コラム

 公開日: 2012-10-02  最終更新日: 2014-06-04

原因による結果はいつ出るか?

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 因果応報を信じる善男善女は、善いことを行った場合は、たとえすぐに嬉しい結果が出なくても、「仏神は必ずご覧になっておられるから」と信じて励みます。
 もしも悪いことを行ってしまった場合には心から懺悔し、「悲しい報いが自分にも誰かにも出ませんように」と祈ったりします。

 仏神ならぬ私たちは、いつ、どのように、業(ゴウ)が結果をもたらすかを知らぬまま、善悪こもごもの業を積みながら生活しています。
 知りたいと思う反面、知ってしまったなら生きて行けないかも知れないという畏れもあります。

 そこのところを恐れずに探求した行者が法則を感得し、今に伝えられています。
 ただし、輪廻転生(リンネテンショウ)を前提にしており、因果律は今の人生にしか当てはまらないものではありません。

1 強い力を持ったものから結実する

 これはとても理解できます。
 たとえば、ご加持(カジ)を受ける方が、導師の声に合わせて自分の願いを口にされる場合があります。
 導師は言います。
「心願成就のために」
 そして、ドーンと太鼓を叩きます。
 法をかけられて横になったAさんも小さな声で言います。
「心願成就のために」
 また、声がかかり、太鼓が鳴り、願いの言葉が続きます。
 こうした時間の経過は、Aさんの心にある善き願いを達成したいという決意を強くし、それが成就へ向かう大きな力となることは確かであると思われます。
 もしもその内容が、友人を罵(ノノシ)ってしまったことを懺悔(サンゲ)して友情を取り戻したいというのなら、罵った悪業よりも、もっともっと強い力の懺悔と願いの祈りが求められるのは当然です。

2 同じ力の場合は、死の瞬間に速く意識に顕れたものから結実する

 これも、きっと、そうしたものだろうと思われます。
 昭和45年に亡くなった評論家大宅壮一氏は、見守る妻へ「おい、だっこ」と言って逝きました。
 辛辣で権力者を恐れない彼の評論家魂は妻の愛によって支えられていたのか、鬼神をも説き伏せずにおかないほどの勢いの裏には、安堵を求める心がはたらいていたのかと思うと、真実の重みに深く考えさせられます。
 そして、心の奥底にあったそうした気持が、彼の次の世がいかなるものになるのかを大きく左右するに違いないと思えます。

 また、安政3年に69才で亡くなった二宮尊徳は、弟子たちへ訥々(トツトツ)と語ったそうです。
「葬るに分を越ゆるなかれ、墓や碑を立てるなかれ、ただ土を盛り、そのわきに松か杉一本を植えれば足る」
 勤勉実直を貫いた彼はこうした謙虚さを抱いたまま、きっと次の世でも〈利発で勉強熱心なはたらきもの〉として世を照らすのではないかと思われます。

3 それも同じである場合は、より多くくり返されたものから結実する

 そうとしか思えません。
 くり返し想念に浮かんだことや、くり返し行ったことは必ず魂へ染み込んでいます。
 懺悔と善行により〈悪しき染み〉を消すことこそ、老いた者の勤めであろうと考えています。
 それは何も、自分の地獄行きを避けるためだけではありません。
 今、生きていながら周囲へ悪しき影響を及ぼし、次の世でなお、自他を苦しめるに違いないからです。
 因果応報を信じ、自分の犯した悪業を自分が知っている以上、放置できないではありませんか。

4 それも同じである場合は、古い順に結実する

 そうなのでしょう。
 お釈迦様は説かれました。

「悪業は埋もれ火のようなものである。
 燃え上がる時をじっと待っている」

 この教えに接したおりの鮮烈なイメージは忘れられません。
 そして、自分の犯してしまったことをふり返り、「なぜ?」と疑問がわく時、無限の過去から抱え持って来た〈埋もれ火〉に思い至ります。
 超能力者ぶった無責任な者の言う生まれ変わりの特定などといった怪しげな話ではなく、お釈迦様が厳しく「思い知れ」と叱咤しておられるかのように思われるのです。
 懺悔の言葉です。
「無始よりこのかた貪瞋癡 (トンジンチ)の煩悩にまつわれて、
 身と口と意(ココロ)とに造るところのもろもろのつみとがを、
 みなことごとく懺悔し奉る」
 実に、いのちの始まりの頃から、罪科を積み重ねてきています。

 最近、米航空宇宙局(NASA)の無人探査車「キュリオシティ-」が、火星で丸い砂利を含む堆積岩を発見したそうです。
 川があったのなら、生命も存在した可能性が高まります。
 もしかすると、「無始よりこのかた」と言う場合の「無始」すなわち無限の過去とは、地球に生命が誕生する以前も含むのでしょうか。
 つくづく、業の深さを考えさせられます。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

消えた因縁 ─心の檻(オリ)から脱した話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ