コラム

 公開日: 2012-11-30  最終更新日: 2014-06-04

『びわこ宣言』に関して ─物理学者へ「原発は人間に制御し得るか?」「原発のゴミは処置できるか?」

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





〈寒風に咲く花のように〉

 嘉田知事が発した「びわこ宣言」の核心である。

「経済性だけで原子力政策を推進することは国家としての品格を失い、地球倫理上も許されない」

 物理学から環境関係へと学問を深められたA氏へ質問した。

「原発は人間が制御し得るのでしょうか?」

 即答があった。

「無理でしょう。
 専門家なら誰しもが、わかっているはずです。
 しかし、原発は国策として政界や経済界に絡みつかれてここまできたので、誰も真実を話せません。
 まして、現役の方々は立場や生活にかかわってくるので……。
 たとえば、宮城県で言えば、震災後、女川原発の状態に関して発表されたデータはすべて原発側からのもので、第三者による綿密な震災の影響調査などは今なお、行われておりません。
 あるいは、たまたま旧仙台市内はあまり影響がなかったけれども、~から~方面へ(当該地の方々への風評被害などを勘案して軽々には書きません)廻りつつ入り込んだ放射能の影響も、よくよく調べる必要があります。
 福島県も30キロ圏などという数字でうんぬんしていますが、実際は数値の高い地域が〈圏外〉に多々あり、心配しています。
 また、偏西風を考えると、もしも九州の原発で事故が起こったならば日本列島は壊滅的打撃を免れないでしょう。
 私などは、3月11日以降、原発の事故をはさんで、ずっと、海側の関係者へは申し訳ないけれど『東から風が吹かないように、万が一の場合は放射能が海側へ流れるように』と祈る思いで過ごしてきました。
 あそこの原発すべてが制御不能になっておかしくない状況に陥りながら、どうにかここまでこれたのは、〈たまたま~だった〉という幸運がいくつか重なったためであることを忘れてはなりません。
 4号機の原子炉真上にある原子炉ウェルに水があったこと、仕切り壁がずれてウェルから使用済み燃料棒を冷やすプールへ水が流れ込んだことは偶然でしかなく、人間の力で最悪の状態を免れたなどと考えれば、恐ろしい傲慢というものです。
 そうした考えで今後も原子力発電を進めれば、やがて、とりかえしのつかないことになる可能性が大です。
 人間は原発を制御し得ない、と専門家たちが声をあげるべきです」

「もう一つだけ質問させてください。

 原発のゴミは現代科学で処理できるのでしょうか?」

 即答があった。

「できません。
 放射能を消すことはできません。
 日本でやるとすれば、フィンランドのように地下深く埋めるしかありません。
 しかし、いかんせん、地震国ですから。
 フィンランドでは太古の岩盤層を深さ500mまで掘って10万年大丈夫としていますが、それには、地殻変動が現在の調査研究によって計算された範囲内で済めばという前提があります。
 造ることはできる、しかし、利用して出るゴミの処理は地下か、あるいは宇宙へ投げるだけ。
 しかも、いったん造ったものを廃棄するには膨大な経費と年月を要する。
 こんなものを造るのはまちがいです。
 ところで、アメリカでは、壊した自然の分だけ何とか埋め合わせをするよう法によって定められていることをご存じですか?
 日本では、便利な道路を造れば造りっぱなしで、壊した自然について何も考えないではありませんか?
 こんなことでは、『緑豊かな日本』といつまで言っていられることやら、先行きが心配です」

 思い出した。
 ご寄進を受けた現在の境内地は藪と雑木林だった。
 ご縁の方々と力を合わせて切り拓く時、無数の生きものたちを追い出した。
 雑草が刈られれば、カタツムリが地べたへ叩き落とされ、ミミズが踏みつぶされ、トンボが止まれなくなる。
 それを見て、全体が出来てきたなら、可能な限り草や木や石を用いて自然を取り戻そうと考え、追いやられ殺されるものたちへ手を合わせつつここまで造営を進めて来た。
 今、タヌキやキツネはたまに見かけるが、リスなどは姿も形もない。
「壊した分の埋め合わせ」
 これを肝に銘じてやってゆきたい。

 原発について、プロ中のプロから直接、本音を聞かせていただいた。
 嘉田知事の理念はやはり、真理をふまえ、真実につながっている。
 雑音をものともせず、進んでいただきたい。



 
 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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