コラム

 公開日: 2012-10-03  最終更新日: 2014-06-04

寺院はいかにあるべきか?(その3) ─平等・心の音叉をきれいにしておきましょう─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 寺院はいかにあるべきか?
 そこは、何が得られるいかなる場であるべきか?
 第三回目です。

◎姿勢の面

1 平等…万人と苦楽を共有し、万人を受け容れる

 み仏とは何か?
 私たちが想像し得る限り最高の人格を持った存在です。

 み仏はどこにおわすか?
 霊性の源として私たちの心におわします。
 源は万人につながっています。
 それは、波やしぶきはさまざまでも、同じ大海から発するようなものです。

 心はまた音叉に似ています。
 心には嬉しい振動数や悲しい振動数を持ったさまざまな音叉があり、それを鈍らせず、手入れを怠らない人は誰かの音叉と共鳴し合い、共感や感動が生まれます。
 自分の音叉が鳴る時は、共鳴する相手を選びません。
 自分の音叉が誰かの音叉と共鳴する時もまた、相手を選びはしません。

 私は縁の糸に引かれて大和町宮床で寺院を開基しました。
 すぐ近くには、明治末期から大正、昭和にかけて活躍した歌人原阿佐緒の記念館があります。
 25才の原阿佐緒が詠んだ一首に、私の音叉は激しく共鳴しました。

「生きながら針に貫かれし蝶のごと悶えつヽなほ飛ばむとぞする」

 後になり、私を宮床へ導いてくれた縁の糸の一本であるAさんは、老いた原阿佐緒を背負って好きな川を眺めさせたりしていたことがわかりました。
 蝶々を追って「ほら、あっち」などと走らされたそうです。

 原阿佐緒との並ならぬ縁を感じていたところ、当山と地続きになっている原家の土地を買って欲しいというご依頼があり、原阿佐緒のご子息から「ウチの最後の土地ですからよろしく」と言われ、譲り受けました。
 写真で見た母親の面影を探しつつの面会は、思い出話などをお聴きする時間もあまりないままに終わりました。

 それから数年、仙台市内のとある病院で、車椅子に乗った見知らぬお婆さんから、彼女の息子として声をかけられるようになりました。
「私の顔を見ると、決まって『M!』と、息子さんの名前を叫ぶお婆さんがいる。
 明らかに痴呆症だが、いつも大きく見開いている目の光は周囲の人々とまったく異なった強さを持っている。
『こんにちわ』と返事をしながら、元気づけられるのはどうしてだろうと思っていた。」(当山のブログ『想いの記』より)
 驚いたことに、このお婆さんは、晩年の阿佐緒が心の支えとしていた歌人扇畑利枝氏でした。
 それは、車椅子を押していた本当の息子さんとの一期一会の出会いでもたらされた情報です。
 数年して、息子さんから同人誌が送られてきました。
 故人となった扇畑利枝氏の特集号には晩年の一首がありました。

「秋の蝶白く小さし庭草の刈りたる上を低く飛びゆく」

 25才の原阿佐緒が詠んだ一首を目にした時と似た深い共鳴が起こりました。

 私たちは合掌し、み仏の姿となって経典を読み真言を唱える時、万物に共鳴できるみ仏の音叉になれます。
 清浄な音叉の麗しい共鳴があるところに邪険な心は生じません。
 み仏の心で万人と思いを共有し、宗教宗派を問わず万人を受け容れるのが仏教寺院のあるべき姿勢の一つであると考えています。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。





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