コラム

 公開日: 2012-09-10  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい先人の導き(その22) ─難しいからと恐れず、易しいからと油断しない─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈8月13日にイラン北部で起きた地震が報道されました。この無常・無情・不条理感。UPI=共同より〉

23 「む」 難しい易しいを区別するな
 
 難しい事はなおやろう。
 易しい事ならばなお気をつけよう。
 難しさに恐れるな。
 易しさに油断するな。

 難しいことだからといって最初から恐れず、もちろん、逃げず、自分への試練であると受けとめてなおさら懸命に挑戦する。
 易しいことだからといって最初から油断せず、もちろん、いいかげんにせず、きちんとやり終える。
 小学校低学年の頃にこうした教育を受けた人々が、西欧列強のアジア支配へ立ち向かい、戦後の驚異的復興を指導しました。
 その世代は、怯懦(キョウダ)からとても遠かったと感じています。
 いくじなし、臆病、気弱、怖じ気、こうしたものにとりつかれている余裕はありませんでした。
 また、その世代は、世間を甘くは見ていません。
 不条理も、無常も、無情も、骨身にしみているからです。

 戦後の団塊の世代になると、このあたりはかなり違ってきました。
 豊かで、生きられない心配がほとんどない時代になったからです。
 そして次の世代は、小さい頃から家庭でも社会からも手厚く保護され、嫌なこと、やりたくないこと、気が向かないことを遠ざけつつ成長してきた感があります。
 やがて、「自分にすなおである」生き方が最高であるとされるに至りました。

 今、「こんな難しい問題は面倒だから、うまく避けよう」とする自分はいないでしょうか?
 今、「こっちが易しそうだから、これで済ましてしまおう」とする自分はいないでしょうか?
 お釈迦様は「好きだからと惹かれてとらわれ、気に入らないからと嫌悪してとらわれ、関係ないからと無視してとらわれ、あらゆる苦が生ずる」と説かれました。
 また「楽を求めてとらわれ、苦から逃げようとしてとらわれ、ボーッとしてとらわれ、あらゆる苦が生ずる」と説かれました。
 社会がこぞって「すなおになろう」と呼びかけた対象である「自分」とは、もしかすると、お釈迦様の時代から変わらない〈気ままな自分〉、お釈迦様の御眼から観れば〈自他へ苦をもたらす元凶としての自分〉だったのではないでしょうか?

 今回の教えは、「これは難しい」、「これは易しい」と勝手な尺度で判断してその難しさや易しさにとらわれる愚かさを戒めています。
 なぜ愚かなのか?
 逃げようとしようが、バカにしようが、何かを対象にして生きる自分の人生をないがしろにしているからです。
 試験問題であれ、人間関係であれ、対象をないがしろにする時、自分の人生をないがしろにしていないはずはありません。
 自分の人生をないがしろする人は必ず、他人様の人生をもないがしろにするはずです。
 これが愚かでなくて何でしょう?

 難しいと感じても恐れず、易しいと感じても油断しない時、難しさも易しさもすでに克服され、自分の人生を創ってくれる対象として同じく眼前にあるだけです。
 そして、淡々ととり組む時、きっと〈気ままな自分〉はいなくなっていることでしょう。
 もちろん、〈すなおであるべき自分〉などという余計な観念もはたらいていないことでしょう。
 
 流行の言葉に翻弄されず、歴史に磨かれた智慧が凝縮されている古人の教えから、汲めども尽きない心の清水を謙虚にいただきたいものです。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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