コラム

 公開日: 2013-02-12  最終更新日: 2014-06-04

寺子屋『法楽館』・『法楽農園』とビオトープ

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。










 2月9日、『四十二章経』のお話の後、揃って『法楽農園』の用地へ足を運び、赤間農業開発(株)社長赤間良一氏(黒川郡大和町在住)に現地と周囲の状況について説明を受けました。
 堤防の外を流れる宮床川は通称「悪たれ川」とも呼ばれ、大雨が降ると水かさが増して堤防の上限近くまで来ることもたびたびあると聞き、東日本大震災での津波はどれほどだったろうかと改めて想像させられました。
 幸いにして風がなかったので、予定通り雪を踏んで堤防沿いに全体と周囲を眺め、帰山しました。

 若い頃の赤間良一氏は米を作る一方、トラックの長距離運転手となり、40時間も不眠ではたらいたりしながら両立をはかってきました。
 米を作るだけでは食べられないからです。
 しかし、黒川郡大和町の認定農業者という制度を知り、その条件である年収500万円以上を目ざすには専業にならねばならないと決心しました。
 しかし、「田んぼを貸してください」と申し込んだのでは、田んぼへの思い入れが深い皆さんからなかなか同意を得られません。
 お手伝いをさせていただくという姿勢で励んだところ、受託農地は一気に増え、現在は約10万坪を引き受けているそうです。
 その過程で、氏はトラック輸送の途中で立ち寄った関西地方のドライブインなどへ米のサンプルを置き始め、今は直売で30キロ入り1200袋ほど出荷しています。
 震災後、ご長男が専業となり、進む大規模化を支えています。

 さて、田んぼのお話です。

 田んぼは生きものなので、必ず毎日見回り、それだけで約半日かかります。
 特に水の状態には気を配ります。
 野ねずみの穴から水が漏れだし、一晩で干上がる場合もあるというから大変です。
 本当は朝に水を抜き夕方に水を張るのが水稲の理想だけれど、誰もそこまでは手が回りません。
 
 毎年、宮城県の担当者が二人して近くのため池にやってきて、ヨシをかきわけながらゲンゴロウなどを探します。
 殺虫剤のために、虫たちがどんどんいなくなっている状況を研究するためです。
 しかし、農家にとってはカメムシは大敵であり、慎重な対策は欠かせません。
 カメムシは年に5回産卵し、300メートルも飛び、越冬します。
 何より必要なのは、綿密に草刈りを行って生息する環境にしないことです。
 氏はこの点でもがんばりながら、殺虫剤を使わず、減農薬でおいしい米を作っています。
 法楽農園に田んぼができたならこの方法をとり、ヤゴでもタニシでも連れてきて放せば育ちます。
 元気に泳ぎ回る生きものたちの姿を、子供たちやお年寄りに見ていただくことも大きな願いです。

 陸稲は雑草との戦いになり、強い農薬を使わないでやるのなら比較的強いもち米がよいとのことです。
 何年も作付けをしていないこの状態で果樹を植えるならブルーベリーとクリがピッタリです。
 一本づつ古タイヤの真ん中に植えてゆけば、草刈りで切られてしまわずに済みます。
 田んぼだったところは、そのままで畑にはなりません。
 土質を変える必要があります。

 こんなお話をお聴きしてから、ビオトープについてのイメージをお話し、参加された皆さんも交えてのやりとりを行いました。
 仙台市在住のAさん。
「都会に住む人びとにとってお気に入りの畑で過ごす時間は貴重であり、そうしたスペースも設けてはどうでしょうか?
 仙台市中心部から車で30分やそこらなので、すぐそばを川が流れ、蛍も観られる現地は広く足を運んでいただけるのではないでしょうか」
 お応えしました。
「貸し農園はあちこちにあり、ここはあくまでもビオトープにしたいので、全体計画の中にそうしたスペースを設けられるかどうか、検討してみます」
 仙台市在住のBさん。
「これだけの面積を図面に応じて手がけて行くには膨大な時間と経費がかかり、維持管理も大変だろうから、護持会の方々のご意見も聞きながら、綿密な計画を立てる必要があるのではないでしょうか」
 赤間良一氏から田植えと稲刈り以外の部分についてプロの手を借りた場合の経費などについてご説明を受け、お応えしました。
「経費については皆さんにご負担をいただかず、田んぼの部分は維持管理をプロの方へお願いし、田植えや稲刈りを皆で楽しむといった方向で検討しています。
 ビオトープは、造る過程を広く公開して関心のある方々にお手伝いいただき、共に造り共に楽しむといった方向を目ざしたいと考えています。
 せっかく造った後の管理がうまくゆかず、放置されたままになってしまっている例もあり、とりかかる前に計画をしっかり立てることはとても大切であると思います」
 塩釜市在住のCさん。
「私たちは数人集まって田んぼを作り、土壌改良した土地で畑もやっています。
 最初はぬかるみとの戦いが大変でした。
 田んぼについては何と言っても日常的な水管理が大変です。
 私も赤間先生と同じく見回りは欠かしません。
 それに、種からやるのか、それとも田植えと稲刈りだけを楽しむのか、こういったあたりはしっかり決めてかからないと、続かないと思います。
 なお、私たちはEM菌も研究・活用していますが、検討に値すると思います」
 赤間良一氏。
「もみ殻を活用すれば、土壌がよくなり、ぬからなくなります。
 研究してみてください」

 赤間良一氏のお話は、現場の方らしい説得力と信念に満ちていました。
 また、皆さんから当山の理想についてのお励ましやご意見をたくさんいただき、力づけられました。
 本格的な春を待ちながら、準備を進めて行きます。
 「乞う!ご期待!」といったところです。
 


 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

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遠藤龍地

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