コラム

 公開日: 2013-03-30  最終更新日: 2014-06-04

中高年の再教育が提唱されました ─立ち止まって考えねばならないのは若者だけではない─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。







 教育と言えば子供や若者の問題であると思いがちですが、「密教21フォーラム」の事務局長長澤弘隆師は、「中高年の再教育」を提唱しておられます。
 3月31日発行の『密教メッセージ』巻頭諸言「東シナ海、波高し ─儒教はどこへいった─より転載します。

「安倍内閣が教育再生会議を立ち上げ、いじめや体罰の問題に向き合う姿勢を示したことはけっこうなことだが、同時にやるべきことは、戦後のアメリカンデモクラシーをはきちがえ、仁・義・礼・智・信を前近代として遠ざけてきた今の中高年の再教育ではないか。」

 私たちは、いじめが起こっている子供たちの世界からいじめをなくすために、子供たちの心を変えねばならないと考えがちです。
 それは、心という川の源はそれぞれの心にある泉であり、個々の泉を清めてそれぞれの川の水が清められれば、川全体が美しくなるという発想です。
 しかし、師は、子供だけでなく、その親や祖父母の心も同時に変えねばならないと説かれました。
 子供たちの心という大河の源には、親や祖父母の心という泉があり、ここが汚れたままでは、流れている水をいかに掃除しようと追いつかないのです。

 67才の私は、自分の世代が抱えた問題点を反面教師として後の世代に学んでもらいたいと願ってきました。
 いくらかは自分を知る年令になったので、いつも忸怩(ジクジ…わだかまり消えないこと)たる思いがあり、「今の若い者は」という常套句を簡単に使う勇気はありません。
 問題そのものを、自分の責任としてあの世へ持っていってしまえばよいという感覚でした。
 もちろん、家庭における教育としては、親や祖父母のまっとうな生きざまを見せる以上の方法がないので、自らを戒める気持はありますが、〈先に死にゆく者が、自らを変えてから死ぬ〉との強い発想はありませんでした。
 しかし、ことここに至り、川の水を濁らせる泉としての自分そのものを放置してはならないとはっきり認識させていただきました。

「武力で国家間の紛争を解決する国でない日本は、畢竟国家社会から一目置かれる国であるほか、他国からの挑発や攻撃に対抗する方法はない。
 それには儒教道徳の仁・義・礼・智・信を国民レベルの最低線として学び、生活や仕事の場で実践する一人一人がいなければならない。」

 ここにおける「一人一人」は、これからの日本を担う若い人々だけではありません。
 今を生きている老若男女はすべて等しく日本を形成している一員です。
 流行っている「今でしょ!」(これはお釈迦様がくり返し説かれていた言葉です)ではありませんが、私は今日から、まず、自分の再教育を始めます。
 そして、長澤弘隆師の教えを同年代の方々へもお伝えし、〈年寄りは社会的影響力が薄いから、のんびり趣味を愉しもう〉などという姿勢ではなく、若い世代が日本を担っているのと同じく、〈年寄りの生きざまもまた、日本のありように大きくかかわっている〉と自覚していただきたいと願っています。

 お大師様は「五徳」を説かれました。

1 仁…哀れんで殺さない
「愍傷(ミンショウ)して殺さざるは仁」

2 義…相手を害なうのを防いで男女の道を乱すことをしない
「害を防ぎて媱(ヨウ)せざるは仁」

3 礼…ことさらに心に酒を禁ずる
「ことさらに心に酒を金ずるは礼」

4 智…清らかに思察して盗みをしない
「清察)セイサツ)して盗せざるは智」

5 信…道理にのっとった言葉でなければ語らない
「法にあらざれば言わざるは信」

 また、お大師様は「五常」を説かれました。

1 仁…博愛の徳がある
「人に博愛の徳あるは仁」

2 義…厳しく禁じる徳がある
「厳断(ゲンダン)の徳あるは義」

3 礼…他を敬って人に譲ることを明らかにわきまえる徳がある
「明らかに尊卑敬譲(ソンピケイジョウ)を弁ずるの徳あるは礼」

4 信…言葉に嘘のない徳がある
「言(ゲン)虚妄(コモウ)ならざるの徳あるは信」

5 智…ものごとを明らかにする徳がある
「照了(ショウリョウ)の徳あるは智」

 そして、お大師様の説くところによれば、これらは、仏法を学ぶ以前に必要な〈人間としての基礎〉なのです。
 中高年の方々。
 共に戒め、共に実践しようではありませんか。
 子供たちと日本の未来のために。




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

この記事を書いたプロ

大師山 法楽寺 [ホームページ]

遠藤龍地

宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL:022-346-2106

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
Q&A
セミナー・イベント
お客様の声

○Aさん(中年女性)の場合 心身の不調を縁としてご加持を受け、自分の願いが通じると実感されました。 そして祈り方を覚え、商売や家庭にさまざまな問題を抱えなが...

 
このプロの紹介記事
遠藤龍地 えんどうりゅうち

人々が集い、拠り所となる本来の“寺”をめざして(1/3)

 七つ森を望む大和町の静かな山里に「大師山 法楽寺」はあります。2009年8月に建立されたばかりという真新しい本堂には、線香と新しい畳のいい香りが漂います。穏やかな笑顔で出迎えてくれた住職の遠藤龍地さんにはある願いがありました。それは「今の...

遠藤龍地プロに相談してみよう!

河北新報社 マイベストプロ

宗教宗派を問わず人生相談、ご祈祷、ご葬儀、ご供養、埋骨が可能

所属 : 大師山 法楽寺
住所 : 宮城県黒川郡大和町宮床字兎野1-11-1 [地図]
TEL : 022-346-2106

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

022-346-2106

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

遠藤龍地(えんどうりゅうち)

大師山 法楽寺

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
村上春樹氏の「影と生きる」に想う ─影が反逆し始めた世界─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 世間は万華鏡 ]

自衛隊員の本音 ─出征する覚悟、辞める無念─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 不戦堂建立への道 ]

12月の守本尊様は千手観音菩薩です ─救われる時─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 今月の守本尊様・真言・聖語 ]

Q&A(その32)自業自得なら廻向で救われない? ─因果応報と空の話─
イメージ

 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故...

[ 仏教・密教 ]

一年と一周忌供養 ─あの世でもこの世でも救われる話─
イメージ

 おはようございます。 皆さん、今日もお会いできましたね。 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被...

[ 葬儀・供養の安心 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ