コラム

 公開日: 2012-08-18  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい(その14) ─男子は恐れず─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈善男善女のご誠心をお届けしました〉

15 「た」 男子は恐れず
 試験が何だ。
 貧乏が何だ。
 困難が何だ。
 不幸が何だ。
 男子はそんなものを決して恐れぬ。
 何でもやって来るがいい。
 どこまで戦えるか、自分の力を試そう。

 これは〈男の子〉の意識をつくるためだけの教えにしては、もったいない話です。
 現代風にアレンジすればこうなりましょうか。

「試験が何だ。
 貧乏が何だ。
 困難が何だ。
 不幸が何だ。
 若者はそんなものを決して恐れぬ。
 何でもやって来るがいい。
 どこまで戦えるか、自分の力を試そう。」

 若さは二つの可能性をはらんでいます。
 一つは、未来の時間が長いと予想されること。
 もう一つは、変われる可能性が大きいということです。
 だから、今、試験に失敗しようが、貧乏であろうが、困難があろうが、不幸であろうが、長い人生の中で取り返しがつき、克服ができ、その過程で自分を変化させ成長させられます。
 恐れないのは根拠のない強がりではなく、可能性を信じる強さなのです。
 だから、戦う相手は試験、貧乏、困難、不幸、「何でもござれ」です。

 さて、注意点を考えましょう。
 オリンピックで、選手たちはこう思いつつ果敢に強敵へぶつかったはずです。

「相手にとって不足はない」

 相手が全身全霊をこめて戦う対象にふさわしい十分な力量を持っていると考えることは、決して〈この自分〉の相手になるのだからと高慢になっているのではなく、むしろ相手を讃えています。
「相手にとって不足はない」は、言外に「たとえ敗れようと悔いはない」という潔さが伴っていることを考えれば明らかです。
 そこには、戦う準備として、できるかぎりの研究と練習を重ねて来た自負心と、自他の力量を客観的に観る冷静な目があります。
 若者もこのあたりには気をつけましょう。

 決して、試験や貧乏や困難や不幸に怖じ気づいて逃げたりしない。
 しかし、どれをもバカにしてもなりません。
 理由なく相手を軽んじて失敗する愚かな人を「向こう見ず」と言います。
 この言葉は、将来の成り行きをよく考えない様子を指しますが、私は、対象へ十分な注意をはらわなければ未来を危うくするという意味でも用いています。
 そうした愚かさの反対となる智慧を孫子が示しました。

「彼れを知りて己を知れば、百戦して殆(アヤ)うからず。」

 相手の実力を見極め、自分の実力をも見極めた上で戦に臨めば、何度戦っても危機に陥ることはないというのです。
 この有名な教えには続きがあります。

「彼れを知らずして己を知れば、一勝一負す。
 彼れを知らず己を知らざれば、戦う毎(ゴト)に必らず殆(アヤ)うし。」

(相手の実力を見極めず、自分の実力のみを見極めて戦に臨めば、勝負はどうなるかわからない。
 相手の実力も自分の実力も見極めず戦に臨めば、戦うたびに必ず危機に陥るであろう。)

 せっかくの若さが単なる気分の高揚に過ぎない「向こう見ず」とつながれば、〈若さ〉ではなく〈バカさ〉となりかねません。
 自分と未来の可能性を信じる一方、自分も相手も何ごともよく観る心の目を成長させながらがんばりましょう。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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