コラム

 公開日: 2012-09-21  最終更新日: 2014-06-04

檀家にならなければ葬儀や供養を引き受けてもらえないか

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 いわゆる檀家にならなければお葬式を引き受けてもらえないと言われて困ったという人生相談は幾度あったか知れません。
 また、当山の檀家ではないが年忌供養をしてはもらえないだろうかという人生相談も途切れません。
 本来、仏教寺院の法務に関してこうした〈相談〉があってはならないと考えています。

1 仏教徒は、み仏のお慈悲は無限であると信じています
 
 ご本尊様であるみ仏は救う相手を一切、選ばない存在であるからこそ「仏」だからです。
 
2 仏教徒は、み仏は誰の心にもおられると信じています

 お救いくださるみ仏のお住まいは、私たち一人一人の心の奥底にある深くて意識できない世界、誰とでも地続きになっているような無限の広さを持つ世界です。
 私たちが困っている人を見て「あっ、手伝わなきゃ」と思う時は、知らず知らずのうちに、み仏が、深くて広い世界から、自己中心という覆いを破って心の表面へ現れておられるのです。
 こうした真実は、イスラム教徒であろうと、キリスト教徒であろうと同じです。
 もちろん、イスラム教やキリスト教では相手をいたわる心を「仏のような心」すなわち仏心とは言わず、愛と言いますが、気にする必要はありません。

 生まれながらにこうした心を持っている私たち人間はすべて、み仏の子です。
 人間が人間たる最大の理由は、み仏の子であることを自覚できるところにあります。
 そのはたらきを慈悲と呼ぼうが、愛と呼ぼうが変わりはありません。

3 仏教徒は、信仰・信念の強制的布教活動を行いません

 仏教徒は、争いと苦の元である自己中心という殻を破るために、み仏の心を呼び起こそうと経文を読み、書き、真言を唱え、瞑想を行います。
 しかし、こうした心のとらえ方や修行の仕方を何人(ナンピト)へも強制はしません。

 なぜなら、強制しようとしまいと、真理・真実に変わりはないらかです。
 誰かの仏心を呼び起こす唯一の方法は自分が仏心そのもので接することだからです。
 み仏が誰とでも地続きになっている心の世界におられる以上、自分の心がみ仏になっていれば、音叉が共鳴し合うように、誰の心にもおられるみ仏の心とも通じ合わないはずはありません。
 他を「お前の信仰は邪宗だ」と攻撃し、「こう信じなければ不幸になるぞ」と強制する人の心の音叉は、はたらいておらず、決して誰かの仏心を呼び起こすことはできないのです。

4 仏教徒は、水が方円の器に従うように、縁に応じて仏心をはたらかせます

 生きとし生けるもののいのちを潤す水は、四角い入れものへ入れば四角くなり、丸い入れものへ入れば丸くなります。
 決して我を張りません。
 天から降る雨は雲を縁とする一帯を満遍なく潤し、水に救われる草木を選びません。
 これが、真の施しの心、つまり布施の姿です。
 亡くなった方が安心してあの世へ行けるようご葬儀の修法を行うのも、あの世での関所を無事、超えられるよう年忌供養の修法を行うのも、法による布施、すなわち法施(ホウセ)です。
 寺院は水の心で法施を行い、寺院にご縁の方々は、営利事業を行わない寺院が法務を続けられるよう水の心で財施(ザイセ…財物による布施)を行えばこそ、仏法はこの世に幸せをもたらし、あの世へ安心をもたらします。

5 結論

 ご本尊様は誰をも救い、私たちは皆、慈悲心を持つみ仏の子であり、み仏を信じる者は争わず、縁を生かします。
 だから、寺院は、ご本尊様へ救いを求める相手を選ぶべきではないと考えています。
 もちろん、当山では、縁に応じてご葬儀も年忌供養も行っています。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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