コラム

 公開日: 2012-08-16  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい(その13) ─用意してからはじめよう─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈修法中から目がかすみ、お寺を閉めてから医者へ行こうと思って眼鏡をはずしてよく見たら、護摩の火でレンズがヨレヨレになっており、行く先は眼鏡屋さんに変更となりました〉


〈恒例となった隠形流(オンギョウリュウ)居合の魔切り奉納剣です〉


〈行者の迫力に、招き猫を務めているミケ子もびっくり〉

14 「よ」 用意してからはじめよう
 予習を充分にして行けば早く覚える。
 練習を積んで行った競走は勝つ。
 用意ができているからだ。
 十分の用意は成功の土台石だ。

 オリンピックに出た選手たちの多くは、勝負を前にしたインタビューで自信に満ちた言葉を発しています。
「勝つためにここにきた。
 勝つための準備はできている」
 もちろん、 口とは裏腹に不安を抱えたままで本番に臨む選手たちも少なくはないのでしょうが、とにかく、準備万端、やるべきことはやったと思わねばとても勝負になりません。

 金メダルは一人か一チームしか手にできません。
 決勝で敗れれば悔し涙を流します。
 しかし、表彰式では皆、晴れやかな表情になっています。
 それは、やるだけやった人に天から与えられた満足というご褒美の表れであると思えます。
 体調不良や不安や不運など、用意した本来の力を出し切れなかった要因もあるでしょうが、それらも含めて、とにかくことを為し終え、結果が明らかになったという大きな達成感があるのでしょう。

 勉強の方法には予習と復習があり、先生からそう指導されたはずなのに、私は予習が苦手で余計なことにばかり熱中し、もっぱら復習派としてやってきました。
 教えられてから復習し、理解できない部分や疑問な点などを先生に尋ねて解決すれば安心というやり方です。
 学校の勉強はどうやらしのいで大人になりましたが、そのうちに弊害が出ました。
 準備がへたくそなのです。
 そのくせ、人やモノとの縁に敏感ですぐに〈次の局面〉が頭に浮かび、とにかく与えられた条件の中でやってみないではいられなくなってしまいます。

 今回のお盆供養会もそうでした。
 供養会の意義をより皆さんに知っていただき、共に祈る方法を調べたりやってみたりするうちに、次々にベターな姿が頭に現れ、だんだんベストに近づきます。
 その過程で当然、やらねばならないことがどんどん増えても、妻と二人だけではどうにもなりません。
 結局は切羽詰まってからご縁の方々のお手伝いをいただき、どうにか供養会にこぎつけました。

 おそらく、『ゆかりびとの会』の役員さんなどはこう思っておられることでしょう。
「住職はもっと余裕をもって私たちへ相談してくれれば良いのに……」
 ──もっともです。

 でも、今回、あらかじめ準備をしておき、喜ばれたこともありました。
 例年、1時間半から2時間近くかかり、特にご年配の方々などへ大きな負担となっていたに違いない所要時間を大幅に短縮したのです。
 より皆さんと御霊とご本尊様のためになる修法をしたいと例によって研究しているうちに、ハタと気づきました。
「これをお次第通りに全部つないだら、2時間以上になるぞ」
 特に暑い夏だった去年も一昨年も、修法後の皆さんはお塔婆を受け取るやいなや、そそくさと立ち去られたことが思い出されました。
「これはいかん」
 そして更に研究し、指導も受けて1時間のお次第にこぎつけました。

 後片付けの終了後、Aさんがサラリと漏らしました。
「ご住職様、今年は早かったですね」
 すかさず、得たりやおうとばかりに応えました。
「今年は皆さんにあまりご負担にならないよう、1時間と心に決めて登壇したんです」
 横にいたBさんがニヤニヤしながら言われます。
「実は、私たちはこっそり相談していたんです。
 修法があまり長いとご高齢の方々や、忙しく移動しなければならない方々にとって負担が大きすぎるので、もう少し短くして欲しいけれども、一生懸命やっている住職に面と向かってこんなことを言える人はいません。
 だから、そのうちに、懇親会などで呑んだ勢いを装って、誰かが言おうということになっていました。
 今回は本当に良かったと思います」

 いつも前へ前へと突っ走るだけの私にしては珍しく準備が良くて、お褒めにあずかりました。
 実は一つだけ、心に決めていることがあります。
「皆さんが困るような問題は、必ず皆さんより半歩先に片付けておこう」
 ささやかな準備によって、皆さんのお困りが最小限度で終わったらしく、本当にありがたいことです。

 やはり、「十分の用意は成功の土台石」であるようです。
 これからも、お子さんたちと一緒に学び、自分の欠点と対峙しながらやって行きたいと願っています。





 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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