コラム

 公開日: 2012-12-08  最終更新日: 2014-06-04

第34回寺子屋『法楽館』 「チベットを見捨てない ─映画『チベット死者の書』に学ぶ生と死─」

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈朝日新聞よりお借りし加工しました〉

「個人の生まれ変わりの法則は、基本的にカルマと個人の生存の潜在力に依拠しており、単に現世ばかりでなく、前世、前々世など過去世のカルマを蓄積させるだけで決定されることはない」(ダライ・ラマ法王)

 仏教の叡智を育んでいるチベットが消滅の危機に瀕しています。

 シリーズ『どうする?私たちの未来』の第二回として、悪化の一途をたどっているチベット問題を考えるために、もう一度、チベット民族の心の砦である『チベット死者の書』を学びます。
 チベットでは、この3年間で僧侶など87人もの焼身自殺者を出しています。
 今年の10月と11月だけで、34人となっています。
 自己制御の訓練を行い、いのちの価値を見つめ続けている聖職者が「自由を!」と叫んで自ら火をかぶらねばならないほどの弾圧が、世界の経済を動かす隣国で行われているのです。
 平成20年までは毎年2000人がインドのダラムサラへ亡命していましたが、今年はまだ、355人にとどまっています。
 焼身自殺によって抗議する人々が増え、亡命できる人々が激減している事態は何を物語っているか、考えるだに恐ろしいことです。
 民族の住んでいた故郷はもちろん、宗教や言葉や慣習や文化や生活が圧殺され、チベット人が激減しているばかりでなく、事実上言葉も文字も奪われた子供たちがどんどん漢人化されている状況を想うと、文字どおり胸の潰れる思いがします。

 11月13日、初めて国会内におけるダライ・ラマ法王の講演が実現しました。
 140人の国会議員が「チベット支援議員連盟」を設立し、ようやく国としてチベット問題にとり組む動きが始まったのです。
 北朝鮮による拉致問題も国が動き出すまで長い年月を要しました。
 チベットの弾圧も、日本政府は隣国でありながら半世紀以上、見て見ぬ振りをしてきました。

 インドで滅んだ仏教が最後の精華を残したのがチベットと日本です。
 両国でさらに磨かれた仏教はマンダラの思想を持ち、ユングの心理学などに大きな影響を与え、二者択一に行き詰まった西洋文明の救済思想として、また、ターミナルケアの光として広く再認識されつつあります。
 私たち日本人にとって、チベットの問題もチベット仏教も決して他人事ではありません。
 当山は、人道的立場から、また、仏教寺院としての立場から、これまで講演や映画鑑賞会などで何度もチベット問題を取りあげてきましたが、今年最後の寺子屋で「映画『チベット死者の書』に学ぶ生と死」と題し、観賞と法話を行うことにしました。


 題材はNHKスペシャル『チベット死者の書』です。
 平成22年10月の寺子屋では、その前半を観てディスカッションを行いました。
 今回は後半を観てから法話と対話を行います。
 老僧に導かれた少年僧が、生と死の交錯する〈導き体験〉をします。
 名優故大滝秀治の声で少年を導く老僧の姿は、揺るぎなき世界を表現し、チベットの人々が声を揃えて「死は怖くない」と口にする心の背景を示しています。
 共に学び、考えようではありませんか。
 新たな年を迎え新たな一歩を歩み出すために。

 どなたでも自由に参加できます。事前の予約も不要です。どうぞ、ふるってご参加ください。

・日 時 12月8日(土)午後1時30分~
・場 所 法楽寺講堂
・参加費 千円(中学生以下は五百円)
・送 迎 午後1時に地下鉄泉中央駅そばの『イズミティ21』前へ送迎車が出ます。乗車希望の方は前日午後5時までにご連絡下さい。



 
 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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