コラム

 公開日: 2012-11-18  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい先人の導き(その34) ─他人を当てにしない自立心を養う─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈例祭で護摩法を終えた直後の不動明王様が示された凄まじい気配〉

 ここでは、昭和6年に発行された小冊子を基にして子供たちの導き方を考えています。

32 「て」 天は自ら助くる者を助く

 自分を偉くする者は自分だ。
 立志奮闘(リッシフントウ…志を立て、それを遂げるために奮闘すること)は一人でするものだ。
 倒れたら一人で起き上がれ。
 涙も一人で拭け。

 あまりにも有名な一句です。
 これは医師であり作家でもあったサミュエル・スマイルズ(英)が1859年に47才で著した『自助論』という成功譚の最初に挙げられている言葉です。
 天才的な下級武士中村正直が留学生時代にイギリスで知って翻訳し、明治4年、『西国立志編』として発売されるや100万部以上を売り上げたというから驚きです。
 
 聞いたことはあっても、文章そのものを読んだことのある方は多くないと思われるので、書いておきます。

第一編 邦国および人民のみずから助くることを論ず

 一 みずから助くるの精神

「天はみずから助くるものを助く」(Heaven helps those who help themselvees.)といえることわざは、確然(カクゼン)経験したる格言なり。
 わずかに一句の中に、あまねく人事成敗(ジョウハイ)の実験を包蔵(ホウゾウ)せり。」

(「天はみずから助くるものを助く」ということわざは、私たちがはっきりと体験できる格言である。
 たった一句の中に、人生の成功や失敗の成り行きが示す真理を含んでいる。)

「みずから助くということは、よく自主自立して、他人の力によらざることなり。
 みずから助くるの精神は、およそ人たるものの才智の由(ヨ)りて生ずるところの根元(コンゲン)なり。」

(自分を自ら助けるということは、しっかりと自主自立の精神を保ち、他人任せにしないことである。
 自らを助けるという精神は、一人前の人間として持てる才能や智慧を発揮させる根源的な力となる。)

「推(オ)してこれを言えば、みずから助くる人民多ければ、その邦国必ず元気充実し、精神強盛なることなり。
 他人より助けを受けて成就せるものは、その後、必ず衰(オトロ)うることあり。」

(この考えをもって視野を広げれば、自らを助ける精神を持った国民が多ければ、その国は元気に溢れ、強い精神的連帯を持つ。
 もしも他人から助けられて成功したとしても、後に衰退を免れなくなることがある。)

「しかるに、内(ウチ)みずから助けてなすところのことは、必ず生長(ショウチョウ)してふせぐべからざるの勢いあり。
 けだし、われもし他人のために助けを多くなさんには、必ずその人をして自己励み勉(ツト)むるの心を減ぜしむることなり。」

(しかし、自分自身の力で行うことごとは、必ず成果を挙げ蓄積し、誰も妨げられない力で発展する。
 もし誰かを助けたいと思ってあまりに多く手出しをすれば、必ず、その相手自身が自分で励み勉める力を削いでしまうものである。)

「このゆえに師傅(シフ)の過厳なるものは、その子弟の自立の志を妨(サマタ)ぐることにして、政法(セイホウ)の群下を圧抑(アツヨク)するものは、人民をして扶助を失い、勢力に乏(トボ)しからしむることなり。」

(だから、教育する立場にある者があまりに厳しく教え、しつけようとすれば、教えを受ける者の自立的姿勢を妨害し、政府が国民を抑圧的に従わせれば、自立心を失った国民は勢いを失ってしまうのである。)

 まことに、自立心の大切さを説いて余りありません。
 現代にあてはめて考えれば、最も欠け落ちつつある部分であると思われます。
 子供が小さなうちから、〈親の財産を当てにしない〉ことをきっちりと教え、自立的体験を重ねさせるだけで、今の若年層が抱える心の問題の多くは起こらなかっただろうと推測されます。
 今からでも遅くはありません。
 ぜひ、ぜひ、親を当てにしない自主独立の心を養うべく、親御さん方に奮闘していただきたいものです。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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