コラム

 公開日: 2012-12-08  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい先人の導き(その39) ─約束を守り人食い鬼を救う話(その2)─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 前回の続きです。

 王子は城へ戻り、バラモンから4行の教えを聞き、感謝を込めて供養しました。
 そして、スダーサの息子が待つ森へ行こうとします。
 王は止めますが王子は決然と拒否し、でかけます。
「王よ、私は約束を破れません。
 破戒によって、苦難の泥に溺れ地獄に直面している人々や、親しき者から捨てられた人々や、寄る辺なき人々へ打撃を与えることはできません。
 人喰らいが私を信じて解放してくれたからこそ、私は善なる言葉を得られたのです」
 そして驚くスダーサの息子へ食べてくれと言います。
「私は善なる言葉を手に入れ、バラモンへの供養も済み、喜びにあふれている。
 さあ、食べるがよい」
「もう少し薪の煙が少なくなってから焼いた方が旨い。
 善なる言葉とやらを聞かせてもらおうではないか」
「悪鬼のように真実のないお前が真実の言葉を学びどうしようというのか?」
「何を言う。
 狩りにでかけた王が鹿を殺さないはずがあろうか。
 生きるために人を殺す私を責めるとは矛盾であろう」
「逃げまどう鹿へ弓を引くのは法に反する。
 しかし、人を殺す者はもっと非難されねばならない。
 人は気高く、食べてはならぬものだからである」
「お前は政治に通じていないな。
 殺されるとわかって戻ってくるとは」
「私は政治の道を実行しようとは思わない。
 それによって幸福の成立は望めないからだ。
 私はただ、約束を果たすために戻ってきたのだ」
「お前は本当に死を怖れないのか?」
「私は悔恨すべき行為を思い出せないほど善行が習い性になっており、法に従う者に死の怖れはない。
 だから、どうぞ食べるがよい」
 ことここに至ってスダーサの息子は総毛立ち、両眼から敬信の涙が流れた。
「王の中の英傑よ。
 あなたに害をなさんとする者は、毒と知っても自分で口にすべきであり、毒蛇を、燃える鉄球を口にすべきである。
 ぜひ、善なる言葉をお示しください」
 王子は、スダーサの息子が真理を聴くべき器であるかどうか確かめるために命じた。
「法は正しい作法で聴かねばならない。
 より低い所に座るべし。
 礼儀正しくし、尊敬と集中を保ち、清浄な心で病人が薬を飲むようにせねばならない」
 教えを聴き終わり、改悛したスダーサの息子は悪鬼へ捧げる予定の王子たちを解放しました。

 過去世のお釈迦様である王子スタ・ソーマは、約束を守るという一事にいのちをもかけました。
 それは、嘘をつけない心になり切っており、たとえ人食いであっても、正義や真実の力によって迷いから救出できると信じていたからです。
 信念に基づく行動は、誰しもが怖れる悪の塊のような者の心をも清め、救いました。
 悪者は、戦って打ち倒すだけが能ではありません。

 一つ、一つ、怠らず正しい行為を重ねて行くうちに、悪しき行為ができなくなります。
 こうして潜在意識へ善き業(ゴウ)を蓄え自他のために善き結果を次々と生み出すことが、善き運命を創る唯一の方法です。
「一事を怠る者は万事を怠る」
 この言葉を胸に刻みましょう。




 
 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ