コラム

 公開日: 2013-03-27  最終更新日: 2014-06-04

霊障は修行のチャンス

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。







 霊障(レイショウ)とは霊による障りであり、異界からの嬉しくないアプローチです。
 誰しもがこの世で苦から離れ楽を得たいと願っているのに、実際は我(ガ)を張って互いに傷つけ合い、真の意味での成就は難しいものです。
 成就できなかった思いを抱えながら異界へ逝った霊が、業(ゴウ)による影響力を何らかの理由でこの世の誰かへ及ぼしてくるのが霊障です。
 異界のものには悲しみや憎しみや怨みや怒りや執着などがあり、障られる側には不快感や恐怖感や脱力感などが生じます。
 こうした時は、この世で苦しんだり、悲しんだり、淋しがったりしている人へ手を差し伸べるのと同じく、思いやりをかけることが必要です。
 誰かのためにならずにはいられないという菩提心(ボダイシン)を実践しましょう。

 ただし、気をつけねばならないのは、感情に流されて相手に同化してはならないという点です。
 たとえば、溺れた人にすがりつかれた時、もしも抱き合ったならば一緒に溺れてしまう他なく、相手のためになれず、自分の役割も早く終えてしまうことになります。
 相手を生かすためには、冷静に相手の呼吸を確保し、岸へ向かう自分の推進力を必ず確保せねばなりません。
 つまり、菩提心の実践には、見捨てておけないという慈悲心だけでなく、手立てとしての方便(ホウベン)を判断し実行する智慧と、積み上げた福徳の力が欠かせないのです。

 さて、菩提心の実践はどう行えばよいか?
 それが六波羅蜜(ロッパラミツ)行です。

 まず、水を供えて布施の心を誓い、真言を唱えましょう。
「我、水のごとく、素直に、他を潤し、心の汚れを洗い流さん」
「おん ばぎゃばてい だのう じはてい びしゃりじゃ ほらや だなん そわか」
 誰かのために何かをしたいという尊い気持を確認してから、相手の苦を除いてあげたいと願うのです。
 本心から役立ち立ちと思えなければ、力は出ません。

 次に、塗香(ヅコウ…手に塗るお香)を塗って持戒の心を誓い、真言を唱えましょう。
「我、塗香のごとく、自他を清め、浄戒そのものになり果てん」
「おん しら だりじ ばぎゃばてい うん きゃく」
 人としての戒めに背かない決心をしてから、相手の苦を除いてあげたいと願うのです。
 悪しき心があれば、相手の怨みなどに同調してしまいかねません。

 次に、花を供えて忍辱(ニンニク…み仏の忍耐)の心を誓い、真言を唱えましょう。
「我、雨風に負けず咲く花のごとく、堪え忍び、心の花を咲かせん」
「おん ばぎゃばてい きしゃんてい だりじ うん はった」
 どんな状況にも耐えて救うと心を定めてから、相手の苦を除いてあげたいと願うのです。
 おっかなびっくりの及び腰では、障りの解消などおぼつきません。

 次に、お線香を点して精進の心を誓い、真言を唱えましょう。
「我、線香のごとく、たゆまず、怠らず、最後までやりぬかん」
「おん びりやきゃり うん びりえい びりえい そわか」
 決して諦めないと自分に言い聞かせ、相手へもその思いを伝えてから、手の苦を除いてあげたいと願うのです。
 精進によって福徳が積み上げられ、清めとなり、力ともなります。

 次に、食べものを捧げて禅定(ゼンジョウ…心身のおさまり)の心を誓い、真言を唱えましょう。
「我、己を捨てて食べ物となる生きものに感謝し、心身を整えん」
「おん ばぎゃばてい さらば ばんぱかりに まかなちえい うん うん うん はった」
 感謝によって恩を意識し、恩返しを意識してから、手の苦を除いてあげたいと願うのです。
 恩を深く思えば、生きとし生けるものも、異界のものもすべて、過去世のどこかで自分の親だったはずであり、恩返しをしないではいられません。

 次に、灯明を点けて智慧の心を誓い、真言を唱えましょう。
「我、灯明のごとき智慧の明かりで道を照らし、まっすぐに歩まん」
「おん ちしり しゅろた びじゃえい そわか」
 み仏の智慧をよりどころとしてなすべきことをなすつもりで、手の苦を除いてあげたいと願うのです。
 怨みや憎しみなどの苦はすべて迷いの産物であり、迷いは空(クウ)の真実を観ないかんちがいから発していることを心に刻み、合掌すれば、感応によって相手のかんちがいも薄れて行くことでしょう。

 お水などは、まず、きちんと並べておき、数珠を手にして観想し真言を唱え(1・3・7・21・108返のいずれか)、願いをかけましょう。
 もしも、モノが揃わない時は、合掌と観想と真言だけ、あるいは合掌と観想だけでも大丈夫です。
 障ってくるのは、決して害するのが目的ではありません。
 解消しきれぬ辛い業(ゴウ)がそうさせているのです。
 いたずらに怖れず、「あっちへ行け」といった無情な対応でなく、むしろ「修行の機会を与えてくれてありがとう」という気持で、この菩薩となる六波羅蜜行を実践してください。
 それでも問題が残る場合は、どうぞ、日時をお約束の上、ご供養をお申し込みください。
 皆さんの修行が成就し、この世も異界もみ仏の光明に包まれますよう。





 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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