コラム

 公開日: 2012-10-10  最終更新日: 2014-06-04

ペットのお骨と人間のお骨を同じお墓に入れられないか?

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





1 ペットのご葬儀、人間のご葬儀

 最近は、特にペットのご葬儀が多くなりました。
 当山で行ったり、ペット霊園で行ったりします。
 お骨をそばに置き、百か日や一周忌の供養を行ってから埋骨するという方も決して珍しくはありません。
 皆さんの真剣な気持に接していると、亡くなった家族をあまりにも簡単に送ってしまう風潮に対して疑問を新たにさせられます。
 
 たとえ長かろうと短かろうと、人が一生を生き抜き幕を下ろす時は、私たちにとって最も尊厳に満ちたものです。
 送る人は畏れ敬う畏敬の念にかられ、人生で最も厳粛な気持になるのが当然ではないでしょうか。
 新たないのちに出会う誕生に魂が揺すぶられるならば、生き抜いたいのちが去る逝去にも魂が揺すぶられて当然ではないでしょうか。
 新たないのちが保たれ、安全に育つよう万全を尽くすのと同じく、生き抜いたいのちが無事安全に安心の世界へ還って行けるよう万全を尽くしたくなるのが当然ではないでしょうか。
 それが人の道ではないでしょうか。

 派手なお葬式をやれば良いと言うのではありません。
 自分が病気になれば、多くの人は、一生懸命、治してくれそうな病院を探すはずです。
 それと同じく、人があの世へ向かう時、きちんと送ってくれると確信が持てる寺院や葬儀社を真剣に探し、心残りのない送り方と弔い方を真剣に模索するかどうかを問うているのです。
 安く、早く、手短に、を第一とするのではなく、まごころを込め、今の自分にはこれしかできませんという誠意をもって送ろうとするかどうかという心の問題を問うているのです。
 死者のいのちを粗末に扱えば、自分も粗末に扱われる未来を招き、結局、自他のいのちを粗末に扱う生き方になることをよく考えてみたいものです。

 その点、ペットを送るためにご葬儀を申し出られる方々は皆さん、真剣そのものです。
「あなたは家族、あなたは友、~」と始まる導師の声に重なってこらえきれない嗚咽が漏れたりします。
 人間のご葬儀に比べればとても短いものですが、どなたも、濃密な思いを込めて過ごされ、心を決して火葬炉へ向かわれます。
 炉の前に立たれたご遺族の方々からあらためて嗚咽や別れの言葉が聞かれるのは、人間の場合と変わりありません。

2 お骨の納め方

 さて、そうした真剣な方々から、「人間のお墓に一緒に入れてはいけませんか?」と問われる機会も生じるようになりました。
 質問者のほとんどは若い方です。
 こんなふうにお答えしています。
「墓地の区画内にもう一つ、ペット用のカロート(お骨を納める穴)を作られてはいかがでしょうか?
 当山の墓地にはそうしたお墓がいくつもあります。
 それが難しく、しかも、どうしても身近にということであれば、今あるカロートの一部をコンクリートなどで区切り、人間と別途に法を結ぶしかないでしょう。
 それも難しければ、同じ墓苑内にあるペット用の共同墓に納め、お詣りするという方法になりましょう。
 いずれにしても、いつまでもお骨のままで置かず、自然へ還してあげることが大事です」

3 一緒にしない方が良い理由

 当山は、ペットのお骨と人間のお骨を一緒にすべきでないと判断しています。

 理由の一つは、生きものとしては人間もペットも変わりはありませんが、位が違い、世界が違うとされていることです。
 人間界と畜生界は異なっており、人間がペットにすればトラも大蛇も家族となりますが、飢えた猛獣は人間を餌にしかねません。
 もう一つは、混じるイメージに問題があることです。
 たとえどんなに可愛かろうと、一体になる究極的方法であるセックスを行えばそれは獣姦(ジュウカン)であり、決して受精から誕生へ至ることのないこのセックスにおぞましさを感じるのがまっとうな人間です。
 死後であろうと、〈交わる〉イメージはもつべきでないと考えます。
 もう一つは、いつまでも一緒にいたいという気持はとても理解できますが、かなわぬ執着心は空(クウ)を忘れた迷いです。
 あらたな明日を生きる自分のためにも、先に安心の世界をめざして旅立ったペットのためにも、はっきりと別れの意識を持ち空(クウ)という真実にそった生き方をお勧めしたいのです。

 同じ疑問を持たれている方々、ご理解、ご納得いただけたでしょうか?
 まだ納得できないという方はどうぞ、人生相談をお申し込みください。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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