コラム

 公開日: 2012-03-30  最終更新日: 2014-06-04

埋葬の直前に戒名を決めてもよいか? 

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 最近、戒名をつけないままにお骨にしておいた御霊へ埋骨前に戒名を求める例が多くなりました。
 そのほとんどが、戒名が何であるかを住職へ訊ねないままに、「まあ、いいか」と〈未定〉にしておいた方々です。
 もちろん、葬儀はいらないとか、寺院はけしからんという声に影響を受けた方々もたくさんおられるでしょうが、中には、「実際に戒名へたずさわるプロの話を聞いてから決めよう」と一歩、踏み込む方々もおられます。
 そうした場合、当山では、最初に三つのことを申し上げてから説明します。

一 話を聞いた以上は戒名をつけなさいなどと強制するつもりはないし、せっかく話を聞いたのだからもらわなければ悪いなどと考えないでいただきたいこと。

 多くの方々が、どこか怖々と質問の口火を切られます。
 何を言われるかわからないという不安もありましょうし、うっかり話を持ち出して断れなくなったらどうしようという戸惑いもあるのでしょう。
 だから、最初に、どうするかはあくまでも自由意志が前提であることをお互いの確認事項としてお示しし、安心していただきます。
 理解や納得へ至る手順を踏まず住職が「こういうものだから!」と強制するのは最悪であり、仕方なく戒名をもらうのでは御霊へ失礼千万です。
 とにかく、皆さんがほとんど真実を知らない戒名について、説明する人々からではなく祈る当事者から直接、事実を示され、皆さんが自分の頭で判断しないことには始まりません。
 身体に関する医療については現場の医師が真実を伝える機会が増えているのに、魂に関する処置については修法の現場である寺院と僧侶が真実を伝える機会は圧倒的に不足しています。
 それはもちろん、我々僧侶の未熟さが原因である一方、マスコミや教育など各界で未だに宗教がタブー視されていることも大きく影響していると思われます。
 いずれにしても、真実を知りたいという皆さんの関心がなければならないし、安心して関心を持っていただけるよう寺院や僧侶は工夫せねばなりません。

一 今ここでどちらかに決断されても結構、お帰りになりよく考えてからご連絡をいただいても結構であること。
 
 寺院では、「これはこういう意味ですよ」「こうしたことを行っていますよ」と事実や真実をお知らせはしますが、対価を求めることを前提にしたセールスは行いません。
 あらゆる強制も行いません。
 だから、セールスや強制と勘違いされないよう最初に、ここで決めなくて結構ですと申し上げます。
 もちろん、質疑応答の結果、「ではどうすれば良いでしょうか?」などとゲタを預けられれば、状況に応じ、皆さんの立場に立ったアドバイスは行います。
 こちらからの「さあ、どうしますか!」という強制はあり得ません。

一 戒名料は皆さんの価値判断と財布の具合にお任せすること。

 寺院で行われることはすべて仏法に基づく法務であり、すべてご本尊様の次元から流れ出ている救済のできごとです。
 だから、僧侶の行いはすべて「法施(ホウセ)」という法による布施です。
 行者である僧侶は、ご本尊様のお力を分けいただいてはたらく法力によって法施を行います。
 そして、皆さんから寺院へもたらさるものはすべて「財施(ザイセ)」という財物や労力などによる布施です。
 皆さんは、心におわすみ仏の無言の声に促されて財施を行います。

 ちなみに、托鉢行で門前などの祈りが終わり、皆さんからご喜捨をいただくと、こうつぶやいて行は終わります。
「財法二施(ザイホウニセ)
 功徳無量(クドクムリョウ)
 檀波羅蜜(ダンパラミツ)
 具足円満(グソクエンマン)」
(法の布施と財の布施が行われた
 その功徳ははかり知れない
 布施行によってもたらされるみ仏の智慧は
 あまりなく完成された)
 この瞬間、行者も在家の方も、等しくみ仏の子そのものになっています。

 戒名を受けて布施の真実に基づいた判断をされるのは皆さんであり、何よりも大切なのは、皆さんが折にふれ、ことにふれてみ仏の子である真実を生きることなのです。
 戒名が何であるかは、たびたび書きましたので別項をご覧ください。
 なお、作製が追いつかず品切れになっていた真実の記録『戒名の真実』は近々再発行する予定です。
 第二集も企画しています。
 関心がおありの方はどうぞご遠慮なく電話などで(9時~17時)お申し出ください。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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