コラム

 公開日: 2013-01-25  最終更新日: 2014-06-04

『法楽塾』を始めます ─在家のまま行者としての基本を身につけたい方のための講座─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 2月3日(日)午後4時に第一回『法楽塾』を開催します。
 参加を望まれる方は必ず前日午後5時までにハガキや電話やメールなどでお申し込みください。

 不安を払拭したい、心の芯をつくりたい、生き方を変えたい、僧侶をめざしたい、こんな方々からのご相談が増えています。
 しかし、当山は、現在の法務を遂行するだけで分を刻むような戦いの毎日なので、いわゆるお弟子さんをご指導申しあげる体勢はとれません。
 そこで決心しました。
「エッセンスをお伝えしておこう」
 名札のような資格はお渡しできなくとも、仏法と密教の根本をかいま見て体験し、心に金剛の勁さと蓮華の微笑みを育てる種はお渡しできるかも知れません。

 1月23日に行った『第二回瞑想会』で、ご質問がありました。
「桜宮高校の男子生徒が部活の顧問から体罰を受け、自殺した事件がありました。
 学校は顧問に任せきりだったようです。
 何につけ、カウンセラーやコンサルタントが大流行です。
 こうした指導者任せの風潮はいかがなものでしょうか?」
 お応えしました。
「それぞれの分野で専門的な知識を磨き、その力によって役立とうとするカウンセラーやコンサルタントの皆さんは、きっと、多くがまっとうな方々でしょう。
 問題の第一は、頼る側にあります。
 児童や生徒に目をかけ、手をかけ、育てながら自分も成長する先生方が、苦労して指導法を工夫するよりもプロへ任せるといった形で安易に心理カウンセラーへ頼るとしたなら、教育の根本にかかわります。
 保護者もまた、担任の先生を信頼して共に問題解決をめざすよりも、より専門的な知識があって有効な手段を持っていると思われるカウンセラーへ安易に頼るとしたなら、やはり変です。
 先生方はよく、教育の現場には生徒たちと密着しつつ育てる時間的余裕がないと言われます。
 もちろん、そうした状況を先生方お一人お一人の責任にするわけにはゆきません。
 しかし、親が我が子を育てる上で最も大切なのは愛情を持って接する時間を大切にすることであり、それは人間だけでなく、およそ知覚を持ったあらゆる生きものたちが〈子育て〉として実践している姿です。
 特に、幼児期におけるスキンシップのありようが心の成長へ大きな影響を与えるという事実は、疑うべくもありません。
 それにもかかわらず、子供がそれを最も必要としている時期に、親がスキンシップ以外のことを優先してしまう生活形態には問題があります。
 こうした状況もまた、必ずしも保護者お一人お一人の責任としてしまうわけにはゆきません。
 学校にも、家庭にも、私たち現代人の心のあり方と社会のシステムに隠された問題が影を落としています。
 一言にくくれば、『保護され育てられねばならない子供にとって最も必要不可欠なものが家庭でも学校でも脇へ置かれているのではないか、別なものが優先されていはしないか』となりましょうか。

 脱線しましたが、もう一つ、〈お任せ〉の風潮が、いわゆるお告げ的なものを流行らせているという問題もあります。
 自分が神であるかのごとくにふるまい、困った方へこうしなさいと告げて、そうさせるスタイルが散見され、惑わされた末に当山へたどりつく方がおられます。
 いわゆるマインドコントロールの状態は、する方も、される方も不幸です。
 なぜなら、人間が人間を支配するなどといういことは本来、あってはならず、誰一人、そうした資格を持った人などいないからです。
 生きとし生けるものが平等なのに、同じ人間同士でありながら、一方が一方を道具のように扱うという発想そのものが真実に背いています。
 こうした観点からすれば、専制的な国家も会社も家庭も、お金が唯一の尺度となって人間が使い捨てにされる弱肉強食の社会も、まだまだ発展途上にあることを痛感します。
 日本では貧困家庭が貧困者を生むという負の連鎖が三代に及びつつあり、身震いしてしまいます。
 お釈迦様が、「人の価値は生まれによって決まらず、生きざまによって決まる」と説かれてから、たかだか2500年しか経っていません。
 弥勒菩薩(ミロクボサツ)様が救い漏れをなくしてくださるまでは、まだ50億年以上もあることを考えればやむを得ないのかも知れませんが、今の人間と社会のありようが放置すべきでない残念な状態であることは明らかな事実です。
 ともあれ、神のように他人様をコントロールしようとする傲慢さを離れましょう。
 また、神のように当てになる相手を探す勘違いもやめましょう。
 自分以外に誰も呼吸をしてくれず、自分以外に誰も自分の身体へ養分を採り入れられず、自分以外に誰も排泄をしてはくれません。
 目もないアメーバですら、食べものとそうでないものは自分で識別して、自分で生き延びるのです。
 同様に、自分の心も又、自分でどうにかする以外、生きようはありません。
 お告げを行う人が自分の言葉に責任をとれないのは当然であり、言われて何を行おうと行った自分が責任をとらねばならないという事実に早く目覚めましょう。

 たやすく他へ便利な〈方法〉を求めず、ものごとの優先順位を正しながら現場での工夫に努力し、ご託宣を求めず人格者に学び、汗を流してつかんだものを信じながら進みましょう」

 こうしたわけで、『法楽塾』は心の万能薬をさしあげるところではなく、通ったからといって超能力がつくわけでもありません。
 そもそも仏法は、哲学として空(クウ)を学び、倫理として慈悲心を育てるものであり、万人が道理によって理解し得る〈あたりまえ〉に気づく導きの道です。
 この計画は、一介の行者として老境に入っている私が自分の足元をふり返り確認する作業を共にしたい奇特な方があればどうぞといったところでしょうか。
 共に考え、実践するうちに、何か一つでもご自身の血肉となるものを見つけていただければ、あるいは冒頭で述べた〈種〉を発見していただければ、これに勝る喜びはありません。
 ご縁の方々と私とは、〈み仏の子〉として法友なのですから。

○日  時 毎月第一日曜日午後4時より5時30分まで
○参加申込 会場と資料の関係上、必ず前日午後5時までにお申し込みください
○ご志納金 3000円(『法楽の会』で会費を納入されている方は差額だけで結構あるいは不要です 隠形流居合の行者も同様です)
○送  迎 午後3時30分に「イズミティ21」前から送迎車が出ます(乗車を希望される場合は必ず前日午後5時までにお申し込み下さい)


 

 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

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