コラム

 公開日: 2012-03-25  最終更新日: 2014-06-04

お堂の建立や修復はどう進めればよいのか

まだ、池には氷の張る朝です
 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 東日本大震災後、こうしたご相談が急増しています。
「どうやってお堂を建て替えたらよいのでしょうか?」
「どうやって莫大な修復工事をまかなったらよいのでしょうか?」
 もちろん、他山の住職からではなく、困惑した、あるいは苦しんでいる、あるいは悲しんでいる、あるいは怒っている総代さんなどからのご質問です。
 そこで簡単に私見をまとめてみます。

○やるべきこと

1 工事の必要性と予算を明確にする。

 なぜ、いかなる建物が必要なのか、住職が聖職者として宗教的必要性による判断を行い、寺院を支えていてくださる方々からのご意見にも耳をかたむけ、理想の旗を立てるのがスタートです。
 聖地における宗教行為を行うための建物なので、その真の意味と価値は聖職者にしか判断できませんが、それがご本尊様へ帰依する方々のお心とかけ離れていてはならないので、チェックを受ける必要はあります。
 もちろん、同じ宗派内で規模の順番を争うなど、宗教的必要性以外の世俗的価値判断が入ったりしてはなりません。
 そうした穢れが取り付くと、理想が真の理想でなくなります。
 もしも穢れた計画が成功した場合、住職は世俗的価値で動いたという過ちを犯し、旗振りをされた方々にも余分な慢心が生じ、苦しんだり怒ったりしつつご寄進した方々にとって、仏縁そのものが〈やっかい〉と感じられてしまいかねません。

2 必要性を広く訴え、皆さんのご誠心に任せてご寄進を募る。

 寺院は、ご先祖様を託しているお宅だけのものではありません。
 なぜなら、ご本尊様はみ仏であり、み仏は、導き、救う相手を決して選ばないからです。
 寺院はそうした真の意味で公的性格を有しているので、寺院の宗教的必要性は広く開示され、それに同感、納得、賛同してくださる方々のお心全体によって造られ、維持されるべきです。
 また、ご寄進は当然、真の布施という行為によって行われねばならず、住職も、推進してくださる方々も、必要性に耳をかたむける方々も、真の布施の何たるかを明確に認識してからことを進めるべきです。
 ご寄進が正しい宗教行為である布施となるためには、三つの条件があります。
 布施する方にとっては、完全に自発的であり、見返りを求めず、感謝が伴うこと。
 布施を受ける側にとっては、宗教的理想以外のものを持たず、受ける布施の内容によって中身も相手も区別せず、すべてをご本尊様へ納められるものとして徹底的に尊び、相手へも等しく感謝すること。
 布施される金品は、正しい方法によって得られたものでなければならず、勤労奉仕などにあっても、余分な思惑を伴わないこと。
 これがご誠心による布施です。

○やってはならないこと

1 いわゆる〈頭割り〉によるご寄進の実質的強制。
 
 これが仏法を穢し、檀家本来の意味を歪め、寺院を堕落させ、寺院へ不信を抱かせ、ひいては仏教離れや寺離れをもたらす諸悪の根源であることは、当山の「脱『檀家』宣言」に詳しく述べてあります。
 聖なる修行道場であるべき寺院は、真の布施によってのみ成り立たねばならないし、真の宗教行為がなされていれば、み仏が必ず成り立たせてくださるはずです。
 
2 住職の私財の秘匿。

 住職は出家得度した聖職者であり、基本的に、私財を蓄えることはあり得ません。
 だからこそ、清々しい心で理想を掲げ、後ろめたさを持たずに善男善女へご寄進を呼びかけられるのではないでしょうか。
 たとえば1億円の建物を造る時、住職が最初に3千万円を寄進して、差額を檀家さんからのご寄進でまかなおうとするケースなどには問題があります。
 まず、住職が個人的に3千万円を蓄えていたことは理解を得られないでしょう。
 住職は、ご本尊様へ納められるありがたいお布施で生かしていただいている行者なのだから、蓄財などせず、一切合切を投げ出さねば先へ進めません。
 もしもこうなってしまった場合は、住職が檀家さんと同列に奉加帳へ名前を連ねたりせず、3千万円と言わずありったけの私財が宗教法人へ寄進され、宗教法人はそれを含めて準備できる総額を計画のベースとして提示すべきです。
「私腹を肥やす聖職者」は最悪のイメージであり、仏法を貶める元凶です。

 以上、未熟な私見をざっと述べました。
 原理原則に則り、ことを単純化して純粋に進めれば、み仏が道をつくってくださると信じているのですが……。
 皆さんの望まれる良き計画が順調に進みますよう。合掌




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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