コラム

 公開日: 2012-08-28  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい(その17) ─強い者は自分に勝つ─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





18 「つ」 強い者は自分に勝つ
 復習がまだすすまないのに、
 遊びたくなった時、
 言いつけられた仕事を、
 早く止めたい時、
 強ければ自分に勝て。
「ここだぞ!」と勝て。

「自分」には、「怠けて好き勝手をしたい自分」と、「我慢し、歯をくいしばっても、なすべきことを行おうとする自分」がいることを気づかねばなりません。
 自分という意識は一本の糸のように連続しており、〈我がままな瞬間〉と〈すなおな瞬間〉がその糸を形成しています。
 そして、我がままを通すことに慣れると、ものごとに対して我がままに反応する心が育ち、すなおに行うことに慣れると、ものごとに対してすなおに反応する心が育ちます。
 それによって〈我がままな瞬間〉が意識を形成する割合がどんどん増えれば〈我がままな子供〉になり、やがては学級崩壊やいじめの犯行で主役を務めるようになりかねません。
 それによって〈すなおな瞬間〉が意識を形成する割合がどんどん増えれば〈すなおな子供〉になり、やがては学級をまとめたり、いじめを放置できなくなったりします。
 ここで気をつけねばならないのは、以下の三点です。

1 表面で〈良い子〉になれば、親や先生などの大人が誉めてくれ、大人を相手にする時間がスムーズに流れることを知り、本当の意味で〈すなおな子供〉になっていない場合がある

 自分に嘘をついたままでうまく時間を流すのは実に恐ろしいことです。
 自分を騙すならば、他人を騙すなどたやすいからです。
 こうして、扱いやすいけれども本心のわからない子供ができたりします。
 このタイプは、我がままで手に負えない子供より、将来は危険です。
 なぜなら、手に負えない子供は周囲がその事実に気づいて対応することが可能であり、何かの瞬間に我がままなエネルギーが陽転し、勇気ある行為をさせたりする場合がある一方、本心を隠す子供はそれと反対だからです。
 まず、周囲はその子供に騙されるか、もしくは、その子供を信用できなくなります。
 そして、その子供は、何かの瞬間にすなおだったはずの仮面を脱ぎ捨てて、信じられないような恐ろしい行為に走ったりする危険性があります。
 とてつもない事件を起こし、周囲が「まさか、あの子供が……」、「どうしてあんなに良い人が……」と驚き、絶句するのはこうしたケースだったりします。
 親も先生も、表面的にすなおな子供にはくれぐれもご用心を。

2 表面を繕うために自分を押し殺す習慣がつき、〈覇気のない子供〉になってしまう場合がある

 悪いことはしないし成績も良いが、自分から責任を背負ったりせず、その場を波風立てずにやり過ごすひ弱な子供になっては将来の発展はあまり望めません。
 ともすると、いじめを見ても放置したり、大人になっては世論に流され、社会悪へ立ち向かわず、公共的なことごとに無関心だったりします。
 それもまたその人のかけがえのない人生ではありますが、こうしたタイプだけでは、あまり希望の持てない社会になりかねません。 

3 表面を繕うために押し潰される我(ガ)が内心で反発し続け、〈親や先生を怨む子供〉になってしまう場合がある

 今の心理学はこうしたタイプに大きく注目し、いわゆるトラウマ探しが流行しています。
 そして原因となった状況が指摘されはしますが、それらはすべて過去となっており、適切な対応を行うのは容易ではありません。
 また、無責任なお告げや、他人の余計な口出しによって、親や先生との解消できない対立・不和を発したり、二次的な苦しみを背負ったりする場合もあります。

 1・2・3のケースになっていないかどうか、子供の心と態度をよく観察しながら指導していただきたいものです。
 何よりも大切なのは、我がままな自分という我(ガ)を克服した先に見える青空の美しさを体感させることです。
 そして、通り一遍に誉めるだけでなく、「やった!」という子供の達成感や喜びを一緒に感じてやることです。
 以前、このブログで採りあげた某小学校の校長先生による『ほめほめ集』などは、それがはっきりと表れている成功例と言えそうです。
 子供がやりたくない気持を抑えて頑張ったことを報告し、校長先生が必ず返事を書くという途方もないやりとりの一例です。

「四年 K・T

 階段のそうじをしているとき、シチューがこぼれていました。
 いやだなと思いましたが、みんながやらなかったら、きたないまんまなので、私がすることにしました。
 ふいても、ふいてもこぼしてしまう人がいるので、もういや。と思っていたら、校長先生がこられて、『きれいになったね。』と、おっしゃいました。
 下から見ても上から見てもピカピカになり さっぱりした気もちになりました。そしてやってよかったと思いました。
              ◆
けいこさん、
 ほめほめのお手紙ありがとうね。
 きょうのほめほめは、おそうじの時のことでしたね。
 かいだんのおそうじは、ごみがすみっこにはいって、はいたりふいたりが、とっても大変ですね。
 それに、給食のおしるも、かいだんが一ばんこぼれやすいところのようです。
 おしるがこぼれた所を、そのままにしておくと、小さなほこりがついて、とってもきたなくなりますね。
 ぞうきんでふくと、ねちゃねちゃして、しまつにこまります。だから、みんなが ふくのをいやがります。
 でも、だれかがやらないと、ひとりでに、きれいになるものではありません。そのだれかに、けい子さんがなってくれたのね。
 ごくろうさま。
 けいこさんが『下から見ても、上から見ても、ピカピカのかいだんになりました。』と書いていましたね。
 このことばの中に、『やってよかった。』というけい子さんの よろこびがこもっているように思いました。」

 まさに、古人の教えどおり「鉄は熱いうちに打て」です。
 我がままな人にも困りものですが、1・2・3を経過して大人になった方々もなかなか大変だったりします。
 親御さん、先生方、どうぞ頑張ってください。
 そして、共に、できることをやりましょう。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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