コラム

 公開日: 2012-08-19  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい(その15) ─礼儀を重んじて活発なれ─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





16 「れ」 礼儀を重んじて活発なれ
 元気に進め。
 しかし礼儀を忘れるな。
 敬いを忘れる少年は断じて偉くなれない。
 偉人も英雄も礼儀正しい人ばかりだ。
 乱暴を恥とせよ。

 礼儀正しくありながら、元気にやる。
 ここでは、しつけができた上で子供の持てる力を伸ばす方法が端的に示されています。

 まず、親も先生も、子供が元気かどうか注意深く目をかける。
 これがすべての始まりです。
 元気という言葉はそもそも「減気」であり、病気から快方へ向かうことでした。
 さらに「しるし」「あらわれ」を意味する「験」を用いた「験気」となり、今では、悪しきものがなく元来の力にあふれている「元気」と表現するようになりました。
 最近、いじめが日本だけでなく各国でも社会問題になっていますが、親も先生も、生徒が本当に元気かどうかをよく観ておけば、早く手を打てるような気がしてなりません。
 もしも、目をかけ、異変を感じたなら放置しないという当たり前のことがなかなかできないとしたなら、教育においてやるべきことの順番を考えなおす必要があるのではないでしょうか。

 さて、礼儀とは、必ずしも決まり切った挨拶やお辞儀だけを指すのではありません。
 たとえば、こんなできごとを考えてみましょう。

 津波に遭った方々が学校の体育館へ避難していました。
 被災者は朝5時に起きて交代でゴミ集めをします。
 それも、体育館だけの分ではなく、一般の校舎の分も処理します。
 家族や家や仕事や車などを失った被災者は、お世話になっているという気持で一生懸命に敷地全体のゴミを集め、手押し車に乗せて収集車が来る場所まで運びます。
 やがて登校して来た生徒たちの中には、そうして汗を流す人々へ「くそばばあ、臭いぞ」などと罵声を浴びせる連中もいます。
 気の弱い被災者は二階などから飛んでくる言葉を怖れ、当番に当たっても行動できなくなりました。
 被災した屈強の男性が付き添い、生徒たちを叱り飛ばしながらゴミを運ばねばならない日もあったそうです。
 被災者たちは、水くみ場やトイレなどをぞうきんまでかけてきれいにしますが、土足で汚しても平気な生徒たちが少なくありません。
 先生へ実情を話しても、「校長へ伝えておきます」と返事されるだけで改善されない例も多々、あったそうです。
 こうなった理由は二つ、考えられます。
 一つは、学校は高台にあるので、生徒も先生も、眼下に見下ろす地域の人々のように悲惨な体験をしておらず、被災者がおかれた厳しい環境や辛い気持などを〈我がこと〉として受けとめられないのでしょう。
 もう一つには、常々の道徳的教育も、大震災という事態へ対応する教育も行き届いていないのでしょう。
 とても残念でなりません。

 真の礼儀は大いなるものに額(ヌカ)づき、他人を重んじ敬う心として発し、作法はふるまい全般に及びます。
 礼儀作法をしつけるには、常日頃から自然を恐れ感謝し、仏神を畏れ敬い、人間が身体と言葉と心で行うことごとの善悪や美醜を敏感に感じとれる心を育てねばなりません。
 大震災が社会と一人一人にとって何であるか、何をもたらしつつあるか、被災者はいかなる環境でいかなる思いで過ごしているか、きちんと教え、考えさせ、想像させねばなりません。
 また、ゴミ集めの件については、「こっちは施設を貸して不自由な思いをしているんだから」などど努々(ユメユメ)思わず、「ご皆さんご自身のことだけでも大変なのに、まことに相済みません。ありがたいことです」と被災者を思いやり感謝し、子供たちの心もそうした方向へと導かねばなりません。
 掃除の件については、普段以上にきれいになったことを奇貨として、「これからは、こういう風にきれいに使いましょうね。そうすると心もきれいになります」などと教育したいものです。

 元気で礼儀正しい子供にするため、親と先生がまず、どうあらねばならないか、よく考えたいものです。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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