コラム

 公開日: 2012-08-04  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい(その6) ─父よりも偉い人になろう─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





7 「ち」 父よりも偉い人になろう

 大きくなったらお父様よりも偉くなろう。
 これが孝行の一つだ。
 報国(ホウコク)の一つだ。
 家を栄えさせるのは興国(コウコク)の基(モトイ)だ。
 うんと偉くなろう。

 この教えが説かれた昭和5年という時代を感じさせます。
 当時の日本は、「ロンドン海軍軍縮会議」で英・米・仏・伊と共に軍縮交渉を行う立場にありました。
 その一方、濱口首相が東京駅で狙撃され重傷を負い、「男子の本懐である」としながら後に死亡する事件も起こっています。
 大恐慌によりルンペンという言葉が流行しました。
 ルンペンとはドイツ語で「ぼろ」を意味し、職を失い流浪する人々を指します。
 浅間山が爆発し、降灰は東京へ及びました。
 谷口雅春が『生長の家』を始め、牧口常三郎と戸田城聖が創価学会の母体である『創価教育学会』を作り、新しい宗教が興り始めたのもこの頃です。

 家には家長としての父がいて、そのおかげで育つ子供たちにとって最大の親孝行は、父を超えることとされました。
 そうして各家庭がより向上して行けば、日本も又、発展すると考えられました。

 核家族が普通になり、社会内における自分の位置を気にするよりも、自分自身で納得のできる生き方を求める時代になり、こうした思考方法はほとんどなくなりました。
 残っているのは、 職人、将棋の棋士、相撲をとる力士など、〈師〉のいる世界です。
 師は弟子を導き、鍛えるための壁となり、やがては越えられる山となって弟子を伸ばします。
 誰にでもあてはまる身近なところでは学校の先生もそうですが、〈師〉を意識しつつ生きている人は、「本当の師とはついに超えられないものである」ことを、いつか、知るはずです。
 横綱の胸を借りて成長し、やがて、その横綱を倒せば最高の恩返しであり、最高位が関脇であった親方に鍛えられて大関や横綱となれば最高の恩返しですが、自分を鍛えてくれた師は、永遠に師です。

 60才、70才になると、これが最後かと思う同期会やクラス会が行われます。
 80才、90才になった恩師が参加する場合もあります。
 そんな時、誰一人として、「自分は先生を超えた」などとは思わないことでしょう。
 過去の「あの頃」に戻っているからという理由だけでなく、なぜか、いつまで経っても師は師です。
 この意識には何か大切なものが隠れているように思われます。
 盛んに行われているオリンピックでも、選手として活躍する弟子を陰で支えるコーチ役の人々の人生模様をあれこれと考えさせられます。

 この欄で採りあげている小冊子は、当時、小学校高学年からせいぜい中学校低学年あたりまでの生徒たちに読まれたものです。
 だから、まだ、師というものについて、あまり理解できません。
 まずは社会人になるためのしつけをきちんと受けながら、家庭に守り育てられる過程において、身近で大きく、さまざまな力もある父親が励む目標とされました。
 他の章にも書いてありますが、80年前の「偉く」という言葉に過剰な反応をせず「力をつける」という意味に受けとめ、子供の成長にとって何が大切か、そのポイントを学び取る姿勢で読み、考えて行きましょう。
 そして、今の閉塞感を打破したいものです。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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