コラム

 公開日: 2013-04-12  最終更新日: 2014-06-04

公開Q&A(その3)高額なお布施の請求が辛いのですが……

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






 公開セミナーでの質疑応答です。
 プライバシーを守りながら、補足し、要点を書きとめておきます。

質問2 私はご先祖様代々、あるお寺のお世話になってきました。
 亡き父も役員を務めていました。
 子供の頃から体調のすぐれない私の代になってからは、一檀家として、何とか皆さんと横並びでおつき合いをしてきましたが、最近、一軒あたり50万円という途方もないお布施をしなければならなくなりました。
 とても無理なので奥さんへ家の事情を話したところ、急にお寺の対応が変わり、とても困った状態です。
 お墓を返して別な墓地の共同墓へ入ろうとして、以前、お寺を離れた方に相談してみたら、離檀料(リダンリョウ)として法外な金額を要求されたと聞きました。
 二進(ニッチ)も三進(サッチ)もゆかないで困っています。

回答2 お寺の存続を望むなら、檀家さんが力を合わせて住職と話しあい、お寺の姿勢を変えさせましょう。
 さもなければ、数十年も待たないうちに、お寺はなくなることでしょう。
 苦しめる宗教は、あってはならないのがものの道理だからです。

 こうした問題は、私が托鉢を始めた時から耳にタコがよるほど聞かされてきました。
 困った状態になる原因は、ほとんどの場合、住職と檀家さんの双方にあります。
 
 住職の側としては、何と言っても、お布施は請求するものではなく、あくまでも、ご本尊様へ対して自主的に納められることによって清浄な布施行になるという基本を忘れていることです。
 そうかと言って、「宗教施設として必要なモノは必要であり、かかるお金はかかる」というのも事実です。
 どうすればよいか?
 住職は、理想の旗を掲げ、後は、祈りつつ皆さんのお心へそれが浸透して成就する時を待つしか方法はありません。
 たとえば、本堂の雨漏りがして修理が必要であるという事態になれば、お寺が信頼を得ている限り、檀信徒の方々が放っておくはずはありません。
 もし、役員会などで、何とかしようということになった場合には、お金を出せない境遇にある方々が辛い思いや肩身の狭い思いをしなくて済むことを第一として智慧を絞れば何とかなることでしょう。
 檀家さん側の問題としては、ここを忘れやすいことが挙げられます。

 円満に成就するために、決して欠かせない条件が三つあります。

 一つは、住職がこうした思いやりを忘れて早くやろうと無理に走らないこと。
 もしも走るなら、精神的にも時間的にも体力的にも、もちろん金銭的にも自分の血を流しながら、独走するしかありません。
 自分が楽をしながら一気にうまくやろうとすれば、その分の負担は必ずどこか、即ち檀信徒さんへかかって行くことになります。
 これでは菩薩(ボサツ)の利他行(リタギョウ)に反します。

 もう一つは、役員の方々もまた、自分たちの境遇と異なる状態の法友(ホウユウ)を思いやった上で計画を立てること。
 辛い境遇にあられる方々を決して見捨ててはなりません。
 努々(ユメユメ)、他の寺院と比べて見栄を張ろうとしてはなりません。
 
 そしてもう一つは、あまりにも当然ながら、理想の旗が妥当で、かつ、一切の思惑を離れた清浄なものであり、旗のもとに集う方々に一切の条件をつけないこと。
 なぜなら、ご本尊様であるみ仏は、救う相手を選ぶはずがなく、清浄な布施行を行う善男善女は、布施を実践することで救われるからです。

 こうした条件が整えば、檀家の方々へ無理矢理ローンなどを組ませなくても、子供がお小遣いを貯めた貯金箱や、仲間から集めたお布施や、お寺と無縁だった方々のお心などが自然に集まり出します。
 やがては、小川が集まって大海へ流れ込むように、必ず成就するのです。
 成就する時がいつであるかは、究極のところ、ご本尊様へお任せするしかありません。
 もちろん、事業に計画は必要ですが、宗教行為はすべて、世間的計らいを離れた次元で進み、結実します。
 だからこそ、清浄であり、その過程において、肩身の狭い思い、辛い思い、あるいは当惑、怒り、悲しみ、落胆、そして絆の崩壊などが発生するわけはないのです。
 もしも、こうした救済という宗教の目的に反する〈曇った心〉が檀信徒の方々の間で発生しているならば、前述した三つの条件のいずれかに反してはいないか、住職も役員さんも、よくよく考えてみる必要があります。
 
 どうぞ、皆さんでこうした愚考をたたき台にして話し合い、ご先祖様方が守ってこられたお寺を清浄な聖地として存続させるよう、ご努力ください。
 同じ伝統仏教界に生きる者として、残念な状況を心よりお詫び申しあげ、当山へも忌憚のないご批判・ご意見をたまわりますよう心よりお願い申しあげます。
 お大師様は説かれました。

「物の興廃(コウハイ)は必ず人による。
 人の昇沈(ショウチン)は定めて道にあり」

(ものごとが盛んになるか廃れるかは、それに関わる人々次第である。
 人が成長するか退落するかは、み仏の説く人の道にそっているかどうかにかかっている)
 人の道すなわち仏道をよく考え、仏道と寺院を守り、伝えて行こうではありませんか。

 今日の守本尊大日如来様の真言です。
https://www.youtube.com/watch?v=LEz1cSpCaXA



 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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