コラム

 公開日: 2012-08-14  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい(その12) ─艱苦(カンク)なしに勝利なし─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






13 「か」 艱苦(カンク)なしに勝利なし
 負けるな奮闘せよ。
 勝利は艱苦の後に輝く。
 大艱苦に大勝利あり。
 偉人は皆、艱苦の勝利者だ。
 苦労をいとわぬ少年こそ偉人の卵だ。

 艱苦とは艱難辛苦(カンナンシンク)であり、悩み苦しむ辛い状態です。
 そうした状態から逃げれば敗者になる、克服すれば勝者になるというのです。

 たとえば、オリンピックでメダリストになるという偉大な勝利は、逃げた人へもたらされることはありません。
 日本人のメダリストはほとんど、「おかげさま」の意味を含んだ感想を述べるようですが、当然、感謝や絆の意識を胸にして猛烈な練習を重ねてきたはずです。
 あまり言葉には出さなくても、艱苦に耐え、克服したからこそ表彰台に立てたにちがいありません。
 8月29日から行われるロンドンパラリンピックにも引き続き注目しましょう。
 必ずやオリンピック同様、偉大な勝者たちに出会えることでしょう。

 昔、言葉に出して誓い、そのように生きた武将として山中鹿之助が有名です。

「願わくば我に七難八苦を与えたまえ」
「憂(ウ)き事のなほこの上に積れかし、限りある身の力ためさん」

 私などは、必ずしも有名ではない選手たちによってプロ野球の楽天が結成された時、この先は苦しい戦いになるだろうが、ジャイアンツのようなエリート集団に負けないチームになって欲しいと願ったものです。
 最近では田中将大投手のような逸材も入団しましたが、これまでは「何を!」という意地で戦ってきた面があるのではないでしょうか。
 比較的遠いと思われる〈優勝〉をめざす選手たちと歴代監督の気持を察すると応援したくなります。

 また、「心に太陽を持て」で有名な作家山本有三は、『路傍の石』に書いています。

「おれは『苦労』を、おれの『先生』だと思っているんだ。
 人間『苦労』にしこまれないと、すぐいい気になっちまう。」

 こうしたことは、ある程度生きた人には思い当たっても、若い方々にはなかなかそうは思えないかも知れません。
 あまり汗をかかず、お金をかけず、上手に儲け、うまく生きたいという気持にあまり後ろめたさを感じない精神風土ができてしまっているように思われます。
 楽をしたいと思わない人はいないでしょうが、そうして自分を可愛がる心が結局は一番の敵になることを、人生の先輩たちは若い方々へ早めに伝えたいものです。
 つまり、〈後ろめたさ〉は、自分だけがこっそりと他人を出し抜いて楽をしたいという自己中心の気持が〈何か変〉であることを教えているのです。
 それは霊性からの忠告です。
「自分を可愛がりたい自分こそ、人生の一番の敵ですよ」
 お釈迦様は説かれました。

「幾千の武者たちに勝つ者よりも、自分にうち勝った者こそ、偉大な勝利者である」

 今回の教えで気をつけねばならない点が二つあります。
 一つは、上記の通り、人生における真の勝者とは、他人と比較して勝った負けたという次元で決まるものではなく、勇気をもって人生の苦難に立ち向かいながら生き続ける人を指すということです。
 目先の勝ち負けにこだわると、どうしても他人へ邪険になり、高慢心も頭をもたげかねません。
 また、たやすく自分の敗者の列に数え、なかなか立ち直れなかったりもします。

 もう一つは、こうした奮闘の結果、どうしても戦いの現場から離脱せねばならない状態になる場合もあり、その時は、治療法として別な指針が必要であるということです。
 これまでもしばしば書きましたが、子供がサボりたい気持から学校へ行きたくない時は心を鍛錬させるように指導し、酷いいじめに遭ったり、心の状態が病気に近づいたりしている時は、休息をとるように指導せねばなりません。
 そういう意味で、親も先生も子供たちにとって、まちがっては困る診断者です。
 風邪をひかぬよう鍛えるために乾布摩擦をさせるのか、風邪を早めに治すために休息をとらせるのか、処方箋しだいで結果は大違いとなります。
 今回とり挙げた教えは、あくまでも鍛える方法であるという点は押さえておきましょう。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

消えた因縁 ─心の檻(オリ)から脱した話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ