コラム

 公開日: 2013-01-25  最終更新日: 2014-06-04

お正月に唱える経典は何を説いているの?─目や耳などを清めましょう(その2)─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 お正月のご祈祷で皆さんと共にお唱えした今年の守本尊普賢菩薩(フゲンボサツ)様のお経は、私たちの目や耳などに悪しき心が関与して穢れたはたらきを行うようになった場合の清め方を示しています。
 普賢菩薩(フゲンボサツ)様は、悟りへ向かう手立てや道筋を説いて私たちを導いてくださいます。
 この六つの教えでよくわかるのは、眼・耳・鼻・舌・皮膚・意識の六つは、はたらいて穢れる場合がある一方で、清められれば悟りへの手段として役立つということです。
 たとえば、憎しみをはらんだ目つきは人の心を刺しますが、思いやりにあふれた目つきは、ものを言わなくても人の心に安心感を与えたりします。
 他人を罵倒する舌が、経典を唱え、教えを説く舌にもなります。
 何かを眼で見て心がどうはたらくか、あるいはいかなる心で何を見るか、すべては心次第なのです。

4 話す器官としての舌に穢れが生じた場合

 舌と、話すはたらきは、無意味な話や二枚舌など、悪しき結果を招く5種類の悪しき行為を行わせる。
 もし、自分の舌を正しく管理しようとするならば、慈悲の心を修め、仏法が説く生死を超越した悟りの境地へと向かい、身勝手な分け隔てを離れねばならない。

「舌根(ゼッコン)は五種の 悪口(アック)の不善業(フゼンゴウ)を起す
 若(モ)し自ら調順(チョウジュン)せんと欲せば 勤めて慈悲を修し
 法の真寂(シンジャク)の義を思うて 諸(モロモロ)の分別の想なかるべし」

5 考える器官としての心に穢れが生じた場合

 心と、考えるはたらきは、サルのように動き回り、いっときでも静止することはない。
 もし、心を仏法へ合致させるよう制御したいならば、仏道修行に励み、大乗(ダイジョウ)経典を唱え、お釈迦様が悟りを開かれた時のお身体と、力と、怖れるものなく法を説かれた様子を心に思い浮かべねばならない。

「心根(シンコン)は猿猴(エンコウ)の如くにして 暫(シバラ)くも停(トド)まる時あることなし
 若(モ)し折伏(シャクブク)せんと欲せば 当(マサ)に勤めて大乗(ダイジョウ)を誦し
 仏の大覚身(ダイカクシン) 力無畏(リキムイ)の所成(ショジョウ)を念じたてまつるべし」

6 統一する器官としての身体に穢れが生じた場合

 身体と、身体を統一するはたらきは、様々な器官の主であり、塵が風に吹かれて転がるように動き回り、煩悩(ボンノウ)を起こすきっかけとなる眼・耳・鼻・舌・皮膚・意識の命ずるまま、妨げられるものなく自在に動く。
 もし、そこに生ずる悪を滅して永久にさまざまな煩悩(ボンノウ)を離れ、いつも安らぎの境地にあって、安楽でこだわりを離れていたいと欲するならば、まさに大乗(ダイジョウ)経典を唱え、もろもろの菩薩(ボサツ)を生み出す母を思い浮かべねばならない。

「身(シン)は為(コ)れ機関の主 塵の風に随って転ずるが如し
 六賊(リクゾク)中に遊戯(ユウゲ)して 自在に障礙(ショウゲ)なし
 若(モ)し此の悪を滅して 永く諸(モロモロ)の塵労(ジンロウ)を離れ
 常に涅槃(ネハン)の城に処し 安楽にして心憺泊(タンパク)ならんと欲せば
 当(マサ)に大乗経(ダイジョウキョウ)を誦して 諸の(モロモロ)の菩薩(ボサツ)の母を念ずべし」

7 まとめ

 はかりしれないほどたくさんの、この上なく優れた悟りへ向かう手段は、真実のさまをありのままに観じることによって得られる。
 これら六つの教えを六情根(ロクジョウコン)という。
 ありとあらゆる悪しき業(ゴウ)がもたらした海のような障碍(ショウガイ)は、すべて、心が対象にとらわれて起こす誤った判断による。
 もし、それらを懺悔しようとするならば、姿勢を正してじっと座り、真実のさまを観じなければならない。
 そうすれば、これまでに犯した罪たちは霜や露のように儚いものとなり、太陽のようなみ仏の智慧の光は罪障を消し去る。
 だから、至心に六情根の教えに依り、眼・耳・鼻・舌・皮膚・意識がつくった罪科を懺悔せねばならない。

「無量の勝方便(ショウホウベン)は 実相(ジッソウ)を思うに従って得(ウ)
 此の如き等(ラ)の六法(ロッポウ)を 名(ナヅ)けて六情根(ロクジョウコン)とす
 一切の業障海(ゴッショウカイ)は 皆(ミナ)妄想(モウゾウ)より生ず
 若(モ)し懺悔(サンゲ)せんと欲せば 端坐(タンザ)して実相(ジッソウ)を思え
 衆罪(シュウザイ)は霜露(ソウロ)の如し 慧日(エニチ)能(ヨ)く消除す
 是(コ)の故に 至心に 六情根(ロクジョウコン)を懺悔(サンゲ)すべし」

 自分の煩悩と罪科を直視し、懺悔せねば、自他を苦界へ落とす罪科から逃れられません。
 懺悔に始まる清めの方法を実践し、決して影をつくらないとされるみ仏のお智慧の光で罪科を消し去りましょう。
 そして善い業(ゴウ)のみを積むよう、努力しましょう。
 今年は、この教えを心で念じ、、折々に普賢菩薩(フゲンボサツ)様の真言「おん さんまや さとばん」を口にしながら過ごしたいものです。



 

 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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