コラム

 公開日: 2012-06-01  最終更新日: 2014-06-04

6月の聖語 ─お大師様の言葉─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈善男善女が願いを込めて奉納されるクリスタル製仏舎利宝珠〉

 お大師様は説かれました。

「如来の説法は必ず文字による。
 文字の所在は六塵(ロクジン)その体なり」

(如来の説法は、必ず、私たちが文字として認識できるような形で行われている。
 文字がどこにあるかといえば、森羅万象に表れている)

 私たちは、見るもの、聞くものすべて、文字として認識しています。
「可愛いネコ」も「白い雲」も「優しい人」も「お化けに追いかけられた夢」もすべて文字です。
 たとえはっきり文字と意識していなくても、認識できる対象はすべて文字としてとらえられています。
 だから、み仏の説かれる真理・真実も、必ず文字として私たちへ伝わるのです。

 では、その文字は何に表れているか?
 お大師様は「六塵」とされました。
 六塵とは、色(シキ)・声(ショウ)・香(コウ)・味(ミ)・触(ソク)・法(ホウ)の六境(ロッキョウ)です。
 目に見える世界は色です。
 耳で聞こえる世界は声です。
 鼻で嗅げる世界は香です。
 舌で味わえる世界は味です。
 肌で確認できる世界は触です。
 頭で考える世界は法です。
 私たちが生きているかぎり接し続けている心の内外に広がる世界全体を、それぞれ認識する器官によって6つに分けたのが六境です。
「境」はそもそも「さかい」であり、区切りを意味しますが、区切られた内側すなわち、場所をも意味します。
 ここで説かれる「境」は、それぞれの感覚器官がとらえ得る場所のことです。
 私たちは目で見える「境」のものにとらわれ、耳で聞こえる「境」のものに反応して怒り、煩悩(ボンノウ)をかき立てられるので、心を穢す世界として六境を六塵と表現します。

 つまり、見るもの、聞くものなど、私たちが認識できるものすべてを通じて、み仏は教えを説いておられるのです。

 姿を見て煩悩がかき立てられれば、この世は塵にまみれた世界になります。
 5月31日、あきれた事件が報道されました。
 大学4年生の男性Aが、14才の女子中学生Bと一緒に、別の女子中学生を暴行して裸のまま池へ入れ、強制的に泳がせたというものです。
 Bが、彼氏であるAと被害者が浮気をしていると疑い、二人してことに及んだというのですから論外と言うしかありません。
 被害者は転居したそうです。

 声を聞いて善心を起こすならば、この世は説法に満ちた世界になります。
 女優大竹しのぶ氏は、新藤兼人監督作品『一枚のハガキ』をご覧になった天皇陛下が「きれいなラストシーンでしたね」とお言葉をくださった時、監督がはっきりと答える声を聞きました。
「これで、日本は変わります」
 氏は、監督の死について「あの時の監督の思いを受け継いで、私たちは、これからもコツコツと真面目に生き抜いてゆきます。監督のように」と語っています。
 監督はたった一言で真実世界に生きる人間のまことを披瀝し、周囲の人々を真実世界へ目覚めさせました。

 見るもの聞くものにみ仏の説法を聞けるかどうかは、私たちの心一つにかかっています。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ