コラム

 公開日: 2012-10-06  最終更新日: 2014-06-04

ご先祖様を二度、殺さないようにしよう ─自殺を考える─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈とある喫茶店2〉

 私たちのご先祖様方は、遠い過去から無数におられます。
 存命の祖父母あるいは曾祖父母などより先代の方々は皆、死んでおられます。
 そうした方々は、血を引く私たちが生きている限り、あるいは、血を引かない方でも誰かが意識を向ける限り、糸の切れた凧のように闇へ消えて行きはしません。
 死んだ状態で〈おられる〉のです。

 ここで言う〈おられる〉とは、私たちが〈おられる〉と認識していることを意味します。
 しかし、私たちがそう認識しなくなったら?
 ご先祖様方は闇へ消えて行き、私たちもまた、ルーツを忘れた根無し草になります。

 自殺する若者たちに共通する問題の一つとしてご先祖様を意識しない、あるいは、無いものであるかのようにふるまうことが指摘されています。
 自殺する若者たちにとって、ご先祖様は〈おられる〉ものでなくなっています。
 つまり、ご先祖様は殺されたのです。

 こうしてご先祖様を殺し、自分が根無し草になれば、過去から未来へと伸びている時間的つながりは消え、空間的なつながりがなくなった時点で、もう、一人ぼっちです。
 そして、死はとても身近なものになります。
 つながりという無意識の歯止め、流行語にすれば絆による支えがないからです。

 私たちが自分を根無し草にしてしまうのは、事実を忘れたかんちがいです。
 誰もがご先祖様の人生を引き継いでいます。
 たとえ空間的に一人ぼっちになろうとも、誰もがご先祖様の血を引く者として、無数のつながりの最先端にいます。

 ところで、私たちの遙かなご先祖様である縄文時代の人々は一万年以上も、戦争をしないで暮らしました。
 そして、日本の縄文人は、戸数が増えてくると、労働力である牛の数を増やすのではなく減らしました。
 現代人ならば、人口が増えればはたらく機械も増やして、より便利に、豊かになろうとしますが、縄文人はそのようには考えませんでした。
「牧畜を拡大すれば森林資源が枯渇するから、その分は、自分たちで汗を流そう」
 こうして人間が重労働を引き受けつつ自然と共存し、グループ同士の無用な争いも起こさず、日本の縄文人は平和に暮らしました。
 日本人が先進国では珍しいほど豊かな自然に恵まれた環境に暮らしていられるのは、ご先祖様が流された汗のおかげなのです!

 私たちは、こうしたご先祖様の血を引いています。
 無論、魂も引き継いでいます。

 日本人は今、かつてない、無慈悲な時代に生きているかのようです。
 子供の世界でも大人の世界でも、いじめはもはや常態化しています。
 親が子を殺し、子が親を殺し、あるいは死んだ親をそのままにしておく。
 ささいなトラブルで争い、いじめ、自殺へ追いやる。
 こんな私たちは、縄文時代を生きたご先祖様に申しわけないと思えませんか?

 ご先祖様は私たちの血にも、魂にも、生きておられます。
 ご先祖様を殺すのは、自分自身を殺すのと同じです。
 目を醒ましましょう。
 
 汗を流して自然を守ったご先祖様、戦争をしなかったご先祖様を二度、殺さないようにしようではありませんか。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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