コラム

 公開日: 2013-01-19  最終更新日: 2014-06-04

仏法には「癒し」と「発見」そして「救い」がある

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈いかなる業によってこうした境遇に生まれたのか、クロの人徳ならぬニャン徳を想う〉

1 癒しについて

 私たちは、お寺巡りをしたり、たまさかの座禅会へ参加したり、佳い説法を聴いたりすると、心が安穏になったり、心が満たされたりします。
 そして、しみじみと自分の人生をふり返り、また、自分の役割へと邁進します。
 これは心の疲れや乱れや焦燥感や切迫感などが解消され、本来の生命力が取り戻されつつある状態です。

 日常生活にあって、私たちは、何かを見たり聞いたり思い出したりすることにより、自己中心という性向を持った欲望にスイッチが入るとたちまち、追われます。
 欲しがり、怒り、自分に都合の良い成り行きどおりにしようと、身体も言葉も心も総動員した活躍が始まります。
 こうして煩悩(ボンノウ)に振り回されている状態は、背中に火が付いたようなものです。

 煩悩を見すえ、み仏として私たちへ感応を及ぼす聖なる霊験(レイゲン)の追体験を願って修行する場である寺院へでかけると、火が付いた状態とまったく異なるリズムを持った空気に接することができます。
 瞑想体験は、走る心を立ち止まらせ、胸の呼吸が腹の呼吸に切り替わり、自分を追い立てるものからいっとき、離れさせます。
 自己中心と闘う真摯な行者として生きている人の言葉には、慌ただしい日常で忘れがちな、なにがしかの真実を感じます。

 こうして、仏教に関するものと接することは癒しになります。

2 発見について

 私たちは、行き詰まり、解決法を見いだせず、もはや自分の周囲に救いのきっかけがない状態に陥ると、寺院へ人生相談にでかけます。
 そして、自分を第一とするのではなく、利益を第一とするのではなく、結果を第一とするのではない思考回路と判断法と意志を知り、目から鱗が落ちたりします。
 これは普段の心で見聞きする現象世界だけでない真実世界の存在に気づかせます。

 日常生活にあって、私たちは、何かへの執着という形で意志が動き、行動を始めます。
 いつも〈自分のため〉という心がはたらいていることに気づかず、熱心になりますが、お互いが〈自分のため〉に生きているので、結果はなかなか思いどおりにはなりません。
 こうして無明(ムミョウ)に振り回されている状態は、蜃気楼をめざして歩き、水に映った月を取ろうとし、振り回される火の付いた松明を火の輪と見て踊っているようなものです。
 無明(ムミョウ)を見すえ、現象世界として表れている迷いの世界に惑わされず、空(クウ)という真実世界を観てそこに生きるための教えに接し、なにがしかの体験をすると、世界がこれまでとは別ものに観えます。
 自分の目に自己中心という覆いがかかり、真実が観えていなかったことに驚きます。
 勝手に執着する勘違いぶりとその無意味さに呆れたりもします。

 こうして、仏法に接することは発見になります。

3 救いについて

 上記の癒しも、発見も、ほとんど一過性であり、多くの方々はこう言われます。
 Aさんいわく、「熱心に四国八十八か所廻りをしたり、法話の会へでかけたりしているのに、いつも夫とケンカばかりしています」。
 Bさんいわく、「般若心経を毎日、欠かさず読んでいるのに、我がままが治らず、いつも煩悩にやられたままです」。
 こうして自分を省みることそのものがすでに癒しと発見の効果です。
 でも、ここにとどまっていては残念です。
 ぜひ、何とか心をよりよい方向へ変えていただきたいものです。
 そのためには、身体をトレーニングするのと同じく、トレーニングが必要です。
 散歩やジョギングで体調を整えようとするなら正しく継続しなければなかなか効果が表れないのと同じく、心のトレーニングにも時間がかかります。
 
 AさんにもBさんにも申しあげたのは五力(ゴリキ)です。

1 信力……目標を定め、信じて歩みましょう。
2 精進力…継続しましょう。
3 念力……志を保ち続けましょう。
4 定力……目的達成のために心身を調えましょう。
5 慧力……み仏のお智慧を第一としましょう。

 これを呑めば万病に効くなどという薬がないのと同じく、これを信じれば絶対に救われるなどという万人に効く宗教などありません。
 理由は、人の心が千差万別だからです。
 仏神が無数におられるのもその証拠です。
 だから、まず、自分で何かをやってみましょう。
 そこで疑問などが生じたなら、信頼できそうな人を探して質問してみましょう。
 こうすれば、師を誤らないで済むことでしょう。
 オウム真理教事件などで明らかなように、特に幹部たちは知能指数が高くても人物を観る力に欠け、〈師を誤った〉のです。
 師を誤ったばかりに人生そのものをも誤り、死刑にまで至ったことは、選ぶ力の大切さを物語っています。
 そして、師を選ぶ心の目と慎重さがあれば、盲信や狂信に陥る危険性も少なくなります。
 受けた教えや、指導された実践法などについてよく咀嚼し、調べ、納得した上でことを行えば、心は尖らず、円満に人格が高まって行くことでしょう。

 そして、いつか、心が変化し、そこには必ず何らかの形で救いが待っているはずです。
 この経過を実際にたどった者として、老いた者として半歩先からこの稿を書きました。
 共に癒され、発見し、救われようではありませんか。

※五力については、ブログ内の「理想を実現する五力」へあれこれと書いています。




 

 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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