コラム

 公開日: 2012-10-23  最終更新日: 2014-06-04

お線香のこと ─高任和夫作『光琳ひと模様』に想う─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈ogatko_11をお借りして加工しました〉

 
 お線香はなぜ点すのか?
 佳い香りを捧げようとするのは供養道の入り口で、お精進の心になり、その心を誓い、その心で生き、御霊へお見せすることこそ真の供養道であり、それは同時に修行道ともなっています。
 つまり、供養と修行が重なるところにお線香を捧げる真の意味と意義があるのです。
 では、何にためにお精進をめざすのか?
 それは「三日坊主」を克服するためです。
 なぜ三日坊主になるか?
 それは、やらなければならないことよりも好き勝手なことをやりたいという煩悩(ボンノウ)があり、ガマンするよりも楽をしたいという煩悩があるからです。
 煩悩は誰にでもあります。
 そして、克服も又、誰にでもできます。
 どうやって?
 煩悩が出てきたら、「あっ、これではいけない」と考え、それを振り払って再び、やるべきことをやる、決めたことを実践するといった方向へ戻せばよいだけのことです。
 そうやって、意識という一本の線上に煩悩の黒い点が現れる回数を少なくし、励む白い点が現れる回数を多くすれば、賢い心は慣れて変化するので、だんだんに白い点だけで線が構成されるようになって行くこと請け合いです。
 修行をやると決心したらやり通すかどうかは自分にかかっています。
 誰も自分の代わりに食事をできず、排泄もできず、睡眠もできないのと同じく、到着点まで行けるかどうかは自分にかかっています。

 お線香は佳い香りをふりまきながら淡々と燃え、灰になってなお、香りを漂わせます。
 同様に、煩悩を克服してこそ、分野を問わず、何かが成し遂げられます。
 煩悩の克服とは、たとえば色欲を〈追い払う〉だけではありません。
 そうやる方法もあれば、そうでない方法もあります。
 だからこそ、人類は滅亡しないで済みます。
 たとえば、小説家高任和夫氏の最新作『光琳ひと模様』は、生涯、色好みであり財欲もありながら、凄まじい精進によりそれらをすべて昇華しつつ、とてつもない画業を成就させた希代の画家尾形光琳を描ききっています。
 晩年、座禅に励み女性を近づけない生活をしながら陶工として超一流の作品を作る弟の尾形乾山は、兄の『紅白梅図屏風』を観て言います。

「兄さんは、つくづく不思議なお方どすなあ」
「兄さんは放蕩のかぎりを尽くしたものの、絵によって、美によって浄化され、ついには解脱されたんとちがうかと感じました」
「ねえ兄さん、絵を描くのも陶器をつくるのも、これすべて修行。仏の教えにも通じるんとちがいますか」

 尾形光琳は、彼を丸ごと認め支えた妻に手を握ってもらいながら59才の生涯を終えました。

 何をなりわいにしようと、お線香に精進を誓い、実践し、霊性を高めましょう。
 くじけそうになる時は、精進波羅蜜菩薩様(ショウジンハラミツボサツ)様の真言を唱えましょう。
「おん びりやきゃり うん びりえい びりえい そわか」




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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