
 お墓やお仏壇は相続とからみ、争いの元となり、いろいろと情けないご相談もあります。
 そうした思惑を離れ、あなたのように過去の成り行きを感受してじっと責任を果たしながら生きておられるのは実に尊いことです。
 あなたが真の供養の心を持っておられる姿は、きっとみ仏も、お位牌をより代とする方々も喜んで見ていてくださることでしょう。

 怖れてはなりません。
 み仏へ感謝し、先に逝かれた方々を想い、これまでどおり尊い供養を続けてください。
 それによって悪いことが起こるどころか、『ああ、お救いいただいた』と感じられるできごとがきっとあることでしょう。
 み仏も、先に逝かれた方々も必ず必ず、あなたを見守っていてくださるのです。

 今回のような脅しは、時代の変化と、必ずしも変化に追いついて行けない心との間にある〈微妙なズレ〉を利用した典型的なパターンです。
 ものの道理を考え、み仏や御霊に関することならプロである僧侶に意見を聞き、時代の変化をよく見て判断しましょう」




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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