コラム

 公開日: 2013-03-02  最終更新日: 2014-06-04

子や孫のためにふり返っておきたい先人の導き(その50) ─自然の姿を観てよき心をつくる─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。



瀑布

〈「ゆんフリー」さんからお借りして加工した瀑布〉

 この欄では、『実語教・童子教』と共に、昭和6年に発行された小冊子も基にして子供たちの導き方を考えています。
 冊子の最後に「僕の好きな金言(キンゲン)」が書き込まれ、さらにその後には「斯くありたい人心」が書かれていました。
 自分で考えたのか、それとも学校で習ったのかはわかりません。

「明るくありたい………太陽
 清浄でありたい………清水
 堅固でありたい………巌石
 勇壮でありたい………瀑布
 活動的でありたい……活火山」

 子供は、自然に対して持った生き生きとしたイメージへ自分の心を重ねて行こうとしています。
 堅固なものとして、単に「大地」と考えるのではなく、具体的に手を触れて固いと感じる「巌石」を挙げているあたりに、この小冊子を大事にしていたお子さんの感性が偲ばれます。
 時は昭和6年、「瀑布」や「活火山」には、日本が西欧列強に伍して行こうとする時代の空気も感じられます。
 この年には三菱石油(現・JX日鉱日石エネルギー)が設立され、羽田飛行場(後の東京国際空港)も開港される一方で、満州事変が勃発しており、少年の前途には激動が待っていました。
 
 少年はやがて大人になり、一族を率い、戦争をくぐりぬけて繁栄の基礎を固めました。
 豪壮な家も造って遺しましたが、残念ながら今回の大地震で半壊し、ご当主は家の再建を決断されました。
 巨大な仏壇もお焚きあげにせざるを得ない状態となり、その奧深くしまわれていたこの冊子が発行後80年以上の時を経て再読されることとなりました。
 読んできたとおり、いろは文字に託して説かれた教えは、いずれも、現代に通用する普遍性を持っています。

 昭和6年には立身出世が子供たちの目標でしたが、現代では、まず、まっとうに生きられる人間になることが目標と言えましょう。
 世界中で悪についての感覚が薄れているように思えるからです。
 たとえば、他人や他社あるいは他国の情報を盗んだり破戒したりする悪行がネット操作の技術を高める目的の一つとなっています。
 また、韓国の裁判所は、韓国人の泥棒が日本で盗み持ち帰った仏像について、韓国内に「そもそもウチのものだった」と主張する寺があるから、盗難に遭った日本の寺がかつて入手した経路を自ら証明しなければ返さないという驚くべき判決を下しました。
 もしも、こうして盗人が英雄視されるならば、韓国の子供たちのモラルはどうなりましょうか。
 そして、ばかげたことに、日本の寺々は、韓国人を見つけたなら「泥棒ではないか」「強盗ではないか」と警戒せねばならなくなるのです。
 
 一方では、2月25日、アメリカのサンフランシスコの連邦高裁が、反捕鯨団体「シー・シェパード」による日本の調査捕鯨に対する妨害行為を国際法が禁じる「海賊行為」であると認定しました。
 当然のことながら、主義主張によって、器物破損や強迫や強盗や詐欺が正当化されはしません。
 身勝手な正義をふりかざせば、盗む、壊す、騙す、殺すといった悪が悪でなくなるわけではないのです。

 まず、一人一人がまっとうに生きていなければ、まっとうな社会は永遠にやってきません。
 子供たちへはまず基本的な善悪や、努力の大切さについて教え、よき心をもつ大人になって欲しいと願ってやみません。

 次回から『実語教・童子教』に戻ります。



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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