コラム

 公開日: 2012-05-22  最終更新日: 2014-06-04

日本の宿命 ─白頭山と赤松原子力発電所の恐怖─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈岩手県の山奥で修法しました〉

 中国と北朝鮮の間に白頭山(ハクトウサン)という山があります。
 ウィキペディアによれば、この活火山は「10世紀に過去2000年間で世界最大級とも言われる巨大噴火」を起こし、「噴火間隔は約100年」とされています。
 平成18年にはロシア非常事態省が噴火の兆候を発表し、「2010年6月19日には、釜山大学の尹成孝(ユン・ソンヒョ)教授が、中国の火山学者の話として、2014-2015年に噴火する予測を立てていることを韓国各紙で明らかにしている」といった状態にあります。

 5月16日付の河北新報がようやくその危険性を大々的に指摘しました。
 東北大名誉教授谷口宏充氏によれば、東日本大震災との関連で近い将来噴火する確立が非常に高いというのです。
 白頭山はこれまで地震と密接な関係が認められる噴火をくり返しており、今後の噴火確率は2019年まで68パーセント、32年までとなると実に99パーセント以上にも上っています。
 それにもかかわらず、中国政府は白頭山から北西約100キロの位置に赤松原子力発電所を建設しています。
 記事は書いています。

「噴火規模は火山爆発指数(VEI)で最大5程度となり、1980年のセント・へレンズ山(米国)噴火に匹敵するという。
 白頭山が噴火した場合、火山灰が偏西風に乗って日本の東北、北海道に到達することが予想される。
 さらに白頭山の北西約100キロに位置する赤松原子力発電所(建設中)が火山泥流に襲われる可能性が高く、稼働後に噴火すれば甚大な被害が出ることも懸念されている」

 教授の指摘です。

「もし噴火が起きれば北朝鮮や中国の情勢が変化するだけでなく、日本、韓国、ロシアなど周辺国にも大きく影響する。
 そのような事態に備えることが必要だと警告したい」

 氏の言う「そのような事態に備える」とは何を指すのでしょうか?
 火山の爆発を止めることはできません。
 偏西風も止められません。
 ならば、赤松原子力発電所の建設を止める以外、備える方法はありません。
 しかし、日本の現政府がデータを示して「考慮してください」と申し入れたとしても、中国政府が「そうですね」と応じる可能性はほとんどありません。
 
 ここで、またしても日本の宿命を考えてしまいます。
 止める資格があるのは日本しかない。
 原爆反対を世界へ最もアピールできるのが日本だったように……。
 思えば、膨大な喪失と恐怖と悲嘆と慟哭と絶望を伴った悲しい宿命です。
 
 昭和42年、佐藤栄作首相が国会で表明し、昭和46年、国是として初めての決議が行われた「非核三原則」は、宿命を背負った国民にしかできない強い意志の確認でした。
 私たちは、原爆を投下された国として「核兵器を『持たない』『つくらない』『持ち込ませない』」と決した国是があればこそ、地球から核兵器をなくそうと主張して来られました。
 人類の良心を訴え続けて来られました。
 今また、私たちは天災のからんだ原発事故の体験者として、危うく東日本、あるいは日本全体を喪失しかけた国民として〈人類の良心〉を訴えねばならないのではないでしょうか。
 国内原発の処置と赤松原子力発電所の建設中止をその第一歩とせねばなりません。
 しかし、国是はいまだ定まらず、徒手空拳で建設中止を訴えるしかありません。

 現在までの検証でも明らかになりつつあるとおり、今回の原発事故によって東日本、あるいは日本全体が喪失に至らなかったのは、数多くの〈綱渡り〉的場面が奇跡的にクリアできたからです。
 その一端はブログ「私たちは原発を扱えるか ─防災区域30キロと神様がもたらした幸運─」(http://mbp-miyagi.com/mamorihonzon/column/3696/)などへ書いています。
 私たちに必要なのは、御霊を慰霊し、復興の槌音に励まされつつ未来へ向かうと同時に、事故を徹底的に検証し、迫り来る危機の認識を共有して危機へ立ち向かう国是を策定することではないでしょうか。
 よく調べれば、日本中へ広がった原発や赤松原子力発電所だけでなく、吊された〈ダモクレスの剣〉はきっと世界中にあることでしょう。
 科学の力に想像力も加え、確かな足どりで宿命を生きようではありませんか。


〈大地の恵み〉



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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