コラム

 公開日: 2013-01-30  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい先人の導き(その44) ─好き嫌いの克服─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。





 
  
この欄では、昭和6年に発行された小冊子を基にして子供たちの導き方を考えています。

45 「も」 目的を見つめよ

「立志(リッシ)とは目的を定めることだ。
 定めたら常に見つめて進め。
 断じて見失うな忘れるな。
 全甲の望も目的だ。
 幅飛三メートルの願も目的だ。」

 目的を持たないと、自分を律することがなかなかできません。
 何に対しても、「苦」か「楽」か「どちらでもない」といった感覚的受け止め方をするだけで、「嫌だ」「もっと」「関係ない」のいずれかに分けて終わりがちです。
 だらけていて、親や先生にしっかりやれと言われたことをすぐ「苦」と感じ、「嫌だ」と反応し、反発したり、逃げたりします。
 遊んでいて、親や先生に小言を言われないと、「楽」を手放したくないばかりに、勉強を放り出したままでいつまでも遊んでばかりいたりします。
 ボランティア活動などの話を聞いても、別に面白くなさそうだし、そうかといって文句を言う気にもならず、右の耳から左の耳へと聞き流して終わりになります。

 こうして快・不快、好き・嫌い、などの反応しかできなければ、人間が人間たるところの忍耐、感謝、奉仕などの心が育まれません。
 やがて「嫌だ」は破壊的怒りとなり、「もっと」は奪ったり騙したりする行為となり、「関係ない」はゴミのポイ捨てやコンビニのゴミ箱への持ち込みなど恥知らずな行動をもたらしては大変です。
 人格が磨かれないと他人から信頼を得られず、何をやってもうまく行かない人生になり、さらに煩悩に流される悪循環になりかねません。

 ところが、目的を定め、志を立てると、自動的に好き嫌いで止まる煩悩(ボンノウ)へ対抗する生き方になります。
 勉強が難しくて「苦」と感じても、「嫌だ」で終わりにはできません。
 やらなければ次へ進めず、目的を達することができないからです。。
 遊んでいて「楽」と感じても、「もっと」と時間を忘れるわけにはゆきません。
 遊んでばかりいては、目的を達することはできないからです。
 ボランティア活動の話を聞けば、自分と同じく目的を定め志を持って行動している人々がいると知って心を動かされ、手伝いができてもできなくても、よき発憤材料になります。
 いつしか、自分を律し、自分を高めているのです。

 目的とは、目を向けて離さない的(マト)です。
 的を持てば、そこへ近づくための標(シルシ)である具体的な目標が定まります。
 目標を一つづつ達成しているうちに、どんどん目的の達成へと近づきます。
 いきなり全科目満点にはならなくても、まず、得意科目で満点をとるといった成功体験、達成体験が重なれば、この上ない全科目満点への意欲を保つことができます。
 それは、「苦」か「楽」か「どちらでもない」といった感覚的受け止め方を超え、忍耐や感謝や奉仕によって他人と信頼関係を築きながら生き生きと生きられる大人への道です。
 いかに目的と目標を自分で定めるところへ導くか、よく指導したいものです。

 ただし、「人生の目的」となると、そう簡単ではありません。
 故杉山平一の『生』です。

「ものをとりに部屋へ入って
 何をとりにきたか忘れて
 もどることがある
 もどる途中でハタと
 思い出すことがああるが
 そのときはすばらしい

 身体がさきにこの世へ出てきてしまったのである
 その用事は何であったか
 いつの日か思い当たるときのある人は
 幸福である

 思い出せぬまヽ
 僕はすごすごあの世へもどる」

 平明ですが、味わい深く、凄みもあります。
 



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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