コラム

 公開日: 2012-12-14  最終更新日: 2014-06-04

三十七の菩薩(ボサツ)の実践(第三十三回)─モノにも義理にも縛られず平等に接する─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。




〈駐車場で隣り合わせた主を待つ忠犬。主が去った方向へ視線が固定された目の表情はまるで人間です〉

 菩薩(ボサツ)をめざす心の実践法、第三十三回目です。

「富と名声にかられ争いとなり
 聞(モン…学ぶ))・思(シ…考える)・修(シュ…身につける)の行が疎(オロソ)かになる
 それゆえ、親友やご支援くださる人々に対しての甘えを捨てること
 それが菩薩の実践である」

 世間的な義理が発生し、からまれれば、行者としての道をまっすぐには歩めません。
 たとえば、大金をご寄進してくださった方の現世的利益のために修法の予定を変えるとか、お世話になった方の面目を保つために修法を疎(オロソ)かにして現世的事業に参加するといったことになれば、修行の道はまっとうできません。
 実際に寺院を運営していると、ここのところは大問題です。
 それは、たとえ善意でご協力くださる方でも、寺院や行者が〈義理〉の現世的感覚からまったく独立していることをご理解されにくいからです。
 寺院側としても、これだけ協力していただいているという意識が感謝にとどまらず、していただいているのに、あるいは、していただいているから、という義理にまで行ってしまいがちなことは否めません。
 そこが大きな落とし穴になりがちであり、落ちたかどうかは周囲から気づかれなくても、落ちた行者にははっきりとわかり、必ず、聞・思・修に影響が生じるのです。
 また、特定の人に対して身びいき的な心が生じれば、ご縁の方々を区別、差別しないという行者として、寺院としての基礎的ありように反してしまいます。
 お不動様の経典には「平等に見ること一子のごとし」とあります。
 寺院は、相手が誰であろうと、我が子へのまなざしと同じ視線で平等に見て、平等に慈愛を発し、平等に手を差し伸べねばなりません。

 一方、理想としては、寺院へお布施をする方々においては布施の心を学ばれ、見返りを求めない清浄な心でお支えいただきたいと願っています。
 結局は、それが布施を行う方の徳積みになり、霊性を発揮し、心のレベルを高め、運勢をよき方向へと導き、自他へ幸せと安心を与える道だからです。
 決して「自分のため」とは思わない清浄な心が、相手のためになるだけでなく、結果として自分のためにもなるのです。

 経典が説くとおりできるかどうか、行者も寺院も、そして間接的にはご支援くださる方々も試されています。
 高額のご志納金を持参すると上座に座らされ、住職から平身低頭でお礼を言われるというお話も聞きますが、当山では、基本的に、ご来山の方を上座へお通しします。
 僧侶は不動明王と同じく衆生のしもべだからです。
 ただし、袈裟衣をつけ、み仏と一体になる法を結んでの人生相談になれば、上座でお話をお聴きします。
 この場合は、僧侶だから上座に座るのではなく、み仏になっているからです。

「どんなに尽くしてくれる人も、特別な人としてではなく、すべての衆生の中の一人として、等しく最大の慈愛をもって接すること」

 出家者も、在家の方も、菩薩様をめざすならば、いかに難しかろうと貫かねばなりません。


 
 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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