コラム

 公開日: 2013-04-16  最終更新日: 2014-06-04

寺子屋『法楽館』「自然と人間」が終わりました(その2) ─気象予報のお役立ち・貞観地震─

 おはようございます。
 皆さん、今日もお会いできましたね。
 今般の大災害に際し、亡くなられた方々と、被災された方々と、原発事故の現場をはじめ、復興に尽力しておられる方々に、み仏のご加護がありますよう心よりお祈り申し上げます。






〈毎月の例祭には『法楽の会』会員全員の護摩木を捧げるなど、善男善女の願いを込めたご祈祷とご供養が行われます〉



〈燃え上がる聖なる炎には明らかに芯があり、ご本尊様がおられることを実感します〉

 4月14日、気象予報士の斎藤恭紀先生より、ご講話をいただきました。
 大変なボリュームのある内容を休みなく、どんどん説明されるので、メモがほとんど間に合いませんでしたが、確認できる限り、書いておきます。

○気象予報はさまざまな分野で役立っている

 コンビニエンスストア…気温によって売れるモノが違うので、店長の注文を左右する。
 半導体工場…雷が落ちるとラインがストップする危険性があるので、落ちるか落ちないかを常にチェックしている。
 東京ディズニーランド…風速が8メートルを超えるかどうか、午後3時以降、雨が降るか降らないかどうかなどに神経を尖らせている。
 野球場…試合ができるかどうかだけでなく、弁当屋さんなどにも、雨は大きな影響を与える。

○地域ごとのきめ細かな天気予報の必要性を感じ、ウェザーニュース社から東北放送へ移り、「自分の仕事は、皆さんのいのちと財産を守ること」と思い定め、政治家にもなった

 政治の現場ではたらくうちに、「防災は自分のライフワーク」と考えるようになった。

○平成23年3月11日の東北大震災において、なぜ、多賀城での被害が大きかったかを考察する

 塩釜市との比較。
 死者…塩釜市47名、多賀城市188名
 全壊…塩釜市1017世帯、多賀城市1746世帯
 浸水…塩釜市22パーセント、多賀城市33パーセント

 なぜ、あまり海に面していない多賀城市の被害が大きかったのか。

1 大きな建物や工場が多く、ほとんど海が見えない。
2 津波は川からも来るが、津波の来る海にほとんど面していない。
3 上記の条件などにより、広々と海に接する地域よりもやや、危機意識が薄かったのかも知れない。
  防災広報装置は地震で使用不能となり、高さ1・5メートルの所に置かれた防災無線の操作盤は冠水した。

 しかし、869年の貞観津波によって多賀城市が大被害を受けていたことは明らかである。

「契りきな 片身に袖をしぼりつつ 末の松山波こさじとは」清原元輔

(互いに涙を流し合いながらお約束しましたよね、どんなに大きな津波もあの末の松山を決して越えられないように、私たちの恋も決して変わらないと、しかし、あなたは……)
 事実、今回の千年に一度という津波も、末の松山は越えていない。

「わが袖は 潮干(シオヒ)に見えぬ沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし」二条院讃岐

(恋の涙に私の袖はいつも濡れている、それは潮が引いた後でさえ見えない沖の石が、人知れずいつも濡れているのと同じなのです)
 事実、今回の津波は、かつで海であったところにある沖の石を呑み込んでしまった。
『日本三代実録』に記された津波の様子は、今回と同じである。

「貞観11年5月26日癸未(ミズノトヒツジ)に当たる日に、陸奥国(ムツノクニ)で大地震が起きた。
 閃光が夜空に走り、夜の闇が真昼のように明るくなった。
 しばらくの間、人々は叫び声を上げながら地上に突っ伏すしかなく、とても立ち上がれはしなかった。
 ある者は倒れた家の下敷きとなって圧死し、ある者は裂けた大地の間に落ちた。
 驚いた牛馬は烈しく走り回り、互いに踏みつけ合ったりもした。
 多賀城の城壁、倉庫、門、櫓(ヤグラ)、垣根、壁などが崩れ、倒れ、その数はとても数え切れない。
 河口の海は雷鳴のような轟きを発した。
 荒れ狂い湧き上がった大波は川を遡り、膨れあがり、たちまち城下に達した。
 海岸線から数十里から百里も遡った津波によって海面が広がり何もかも覆い、海と里との境もなくなった。
 原、野、道路、すべてが蒼い水につかった。
 船に乗って逃げる時間もなく、山へ登って逃げることもできなかった。
 千人もが溺死し、財産も、稲の苗も、ほとんど残ってはいなかった。」

 以下は、原文である。

「(貞觀十一年五月)廿六日癸未(ミズノトヒツジ)。
 陸奥(ムツ)國の地、大いに震動す。
 流光晝の如く隱映(インエイ)す。
 頃(シバラ)く、人民叫呼(キョウコ)し、伏して起(タ)つ能はず。
 或(アルイ)は屋仆(タオ)れて壓死し、或は地裂けて埋殪(マイエイ)す。
 馬牛(バギュウ)駭(オドロ)き奔(ハシ)り、或は相(アイ)昇踏(ショウトウ)す。
 城郭(ジョウカク)倉庫、門櫓(モンロ)墻壁(ショウヘキ)、頽落(タイラク)顚覆(テンプク)するもの、其(ソ)の數を知らず。
 海口(カイコウ)哮吼(コウコウ)し、聲は雷霆(ライテイ)に似たり。
 驚濤(キョウトウ)涌潮(ヨウチョウ)、泝徊(ソカイ)漲長(チョウチョウ)し、忽(タチマ)ち城下に至る。
 海を去ること數十百里、浩々(コウコウ)として其(ソ)の涯涘(ガイシ)を弁ぜず。
 原野道路、惣(スベ)て滄溟(ソウメイ)と爲(ナ)る。
 船に乘るに遑(いとま)あらず、山に登るも及び難(がた)し。
 溺死する者、千許(ばか)り、資産苗稼(びょうか)、殆んど孑遺(けつい)無し。」

 869年に起こった貞観大地震は推定震度8・3、887年の仁和地震(南海・東海・東南海地震)8・0~8・5とされ、この間に、鳥海山の噴火、咳病の大流行、近畿の大飢饉、相模・武蔵の地震、出雲の地震などが起きている。
 また、1596年9月5日に大分地震と慶長伏見地震が相継いで起こり、1605年に東海・東南海・南海連動型地震、1611年に慶長三陸地震・慶長三陸津波と続いてから、1616年の宮城県沖地震が起こっている。
 一連の地震や津波を重く見た伊達家は、増田宿や岩沼宿を定める際、なるべく海岸線より離すよう心がけている。
 そうした歴史や先人の姿勢に学び、防災に万全を期したいものである。

 今日の守本尊千手観音様の真言です。
https://www.youtube.com/watch?v=IvMea3W6ZP0




 こうした内容に関心のある方はブログ(http://hourakuji.blog115.fc2.com/)の拙稿をご笑覧ください。
 山里の寺から、有縁無縁の方々の、あの世の安心とこの世の幸せを祈っています。

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