コラム

 公開日: 2012-04-24  最終更新日: 2014-06-04

お寺は誰のものか③

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 5年前に書いた「お寺は誰のものか①」はいまだにアクセスが絶えず、いかにこのテーマへの関心が高いかを物語っています。
 そこで、「お寺は誰のものかという問いは、本質的に所有権の問題ではなく、ありようの問題である」と指摘しました。
 なぜなら、ご本尊様がおられ、教えとご加護の力があり、修行し修法する行者と信徒さん方がお支えせねば、お寺とは言えないからです。
 
 さて、では、仏法僧(ブッポウソウ)の三宝(サンポウ)つまり、み仏と、仏法と、僧侶及び信徒は三角形を成しているのか?
 ここに、この問題の核心があります。

 企業は経営者と資本家と労働者で成り立っています。
 小泉政権の時代には、「企業は資本家のものである」と公言され、労働者は限りなく使い捨ての対象となってしまいました。
 あぶく銭が舞った時期には、カリスマ経営者がもてはやされ、有名なトップは桁外れの年収を競い合うかのような様相を呈しました。
 今、ようやく、圧倒的に頭数の多い労働者の厳しい生活へ政治の目が向けられています。
 こうして、時代により、状況により、企業を成り立たせている三角形の形は変化しています。

 しかし、お寺はそうではありません。
 ご本尊様をお祀りし、手を合わせた瞬間から、仏法僧の三者は、この順番に縦のつながりをつくります。
 ご本尊様からご加護の力が流れ、それを感じた私たちはお仕えしないではいられなくなり、お寺が成立するのです。
 被災地を訪れると、あちこちに被災したと思われるお地蔵様や観音様などがポツンポツンと立っておられ、お菓子が供えられていたりします。
 願い事の書かれた赤い布がお身体に巻かれていたりもします。
 そこはすでに小さなお寺です。
 ご本尊様がおられ、ご加護を感じ、お仕えする人がいるからです。
 この場合、手を合わせる人々は、ご本尊様を自分のものだと思うでしょうか?
 仮に身銭を切って土台やお堂をつくる人がいたならば、その人が、自分のものだと主張するでしょうか?
 もちろん、どう考えるかは自由ですが、そのように我欲が入った瞬間、その人にとってそこはお寺ではなく、自分の都合で利用するコンビニや食堂と同じ存在でしかなくなります。

 だから、「お寺は誰の〈もの〉か」と問い、〈所有〉の帰趨(キスウ)を問うこと自体、ほとんど意味がありません。
 お寺に関するいかなる問題も、〈所有〉の視点からは、本質的で真に建設的な解決策は見いだせません。
 問うべきは、つまり、私たちに問われているのは、「いかにご本尊様へお仕えするか」という一点でしかないのです。
 まごころで僧侶も檀信徒さん方もそれぞれ自らに問えば、ご本尊様のお導きもご加護も確かに降りてきます。
 まごころでこそ、自分たちがいかにあるべきかを議論しましょう。
 ここにこそ真の寺院は成立し、存続できるのではないでしょうか。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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