コラム

 公開日: 2013-03-09  最終更新日: 2014-06-04

災いはどこからやってくるか、どう処置すればよいのか? ─災い転じて福となす話(その1)─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈藁科昇氏(塩釜市在住)が撮った被災地〉

 隠形流(オンギョウリュウ)居合に金剛剣があり、この剣を習熟し観想が行えるようになると人生のイメージが変わります。
 まず、意識を八方天地へ廻らしながら、観想します。

「金剛剣の加持力(カジリキ)を以て、煩悩(ボンノウ)不浄を断浄(ダンジョウ)して転禍為福(テンガイフク)を顕現(ケンゲン)す」

(金剛剣を修すると、み仏のご加護の不思議な力が降りる。
 自分を実体視して我を張り、空を知らず執着する煩悩は断たれる。
 愚かさがもたらす悪行による悪業は浄められる。
 その結果、災禍は福徳を得るきっかけとなる)

 この転禍為福すなわち、「禍(ワザワイ)を転じて福と為す」ところに〈生きる智慧〉が現れます。

 災いはどこからやってくるかと言えば、遙かな前世から積もった自分の悪業(アクゴウ)と、社会的悪業(アクゴウ)によります。
 社会的悪業は共にすつるので共業(グウゴウ)と呼びます。
 個人的悪業は自分一人でつくるので不共業(フグウゴウ)と呼びます。
 たとえば、喫煙の習慣で肺ガンになれば、不共業によって災禍がもたらされたことになります。
 もしも中国からの風に乗って大気汚染物質「PM2、5」がやってきて喘息の発作が起きれば、他国の共業によって災禍がもたらされたことになります。

 また、災いは衆生世間(シュジョウセケン)からもやってきますが、器世間(キセケン)からもやってきます。
 衆生世間とは、人間やネコやウグイスなど、いのちあるものの世界です。
 器世間とは、自然や薬や酒など、モノの世界です。
 たとえば、アフリカでは戦争や飢餓を避けようとして道に迷い、猛獣に喰い殺されるなどの悲劇は絶えないそうですが、獣に殺されれば衆生世間による災禍です。
 もしも地震や津波によって被害を受ければ、器世間による災禍です。

 また、災いは自分の心も原因になりますが、他の心もまた、原因になります。
 たとえば、怒りっぽくて上司へ不用意な言葉を投げつけたばかりに会社に居づらくなれば、自分の心が災禍を招いたのです。
 もしも高級車のタイヤが誰かにパンクさせられたならば、他人の嫉妬心が災禍をもたらしたのです。

 古人は「禍福はあざなえる縄のごとし」と言いました。
 人生には、災禍も幸福も、より合わせた糸のようにからまりもつれ合い予想もしなかったような形でこもごもやってきます。
 誰一人として、幸福だけで生きられはしません。
 その理由と形は上記のとおりです。

 私たちにできることは、いかに災禍が及ばないよう努力し、やってきた災禍の悪しき影響力に負けないか、そして、いかに幸福を保つか、この二つしかありません。
 それには、個人的悪業をつくらず、社会的悪業へは積極的に挑戦すること。
 生きとし生けるものを尊び、人間がつくり出したものへの検証を忘れず、自然への畏怖を忘れないこと。
 自分の心を清浄にし、他へ穢れた心を起こさせないよう気を配ること。
 この三つしかありません。
 いずれも、出発点は自分の心です。
 だから、隠形流居合の行者たちは、こうしたことを学びつつ、稽古によって自分の心の浄化をはかり、自他の災禍、災厄へ挑んでいます。
 思いやりをもって我(ガ)を張らず、学び考えて空(クウ)を知ること。
 これが転禍為福の土台です。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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