コラム

 公開日: 2012-08-10  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい(その10) ─男だ、元気だ、やっつけよう─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





11 「を」 男だ、元気だ、やっつけよう
 男に生まれたのだ。
 こんな仕合わせがあろうか。
 元気でいこう。
 勇敢にやっつけよう。
 この意気さえあればきっと偉い人物になれるのだ。

 ここには、家父長制と男尊女卑の観念が強かった時代の色合いがあります。
 当時は、男性に生まれたことを二重の意味合いで喜びました。
 一つは家庭の長として責任を持つこと、もう一つは大きな社会的役割を果たすことです。
 家庭も社会も柱は男性であり、女性は柱を〈支える者〉という感覚が強かったのです。
 だから子供でも、男なら家庭と社会の牽引車としてしっかりやらねばと考えました。
「勇敢にやっつけよう」は、誰かとケンカして勝とうなどというのではなく、自覚と勇気を持ってあらゆることに立ち向かおうという意味です。

 さて、この教えを現代に適用しようとすれば、男性に生まれたこと、日本人に生まれたこと、故郷で生まれたこと、自分の親から生まれたことなどの意義と感謝を自覚させれば良いのではないでしょうか。
 もちろん、同様に、女の子にも、女性に生まれたことの意義と価値を教えねばなりません。
 そして、他国で生まれた子にも、自分と等しく故郷があることを誇りに思い、喜ぶ心があると教えねばなりません。
 もちろん、自分が親にすがり感謝するように、他の子にも自分と等しく親にすがり感謝する思いがあると教えねばなりません。
 つまり、男の子も、女の子も、日本人も、どこかの国の人も、特定の親の縁により、他人と取り替えのきかない一人の人間として生まれた真実をはっきりと自覚するために、一人の人間を特定するさまざまな要因へ目を開かせ、その価値を感じさせることが眼目です。
 そして、自分がそうしたかけがえのない人間であるのと同じく、他の子たちもすべて、それぞれがそれぞれなりの価値をもっている真実に気づかせねばなりません。
 子供が自分の生にかかわる〈事実〉を〈真実〉として気づけるかどうかは、親と先生の力量にかかっています。

 子供の頃、病弱だった私はケンカをした記憶がほとんどありません。
 それでも何かのおりに殴られて血が出たりすると、親からもらった身体に傷つけれたことが悲しく、悔しくてなりませんでした。
 だから他の子供を傷つける心は、ほとんどはたらきませんでした。
 今でも誰かの子供が事件を起こすと、見知らぬ親御さんの気持を思い、悄然としてしまいます。
 もしかすると、私のこうした心は、親が私を大切に育ててくれたことに起因しているのかも知れません。
 そうであれば、事件を起こした子供の家庭事情を暴き立て、家族や親戚にまで攻撃的な言動を弄する人々は、子供の頃、あまり親から大事にされなかったのかも知れません。
 いじめの報に接すると、被害者も哀れ、加害者も哀れ、両者の親御さんや先生も哀れ、そして、ネットなどで非情な行動をとる人々も哀れと思えてなりません。
 無慈悲になれる人が哀れでなりません。
 慈悲はどこから消えてしまったのでしょうか。
 こんな想いが起こると、ロージーベルさんが運営する「少年の家」の尊さがあらためて身に迫ってきます。

 この教えを現代風にアレンジしてみました。
「男の子に生まれました、女の子に生まれました
 それぞれ、等しく、幸せです
 感謝しつつ、元気でやりましょう
 勇気をもって人生を切り拓きましょう
 この意気込みさえあればきっと誰かのために、何かのために役割を果たし、親へも社会へも恩返しのできるまっとうな大人になれます」




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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