コラム

 公開日: 2012-12-16  最終更新日: 2014-06-04

三十七の菩薩(ボサツ)の実践(第三十五回) ─煩悩に飼い慣らされない方法─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 菩薩になる方法の第35回目です。

「煩悩(ボンノウ)に慣れれば制することが難しくなる
 念(記憶)と正知(ショウチ)という対治の刃を手に取り
 欲望などの煩悩が起こるやいなや刈り取ってしまう
 それが菩薩の実践である」

○貪りや怒りや自己中心的な考えなどに慣れれば自分がそれらに飼い慣らされてしまう

 たとえば、おいしいものに目がないからといって、自分の年令や体調を考えず、慎みを忘れて過剰に栄養を摂れば、身体のはたらきに支障を来し、あげくの果ては病気にもなってしまいます。
 たとえば、すぐに怒る人は、体内に健康を害する毒素を溜め込むばかりでなく、やがては他人とぶつかり、他人に疎んじられ、他人からバカにされ、自ら人生を破戒し暗転させてしまうことでしょう。
 たとえば、自己中心的で客観的な視点を持ち得ない人は、常に不平不満に襲われてストレスを抱え、説得力がなく、指導的立場に立てず、人間性が練られないまま終末を迎えることでしょう。
 これらが煩悩に飼い慣らされた状態です。
 あまりに情けない人生ではないでしょうか?

○念と正しい智慧で霊性に生きる

 こうした心の習慣を断つには、念(心に保って離さないこと)と正しい智慧の二つが必要です。
第一の例なら、「腹八分が健康の基であり、生きもののいのちに感謝し慎んでいただくのが人の道であること」を忘れないようにしましょう。
 そして、食べ過ぎへ走らないように、「ここは我慢しよう」「これではいけない」と自らをコントロールしましょう。
 第二の例なら、「怒りはあらゆる福徳を瞬時に破戒し、自他を傷つける魔ものであり、いかなる価値も生み出さない」ことを忘れないようにしましょう。
 そして、カッとなったり、ムカムカしたり、ウヌッと腹に来たりしたなら、守本尊様の真言や「南無大師遍照金剛」を唱え、深呼吸をしましょう。
 第三の例なら、自分を深く省みていかに未熟であるかを認識し、自分は常に成長過程にあると知り、至心に人の道を学びましょう。
 そして、他人とぶつかりそうになったら、すぐに我を張ったり相手を貶したりせず、相手の立場から考えてみるなどしてから穏やかに話し合いへ入りましょう。
 こんなふうにして、煩悩を刈り取るのです。

 Aさんの夫は、奥さんがよくできた人であるのをいいことに、止めるのもきかず夜な夜な遊びまくり、ついに肝臓を壊しました。
 Aさんはじっと堪(コラ)えつつ、そうした夫を優しく支え、ご自身は身を摂し、学ぶ姿勢を強めています。
 子供の頃から起こりっぽく言葉も荒かった運転手のBさんは、当山で一緒に守本尊様の真言を21返、唱えたことがきっかけで真言に親しみ、「人が変わったね」と言われるほど穏やかで信頼される人になりました。
 いつも他人へ攻撃的で我を通さずにいられない性格のため、何をやっても長続きしないアルバイト店員のCさんは、当山へ足を運び、毎日一度、般若心経を読んでいるうちに、つまらぬことで他人とぶつかるのが「アホらしく」なったそうで、すっかり一皮むけました。

 ちなみに、般若心経が日本へやってきたのは天智天皇の昔であり、宝亀5年(774年で、お大師様が生まれた年)の疫病蔓延に際しては、光仁天皇が勅語をくだされました。

「天子がこれを念ずる時は戦争や災害が起こらず、国民がこれを念ずる時には病魔や悪鬼に襲われない。
 だから、国民は老若男女を問わず、おりおりに般若心経を念誦して欲しい」

 お大師様も「般若心経は苦を抜き楽を与える」と説かれました。
 こうして、明治時代の廃仏毀釈までは、寺院と神社とを問わず広く唱えられてきたのが般若心経です。

 古人は言いました。
「火事は小火のうちに消す。
 堤防もアリの一穴から崩れる。」

 AさんもBさんもCさんもみごとに霊性を発揮し、一歩づつ着実に菩薩へ近づいておられ、嬉しくてなりません。


 
 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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