コラム

 公開日: 2012-12-18  最終更新日: 2014-06-04

東日本大震災 ─東北関東大震災・被災の記(第120回)仙石病院理事長神部廣一氏がふり返るあの時(

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



〈「東日本大震災の検証」からお借りして加工しました〉

 仙石病院理事長神部廣一氏が、建設新聞社発行の「東日本大震災の検証」へ「大震災と医療~民間病院の経験を通して~」を書いている。

「大震災を経験して、すべての日本人が何らかのアクションを起こしたはずである。
 その行為は個人個人の状況、能力、心情でさまざまに異なっていたであろう。」

「医療機関がどう行動したか、その間の問題点、今後の構想といった項目について、一民間医療機関の経験を紹介し、いささかの考察を付記したいと思う。」

 時系列で「急性期(最初の一週間)」、「亜急性期(二週目~二ヶ月)」、「慢性期(復興期)」に分け、最後に「老人施設の被害状況」をまとめている。

 詳細は本文を読んでいただくしかないが、氏が印象としている部分を抜き書きしておきたい。

1 急性期

「医師のほぼ全員、半数以上のスタッフは、自宅が損壊していたり、移動の手段が奪われていたこともあるが、初めの一週間は病院に泊まり込んだ。」

 氏の自宅もやられ、母親は病院で一緒に暮らした。

「必要な検査もできず、何時間もかけて危険を冒して来院したのに数日分の処方しかできなかったが、例外なく感謝の言葉が返ってきて、被害者同士の連帯の気分を感慨深く味わった。」

 救われる患者も、救う病院側も、等しく被害者であり、必ず交わされる「ありがとうございました」と「どうぞお大事に」には、困難へ立ち向かう者同士の連帯感が伴っている。
 救う医師やスタッフも、感謝の言葉をかけられることによって救われており、氏の「感慨深く味わった」には、文字どおり万感の思いがこもっている。
 そして、「例外なく」には、極限の状態でもふるまいようを忘れない日本人の美点が浮き彫りになっている。
 実に誇らしくなる。

「喀痰(カクタン)吸引はチューブを口で吸って行ったりした。」

 自分で痰を吐けない患者のために、喉へチューブを差し込み、スタッフが自分の口で吸い取ったのだという。
「職員一同心を合わせて砕身した」場面が想像され、泣けてしまう。
 患者にとって病院の人々は皆、生き仏に見えたことだろう。

 診療も投薬もすべて無料、「費用のことを口に出す者」はまったくおらず、「個人経営である民間医療機関や薬局、さらに薬品卸のような企業までもが、いわば身銭を切って奉仕したのは誇りである。」とする氏の心に吹く清風を想う。
 書き残しておくべき志については、さらに続く。

2 亜急性期

「多くの薬剤卸業者、医療消耗品製造業などの医療関連業者は交通事情が厳しい中、社員が工場からトラックを、遠くは関西からまで運転して医薬品、消耗品を届けてくれた。
 これらの例にも医療関連産業の志の高さを窺うことができる。
 ボランティアの貢献が随所で高く評価されているが、困難な状況下で本来の業務を果たすべく奮闘した職業人(電気、電話、水道、下水、交通、輸送、土木工事、小売業等など)の数もまた膨大なものになるだろう。」

 氏は、近所のコンビニへ来ていたトラックが毎夜、パンなどを無料で玄関先へ置いてくれたことを決して忘れないと言う。
 これらの人々と同じ日本人であることを誇りに思う。




 
 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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