コラム

 公開日: 2012-04-19  最終更新日: 2014-06-04

ご本尊様とは何か ─お祀りの問題点─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈思わず膝を折り合掌してしまいます〉

「困りごとばかり起こるので占い師に訊いたら、ご本尊様の祀り方が悪くて罰が当たっていると言われましたが、どうすればよいでしょうか?」
「仏壇へ好きなお地蔵様を入れてもよいでしょうか?」
 こうしたご質問は後を絶ちません。
 それだけ、皆さん、真剣に考えておられるということでしょう。
 
 そもそもご本尊様とは何でしょうか?
 すぐに思い浮かぶのは、心のより所、人生の導き手、いのちの本源、仏神の根本といったイメージです。

1 あらゆる仏神の本源であり、総体としての大日如来

 大日如来には、おおまかに言って3つの特徴があります。
 まず、太陽の光にたとえられる智慧のお力で迷いの闇を取り払ってくださること。
 もう一つは、慈悲の力で一切を救い、生かしてくださること。
 もう一つは、その光は遍く一切を照らし、尽きないこと。
 このようなみ仏は、およそ人間が感得し得る最高の存在であり、当宗では根本仏として祈りの究極的対象となっています。

2 根本仏である大日如来のおはたらきの各方面を特に受け持つ諸尊

 たとえば、不動明王は、大日如来の使者として私たちの迷いを強力な力でうち払い、いかなる悪業(アクゴウ)をも浄化されます。
 また、地蔵菩薩は、お釈迦様なき後、弥勒菩薩(ミロクボサツ)がこの世に現れ、悟れないで苦しんでいる最後の人々をも救ってくださるまでの長い間、地獄界や修羅界など、どこへでも現れて手を差し伸べられます。
 また、観音菩薩は、私たちの心にある蓮華のような仏心が開かないままでいいれば、それが咲くように優しくお導きくださいます。
 また、阿弥陀如来は、三回忌の本尊として、最高に安心な浄土へと御霊をお導きくださいます。
 このような方々も、私たちの大きなよりどころになります。

3 私たちの心におわすみ仏

 私たちはすべて、み仏から心といのちを分けいただいて、今、地球上のどこかの空間を占めています。
 そして、自己中心の心はありながらも、心のどこかでは「誰かの何かの役に立ちたい」と願っています。
 だから、誰かに喜んでもらえることが結局、自分にとって最も嬉しいと感じています。
 こうして仏心として私たちの心におわすみ仏におはたらきいただくことが、一人一人が幸せになるだけでなく、世界中が平和で幸せになるための一番の近道です。
 お大師様はそれを、
「仏法、遙かにあらず、心中にして即ち近し」
と説かれました。
 たとえば、お地蔵様へ手を合わせて眼を閉じると、いつもと違う深い心が動き出します。
 真言を唱えたりすれば、もっと深い世界が開けます。
 そして、眼を明けると、なぜか感謝の心が広がっていたりします。
 その時、私たちの心におわすみ仏がおはたらきくださっているのです。

4 お大師様

 この身このままでみ仏になれることを体現し、その方法をまとめ、いまでも弥勒菩薩(ミロクボサツ)の浄土で私たちを見守っていてくださるお大師様。
 師も、後代の天皇も、大日如来の化身とお認めくださったお大師様。
 お遍路さんが背中に背負う「南無大師遍照金剛」は、お大師様へ手を合わせ、共に歩めば大日如来の世界へ入られることを表しています。
 大日如来の世界はあらゆる仏神のおられる浄土であり、それは、私たちが即身成仏(ソクシンジョウブツ)する瞬間、この世に顕れます。
 電車の席を譲った瞬間、病院のベッドで看護婦さんへ心からありがとうと言った瞬間、道ばたのゴミを拾った瞬間、私たちはみ仏であり、この世は浄土です。
 この真理を実践し、説かれたお大師様を信じればこそ、白衣姿で心を定め、お遍路さんになるのではないでしょうか。

 ご本尊様とはこうしたものです。
 だから、至心に合掌する心でお祀りすれば、どなたをどう祀ってはならないなどと断定できる理由はありません。
 最も注意すべきは、自分の心がもたらした問題を、ご本尊様のせいにする姿勢です。
 あるいは、畏れて大切にしようとするあまり、むやみに恐れてしまう危険性です。
 ご本尊様は、祈る人の心次第で、父ともなり、母ともなり、友人ともなり、師ともなってくださいます。
 どなたであろうと、まごころから手を合わせるならば、きっとお救いくださるにちがいありません。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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