コラム

 公開日: 2012-03-12  最終更新日: 2014-06-04

東日本大震災 ─東北関東大震災・被災の記(その95)─般若心経の力─

写経・花々・ご供物が捧げられたお位牌
 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



 3月11日、善男善女のご唱和を得て、東日本大震災における犠牲者を供養する般若心経百返の供養会が無事、終了しました。
 全国でご唱和くださった方々、写経やお花やご供物をお届けくださった方々、誠にありがとうございました。
 きっと、百万巻の願いは成就したことでしょう。
 心よりお礼申し上げます。
 2時間半を超える長時間なので、ご遠慮なく途中退席をしてくださいと申し上げて始まりましたが、講堂いっぱいの方々が最後まで席を立たれませんでした。
 修法を終えて振り向いた時、あまりの感激に、思わず「これほどたくさんの方々が残ってくださるとは」と口にしてしまいました。
 御霊をご供養し、復興へご加護をいただく。
 この経典にはハイパワーがある。
 お大師様は、この世での役割を終える約1年半前に、般若心経の不思議な力を明確に述べられました。

「この経典に説く真言は不思議な力を持っています。
 その響きに深く共鳴しながら何度も唱えれば、迷いの元となっている無明(ムミョウ…智慧の明かりがない状態)の闇が除かれます。
 般若心経におけるたった一つの文字にも無限の教えが含まれ、唱える人はその身しそのままで、み仏がご守護くださる世界を感得できます。
 どんどん行って究極の安楽世界へ入り、迷いの世界からどんどん去って故郷であるみ仏の世界へ入ります。
 迷いのこの世は仮の宿のようなものであり、真実世界を求める心が本来の栖(スミカ)なのです」 
(原文)
「真言は不思議なり、観誦(カンジュ)すれば無明(ムミョウ)を除く
 一字に千理を含み、即身(ソクシン)に法如(ホウニョ)を証す
 行々(ギョウギョウ)として円寂に至り、去々(ココ)として原初に入る
 三界は客舎(カクシャ)の如く、一心はこれ本居(ホンコ)なり」

「般若心経のたった一つの文字も、たっタ一つの文章も、み仏の世界全体へ通じ、いつ始まったともいつ終わるともない心の真実そのものなのです」

(原文)
「一字一文法界に遍じ、無私無終にして我が心分なり」

 この経典は、単に、何かを教えるものではありません。
 一文字一文字が、み仏の世界そのものの顕れであり、読誦したり、写経したりすることによって、み仏の世界へ入られるのです。
 それは、おいしそうなケーキを実際に食べることに似ています。
 説明書を読み、作り方を論じ、香りを楽しみ、写真に撮ったりしても、味わいはわかりません。
 ケーキを食べるのと同じく、般若心経を読誦することによって、「これが自分の心」と思っているその分限が、み仏の広大な世界へと解き放たれます。

 般若心経は大きく分けて二段になっており、真言の前までの文章は悟りの世界におけるそれぞれのステージを示しながら、最後に、最高のステージへと導く真言の効能を述べます。
「よく一切の苦を除き、真実にして虚しいものではない」

(原文)
「能除一切苦真実不虚(ノウジョイッサイクシンジツフコ)」

 あとは、真言を無心に口にするのみです。
 だから、最後にある真言は古来、翻訳せずただただ、唱える習わしになっています。
 実際に当日、私が修法した『般若心経法』では、真言を100返も1000返も唱える部分があります。
 ここで導師が真言に、経典に成り切って般若心経法の本尊である般若菩薩(ハンニャボサツ)様と一体にならなければ、読誦してくださっている善男善女の願いをみ仏の世界へ確実に届けることはできません。

 般若心経は、観音菩薩様が、深い般若波羅蜜多(ハンニャハラミタ)すなわち、み仏の智慧を得る修行に入っておられた時、ついに智慧の権現である般若菩薩(ハンニャボサツ)様の悟りの世界へ入られた体験と、そのカギになる真言を述べたものです。
 その成り行きは、煩悩(ボンノウ)に惑わされて苦しむ私たちが迷いを離れてだんだんに心のレベルを上げ、み仏の智慧を得て悟りを開くまでの過程そのものです。
 私たちは般若心経を至心に読誦し、写経することによって、無意識のうちにその過程を追体験しています。
 それが、「唱える人はその身そのままで、み仏がご守護くださる世界を感得できます」ということに他なりません。
 私たちはこの時、み仏そのものに限りなく近づいています。
 つまり、般若心経の力とは、私たちに即身成仏(ソクシンジョウブツ…この身このままでみ仏に成っていること)の体験をさせてくれるところにあります。
 私たちが、〈み仏の子〉として本来の姿を取り戻す以上のご加護がありましょうか?

 供養会の最後にお話申し上げました。
「今、皆さんはそれぞれの善き願いを持ち、至心に読誦されました。
 この場におられる皆さんも私も、ちょうど、み仏に守られた魔法の絨毯に乗っているようなものです。
 読誦した皆さんの功徳(クドク)は確かに御霊の世界へ届き、すばらしい廻向(エコウ…廻し向けること)となりました。
 また、ここに生じた大きなパワーは必ずや、復興への新たな力強い一歩をもたらすことでしょう」

※引き続きの供養のため、当日お唱え出来なかった方々や自分も100返唱えようと志す方々のために、当分、映像と音声を流します。
http://www.hourakuji.net/20120311hannyashinkyo.html
 どうぞ、ご唱和ください。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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