コラム

 公開日: 2012-05-10  最終更新日: 2014-06-04

天皇陛下に会われた御英霊

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




 自力で御英霊の遺骨を収集された方々が〈身内〉として葬儀を行い、自らの墓所へ埋葬し、皆でご供養を行っておられることについては、以前、ブログ「御英霊の葬儀」(http://hourakuji.blog115.fc2.com/blog-entry-2902.html)などへ書きました。
 命日とおぼしき日を迎え、益荒男(マスラオ…逞しい男性)・手弱女(タオヤメ…優美な女性)の方々は「なんとしても、我々だけは、『~院~~居士』の第二の家族として、御霊を営々と慰霊顯彰して参りましょうぞ。」と誓い合っておられます。

 供養して布団へ入った明け方、私は、どことも知れない被災地の避難所にいました。
 おそらく、ご縁のあった南三陸町でしょう。
 何と、すぐ目の前には天皇陛下、その斜め後には皇后陛下がおられます。
 膝を折り、親しくお言葉をかけてくださるご様子を、正面やや斜め上から拝しています。
 眼下にいるはずの被災者も周囲の人々も見えず、お言葉も聞こえません。
 悲しみを含んだ微かな笑顔で言葉を紡ぎ出される天皇陛下と、視線を斜め下へ下ろしたまま肩を落として控えておられる皇后陛下と三人だけの不思議な空間……。
 この瞬間、天皇陛下はまさしく上御一人(カミゴイチニン)である理由が深々と腑に落ちました。
 天皇陛下は、文字どおり身も心も国民へ捧げておられるのです。
 国家国民へ平安がもたらされるよう常に祈り、祈りをご自身がいのちをつなぐただ一つの意味としながら、日々をお過ごしになっておられます。
 唯一無二の方が、私を含め過去・現在・未来の全国民のために生きておられるという奇跡的真実に圧倒され、思わず合掌した途端、目が覚めました。
 まだ外は真っ暗です。
 本堂に座り、感謝を込めて大日如来と入我我入(ニュウガガニュウ…一体になること)のひとときを過ごしました。

 さて、いつに変わらぬ予定通りの法務が始まり、車を運転しながら、あるサックス奏者から勧められたデクスター・ゴードンのCD『ラウンドミッドナイト』を聴くともなく聴いていた時、不意に、気づきました。
「両陛下にお会いしたのは私ではない!
 ──御英霊に違いない」
 身震いが起こり、「あああ……、あああ……」という声にならない嗚咽が胸から突き上げ、喉元で詰まりました。
 車中にはデクスター・ゴードンとウェイン・ショーターの凄まじい「ウナ・ノーチェ・コン・フランシス」が吹き荒れています。
 涙をこらえながら帰山し、深呼吸しつつ合掌しました。

 御英霊を供養する方々のご誠心が廻向(エコウ)され、行者である私がアンテナとなり、天皇陛下へ赤心を届けたいというおそらくは御英霊の最後の望みが、半世紀以上の時を隔てて昨夜、叶ったのです。
 それも、おそばで御尊顔を拝するというおそらくは願ったはずもない形となって。

 明らかに、不肖の私はそのお相伴にあずかりました。
 思えば、祈る者としてあまりに迂闊(ウカツ)で未熟でした。
 頭では天皇陛下の役割をいくらか知っているつもりでいながら、その本質の感得ができていませんでした。
 今回、人知れず国民の一人として汗を流して来られた方々のご誠心と、御英霊の尽きぬ思いが仏界へ届き、同時に、供養する未熟者へもお諭しが降りたのでしょう。
 あまりにありがたいお相伴と言うしかありません。

「南無戦没英霊・南無戦没英霊・南無戦没英霊」
「南無震災横死諸精霊・南無震災横死諸精霊・南無震災横死諸精霊」
「南無大師遍照金剛・南無大師遍照金剛・南無大師遍照金剛」




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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