コラム

 公開日: 2012-10-12  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい先人の導き(その30) ─身体を使おう─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 ここでは、昭和6年に発行された小冊子を基にして子供たちの導き方を考えています。

30 「け」 健康第一。健康第一。健康第一。

 早寝、早起き、運動、深呼吸、冷水摩擦、快活の精神、みんな健康の泉だ。
 日課の規律を守って健康なれ。
 健康のない成功はない。

1 夜回り先生の指摘

 夜回り先生こと水谷修氏は、子供たちがストレスからノイローゼになり、やがては自殺へも至るプロセスに身体と心のアンバランスが表れていると指摘しています。
 心はテストや人間関係などで疲れているのに、身体を動かす機会が少ないので身体はあまり疲れておらず、そこから眠れなくなる現象が起きて夜更かしし、睡眠不足になり、心がますます疲れてしまうという悪循環です。
 健康を著しく破壊するものとして第一にゲーム依存症が挙げられ、「ゲームをやらない日」をつくっただけで、だいぶ違うそうです。

2 快活な精神

 当山でのご加持(カジ…心身のはたらきとバランスを回復する秘法)では、太鼓を叩くおりに「心も身体も健全でありますように」と願います。
 心が不調な方も、身体が不調な方も、片方だけではなく、両方とも活性化され、バランスがとれてこそ、ここで説く〈快活の精神〉が生まれます。
 快活とは「快」すなわち心地よい気持と、「活」すなわち活き活きと生命活動のエネルギーがはたらいている状態を指します。
 いわゆる「前向き志向」だけとは限りません。
 必ずしも前へ進めなかろうと、役立つものを作れなかろうと、人が活き活きしていること以上、大切な状態はありません。

3 少年岡真史(オカマサフミ)君のこと

 昭和50年の夏、12才の少年岡真史(オカマサフミ)君は、近所のマンションから飛び降り自殺しました。
 父親は作家、母親は教師という家庭に育ち、猛烈な読書家だったらしく、夏目漱石の『こころ』などを愛読し、死後、何編もの詩が発見され、後に詩集『ぼくは12歳』として広く世に知られることとなりました。
 自殺の動機は不明とされていますが、『ぼくは12歳』に「ひとり」と題する衝撃的な作品があります。

「ひとり

 ひとり
 ただくずれさるのを
 まつだけ」

 少年と夏目漱石を関連づける研究などが盛んに行われてきましたが、いずれにせよ、何ものかが12才の少年から快活の精神を奪い、「ひとり」の孤独へと追いやったことは否めません。
 自殺と快活の精神は相容れないからです。

4 孤独とゲーム

 少年の自殺の原因は不明でも、孤独と自殺の関係を考えてみれば、子供たちがゲームをしている時間が〈孤独の時間〉であることは小さくない問題であると思われます。
 心地よく興奮するよう仕組まれた仮想の世界に遊んでいる時、精神は生身の人間から完全に隔離されています。
 そして、現実に戻った時、人々は仮想の世界とはまったく異なる様相で自分に接します。
 生身の人は、クリックするだけで予定されたように笑ったり、泣いたり、死んだり、生き返ったりするわけではありません。
 生身の人間との〈結果が予知できない接触〉によって孤独に陥らないためには、〈結果が予知できない接触〉を体験して自分に反応のバリエーションを増やすしかありません。
 文学は、この接触に含まれている内容を深く感得する情緒を活性化させ、生きる姿勢を教えてはくれますが、社会人として互いに相手を尊重し合うふるまいの感覚はやはり、接触を重ねながら磨いてゆくしかありません。
 一日24時間のうち、ゲームによる孤独の時間を何時間も持つのは恐ろしいことです。
 家族や友人や社会を構成する人々の〈おかげ〉を完全に忘れている時間は、孤独から逃げているようでも実は、実社会からの距離を大きくしながら孤独を深めている時間なのです。

5 結論

 規律正しい生活により身体も動かして快活の精神を保ち、ゲームを離れて心身の健康を創りましょう。
 これは孤独を深め自殺へ至る道を遮断する方法でもあります。





 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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