コラム

 公開日: 2012-08-06  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい(その8) ─抜いて出るには正々堂々─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈講堂の温度計も33度を超える猛暑をものともせず、高橋香温先生の指導による書道と写経の会が続いています〉

 立秋を迎え、当山の周囲では毎朝、薄暗いうちからヒグラシがさかんに鳴いており、すっかり上手になったウグイスがセミ時雨をバックにホーホケキョのさまざまなバリエーションを聴かせてくれます。
 あと150日も経たないうちに、お祭の時期が過ぎ、お正月がやってきます。
 それにしても、この小冊子が子供たちの成長に不可欠な価値観を網羅している事実には圧倒されてしまいます。
 こうした価値観を持って育てば、いじめる子、知らん顔をする子、いじめられたままで追いつめられる子は少なくなると思われてなりません。
 今回も印象的な教えを学びましょう。

8 「ぬ」 抜いて出るには正々堂々
 偉くなるには大勢の人を抜いて出なければならぬ。
 競争は正しくやろう。
 正義は力だ。
 正々堂々と抜いて出るのが奮闘少年の面目だ。

1 見事に切磋琢磨(セサタクマ)の真髄が説かれています。
 より大きな社会的役割を果たせる人になるには、競争して力をつけねばなりません。
 競争する中で自分の位置を確認し、努力の結果を確認することが不可欠です。

2 しかし、競争はただ自分が勝者になれば良いのではありません。
 正々堂々と行うことによってのみ、勝者も敗者も共に成長できます。
 勝者はいつまでも勝者であることはできず、敗者もまた、いつまでも敗者ではありません。
 そして、一つの物差しで測れば順位はついても、それぞれ独立した人間の中身で測れば、そこには物差しを超えた成長が必ずあります。
 その成長が人の道に沿ったものであるためには、常に努力が正しく行われなければなりません。

3 一人一人にとって最も重要なのは、正しく行う競争によって、勝っても負けても正しく行うという生き方が身につくことであり、それが人間としての本当の力になります。
 目先の勝負に勝ったか負けたかよりも、自分自身が正しく生きられる力を得たことろにこそ、正しい競争による真の果実があります。
 ここで説く「正義は力」は決して〈正義を主張すれば必ず通せる〉という意味ではありません。
 ましてや、自分の信じる正義は必ず人の道にかなっているなどという独り善がりや思い上がりを助長するのではありません。

 西アフリカのマリは現在、事実上無政府状態になり、イスラム武装勢力アンサル・ディーンによる宗教絶対視を背景にした信じられない行為が行われています。
 8月2日付の朝日新聞です。
「マリからの報道によると、北部の町で7月29日、アンサル・ディーンが、未婚の男女を結婚外の性行為の罪に問い、石打ちの刑に処した。
 2人は穴に埋められ、200人が見る中、死亡するまで石を投げつけれたという。」
「アンサル・ディーンは6月末、トンブクトゥにある霊廟の破壊を宣言。
 市内に16ある霊廟のうち少なくとも八つがシャベルやつるはしで壊された。
 歴史的な工芸品や文献も略奪の危険にある。
 国際教育科学文化機関(ユネスコ)は『歴史への犯罪だ』と非難し、国際刑事裁判所(ICC)も『戦争犯罪だ』と警告した。」
 インドで1203年に仏教が滅んだとされるできごともまた、イスラム教徒による徹底した破壊と殺戮によるものでした。
 1948年の中国軍によるチベット侵攻は、120万人以上とされる犠牲者を出し、チベット仏教の滅亡と共産主義化、漢人による広大な国土と資源の略奪が進行中です。
 
 このように、正義の観念は諸刃の剣です。
 狭い正義感による力の信仰とそれに衝動的につき随う態度は、決して、誰かを排することなく共に手を取り合いながら成長できる社会をもたらしはしません。
 必要なのは、「自分は正しく生きよう」と決心することです。
 そして、その正しさを常に、より広い心の眼で客観的に、批判的に眺める視点を失わず、根気強く真の正義を求め続けることです。
 自分を客観視する勇気、そして思考停止しない粘り強さこそが真の〈力〉なのです。

4 このように正々堂々と何かの面で誰かに勝つための努力は、自分の中にある自己中心の心や、何かへ逃げ込んで〈虎の威を借る狐〉になる怠惰や卑劣といった心をも克服します
 つまり、いつの間にか自分の〈我(ガ)〉に克つという最高の結果をもたらすのです。


〈気高き訪問者〉



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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